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サッカーで日本中の心をひとつに。13万本の「勝利のハチマキ」がつないできたもの

1978年から「オフィシャルスポンサー」としてサッカー日本代表支援を続けているキリングループは、サッカーに関わる人同士のつながりを生み出し、社会により多くの笑顔を増やしていくため、2023年から「日本サッカー協会オフィシャルトップパートナー」として新しいパートナーシップを結びました。キリングループは日本代表選手だけでなく、サッカーに関わるすべての人を応援しています。

日本サッカーの発展を担ってきた公益財団法人日本サッカー協会(以下、JFA)と、長きにわたり日本サッカーを応援し続けてきたキリンが共同でお届けする連載「#サッカーがつなぐもの」では、「サッカーが持つ力」について考えてきました。

ファン、サポーターとともに、もっと選手を応援したい。応援を通じて、もっとみんなで一つになりたい。そんな想いから、キリングループはJFAとともに「勝利のハチマキ」プロジェクトを2022年から展開し、これまでに約13万本のハチマキを配ってきました。

今回は、JFAの池田千佳子さんと、キリンホールディングスのサッカー担当である井上剛輔が「勝利のハチマキ」プロジェクトへの想いを語りました。


デジタルな世の中で、あえて「ハチマキ」を選んだ

キリンホールディングスマーケティング戦略部サッカー担当 井上剛輔
キリンホールディングス マーケティング戦略部サッカー担当 井上剛輔

─「勝利のハチマキ」プロジェクトが始まった経緯を教えてください。

井上(キリン):もともとキリングループは1978年からサッカー日本代表を応援してきましたが、2023年からは日本サッカー協会オフィシャルトップパートナーとして、日本代表のみならず、各種大会や選手の育成なども含めて、サッカーに携わるすべての皆さんをサポートしています。

キリンが一方的に選手を応援するのではなくて、キリンがサポーターの皆さんと一緒になって選手を応援できたら。また、サポーターの皆さん自身も応援のエネルギーを感じられて、笑顔の輪を広げられるような「一体感」をつくり出せたらーー。そんな想いから、2022年に「勝利のハチマキ」プロジェクトが始まりました。

池田(JFA):キリンさんには45年以上、日本代表を応援していただいているので、JFAとしてもこれまでたくさんの取り組みをご一緒してきました。

そのなかで「勝利のハチマキ」のご提案をいただいたときは、正直驚きましたね。取り組み自体は新しいものの、これだけデジタル化が進んでいる世の中で、あえて昔ながらの「ハチマキ」というアイテムに原点回帰するんだ、と。

井上(キリン):お気持ちはわかります。でもみんなで同じユニフォームを着て、同じハチマキを巻いて応援をすると、不思議と気持ちが盛り上がるし、より一体感が生まれるんですよね。

サッカーのお仕事に携わるようになって以降、初めてスタジアムでの応援を目の当たりにしたときに、選手とサポーターが一体となって戦っている感覚になって!なんて素敵なスポーツなんだと思いました。

キリンは45年以上日本代表の応援をさせていただいているからこそ、「応援」が持つ力を信じています。応援は、サッカーのパスのようなもので、応援されている側はもちろん、するほうも元気や活力をもらえるものだと思うんです。

「応援の力」を信じているキリンとして、「みんなを一つにつなぎたい」「みんなを笑顔にしたい」という想いがあるからこそ、老若男女が手に取ることができる「ハチマキ」というものに行きつきました。

勝利のハチマキ
勝利のハチマキ

池田(JFA):実際にプロジェクトが始まって、皆さんにハチマキをお配りしていると、ハチマキへの反響を肌で感じますね。

特に印象に残っているのは、2023年6月のキリンチャレンジカップ。勝利のハチマキを配布した際に、ハチマキを求めるサポーターの列がスタジアムの外まで続いたんですよ。運営側が想定していた以上の反響で、長蛇の列に並んでまでもハチマキを欲しいと思ってくださっているのだなと本当にうれしく思いました。

