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焼き芋の甘さと香ばしさが融合!種子島産安納芋を使ったエールタイプが登場【FARM to SVB #03】

ビールの造り手が全国の農産地を訪問し、現地での体験を活かした商品を開発していくプロジェクトとして始まった「FARM to SVB」。

第1弾は広島県因島の八朔、第2弾は北海道厚真町のハスカップを使用して、これまでに2つの個性的な商品をリリースしてきました。そんなFARM to SVBの第3弾となるのが、鹿児島県種子島産の安納芋(あんのういも)を使ったもの。

一般的なサツマイモよりも甘味が強いことで知られる安納芋から、どんな商品が誕生したのか。開発を担当したSVB東京のヘッドブリュワー・古川淳一に話を聞きました。

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【プロフィール】古川淳一
大学院で菌類の遺伝子に関する研究を行った後、2009年キリンビールに入社。醸造研究所(※ 当時)に配属され、ホップに関する技術開発などの業務を担当した。28歳の時には、最年少の醸造担当としてSVBの開発プロジェクトに参加。麦芽とホップに、ラズベリー果汁とワイン酵母を組み合わせたクラフトビール「JAZZBERRY」を開発した。その後3年間、キリンビール岡山工場での勤務を経て、現在はSVB東京のヘッドブリュワーとして年間数十種類ものクラフトビールを造り続けている。

加工しにくい生の状態ではなく、焼き芋にするというブレイクスルー

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—FARM to SVBの第3弾は、鹿児島県種子島産の安納芋を使っているとのことですが、今回はなぜ安納芋を選ばれたのでしょうか?

古川:色んな理由があるんですけど、これまで八朔、ハスカップというフルーツを使ってきたので、ちょっと違う感じのビールを造りたいなと思って。それで野菜を使ってみることにしたんです。その結果、結構大変だったんですけど(笑)。

—フルーツとは違った苦労が?どの辺りが大変だったんですか?

古川:そうですね、種子島の農家さん達もおっしゃっていたんですけど、芋を使ったビールがどういう味になるか想像がつかないっていうのがまずありました。

フルーツだと、搾ったジュースをビールで割れば、なんとなく完成品の味が想像できるんですよね。だけど、芋だとそういうわけにはいかないじゃないですか。

—芋の果汁を搾るってわけにはいかないですもんね。

古川:そうなんですよ。まずは、そこが難しいポイントでした。
そういうこともあって、今回は生のまま安納芋を使うのではなくて、焼き芋にしたんです。

—焼き芋に?

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古川:ええ。安納芋って糖度がすごく高くて、焼き芋にすると中がとろっとした蜜みたいになるんです。そのまま置いておくと、皮から蜜が漏れてくるくらい甘味が詰まっていて。

—えー、想像するだけで美味しそう(笑)。

古川:すごく美味しいんですよ。そのままスイーツになるくらいです。

—火を通すことで糖度が増すんですね。

古川:そうなんですよ。それに、持っているだけで崩れるくらい柔らかくなるので、簡単にペースト状に加工できるんです。

今回は、そのペーストを使って醸造することにしました。
農家さん達も、「焼き芋の方が、味がするんじゃない?」