井上(キリン):勝利のハチマキは代表戦のたびに配らせてもらっていますが、毎試合長蛇の列ができていますよね。雨が降ったり、暑い日であっても並んでくださるほどです。

はじめは関東のみの配布だったのですが、広島県や石川県など試合が開催される各場所で配布するようになってからは「ようやく手に入れられた!」というお声も聞くようになりました。また、SNSでのキャンペーンも何度か展開しているのですが、2023年は5000通ほどだった応募数が、今年は1万通を突破。「勝利のハチマキ」を身に着けて、一緒に応援したいという想いを持ってくださっているサポーターが増えている実感があります。

個人的に印象的だったのは、海外でキリンチャレンジカップを開催したときのこと。現地の日本人学校に通う皆さんをご招待して、勝利のハチマキもお渡ししたんですよ。皆さん、よろこんで身に着けてくださって!海外のスタジアムにいるサポーターと、国内で観戦しているサポーターが同じハチマキをつけてともにサッカー日本代表を応援している姿は、海を越えて想いが一つになっている感覚があり、感動的でしたね。

勝利のハチマキをつけるサポーターの様子
勝利のハチマキをつけるサポーターの様子
勝利のハチマキをつけるサポーターの様子
勝利のハチマキをつけるサポーターの様子
勝利のハチマキをつけるサポーターの様子
勝利のハチマキをつけるサポーターの様子

池田(JFA):素敵なエピソードですね。スタジアムではハチマキを手にした皆さんが、ヘアアクセサリーやチョーカーとして活用したり、数種類がランダムで配布されるので欲しいハチマキをトレードされたりしている姿もよく見かけます。

JFパートナー事業部パートナーシップ第1グループ 池田千佳子さん
公益財団法人 日本サッカー協会(JFA)パートナー事業部パートナーシップ推進第1グループ
池田千佳子さん

 井上(キリン):皆さん、それぞれでアレンジをしてくださっていますよね。SNSでは親子でおそろいの勝利のハチマキをつけて一緒に応援したり、お家にいるペットにハチマキをつけた写真を投稿している方もいらっしゃいましたね。皆さんが思い思いの形で応援を楽しんでくださっているのがまた嬉しいですね。

ハチマキに刻まれる、選手の想い

キリンの井上とJFAの池田さん

─「勝利のハチマキ」のデザインについても教えてください。

池田(JFA):今回のハチマキで3代目のデザインとなります。最初のハチマキは、歴代の日本代表選手がインタビューなどで語ったメッセージを厳選して、プリントしたデザインでしたが、2代目からは現役の日本代表選手に直筆で今の想いを書いてもらうデザインにしました。

今回の3代目は、代表選手全員の直筆に加え、ハチマキの中央に「日本中の心をひとつに」という、森保一監督の言葉を監督自身に直筆で書いていただいたハチマキとなっています。

選手や監督も「勝利のハチマキ」をポジティブに受け取っていますね。メッセージの執筆の際はみんな真剣に言葉を考えてくれていますし、何度も書き直す選手もいるほど。2代目に続き3代目の執筆を依頼した際に「また作ってくれるんだ」とよろこんでくれた選手もいました。

勝利のハチマキ

井上(キリン):YouTubeチャンネル「日本代表 Team Cam」でもメッセージを書くときの様子を取り上げていただいていましたね。

池田(JFA):はい。ピッチ上で見せる顔とはまた違った様子を見ることができると思います。個人的には、一文字一文字丁寧に言葉を記してくれたり、覚悟を持って言葉を選んでくれたりする姿が印象に残っています。

井上(キリン):勝利のハチマキを巻いているサポーターの姿は、選手や監督からも見えるそうで、「応援が力になっている」というお話を聞くとやはりうれしいですね。

池田(JFA):ハチマキを手にしたサポーターの皆さんも「○○選手はこんな言葉を書いている!」「こんなふうに思っているんだ」などと、選手の言葉をしっかり受け取ってくださっているなと感じます。

井上(キリン):そうですね。選手の直筆サインが入っていることで「より選手と一体となって戦っている気がする」というお声もいただきます。

キリンの井上とJFAの池田

─選手にとって、応援は力になっていると感じますか?

池田(JFA):はい、もちろん力になっていると思います。

特にコロナ禍では無観客や観客の人数を絞って試合をしてきました。選手の声しか聞こえないようなシーンとした雰囲気での試合は、選手たちも今まで経験がなかったはずです。だからこそ、フル観客で声出しOKとなってからは、選手たちも今まで以上に応援の力を感じているのではないでしょうか。

何より、選手がこれまで以上に試合を楽しんでいるように感じるんですよね。応援してくれる人がいる。一緒に戦ってくれている人がいるということを再認識したのだと思います。

井上(キリン):日本のサポーターの皆さんも、「一緒に戦っている」という想いが強いと思うんです。一緒に戦っているからこそ、試合に勝ったときは一緒になってよろこぶし、負けたときは一緒になって悔しがるんですよね。

サッカーの世界大会がある日は、街中がお祭り騒ぎになったり、とても盛り上がりますよね。SNSを見ていても「普段はスポーツ応援をしないけれど、サッカー日本代表の試合だけは応援してしまう」といったコメントも目にします。

池田(JFA):そうですね。基本的にサッカーはボールがゴールに入れば点数が入るというスポーツ。ルールが複雑すぎると、その時点で気持ちが離れてしまう人もいると思うんですけど、「敵と味方がいて、ゴールに向かってボールを蹴る」というシンプルなところが、日本のみならず、世界中の人がサッカーに惹かれる理由のひとつなのかなと思います。

2026年の世界大会、そしてその先も

勝利のハチマキ

─2026年の世界大会への想いを教えてください。

井上(キリン):ベスト16が最高成績のSAMURAI BLUEは、2026年に「新しい景色を見る」ことを目指していて、さらに「2050年までに優勝」という大きな目標も掲げています。これは日本代表やJFAさんだけの夢ではなく、日本サッカーを応援するみんなの夢でもあると思っています。

日本サッカーやキリンが良いときも厳しいときも、我々はずっと一緒に歩んできたパートナーです。キリンとしては、2026年に向けてはもちろんその先も、サポーターの皆さんとともに、日本代表の皆さんをしっかり応援していきます。

池田(JFA):ありがたいことに、この「勝利のハチマキ」プロジェクトも3年目になりました。多くのサポーターがハチマキを求めて列に並び、手にしたハチマキを身につけて一緒に応援する。そうすると、試合自体が格段に盛り上がるなと肌で感じています。

オフィシャルトップパートナーのキリンさんといろいろ取り組みをさせていただいているなかで、今後は「ハチマキ」という形ではなくなるときが来るかもしれませんが、2026年の大会、そしてその先の「世界大会で優勝」という目標に向けて、一つひとつ目の前のことを一生懸命に取り組んでいきたいと思っています。これからも一緒に新しい景色が見られたらうれしいです。

井上(キリン):そうですね。我々としても、引き続きサポーターの皆さんとともに全力で日本代表を応援していきます。そしてこれからも、サッカーの持つ力を信じているキリンとして、選手やサポーターの皆さんはもちろん、サッカーに関わるすべての人をサッカーの持つ力でつなぎ、笑顔の輪を広げていくサポートを続けていきたいと思います。

キリンの井上とJFAの池田さん
JFA夢フィールドの天然芝ピッチでの1枚。
キリンの井上

【プロフィール】井上 剛輔
キリンホールディングス マーケティング戦略部 サッカー担当。

JFAの池田

【プロフィール】池田 千佳子
公益財団法人 日本サッカー協会(JFA)パートナー事業部パートナーシップ推進第1グループ。2017年よりSAMURAI BLUE(サッカー日本代表)やなでしこジャパン(サッカー日本女子代表)をはじめとする各日本代表の協賛企業に関わる施策や「キリンビッグスマイルフィールド」「キリンファミリーチャレンジカップ」などの価値共創事業の企画・運営に従事 。

 文:五月女菜穂
写真:上野 裕二
編集:RIDE inc.

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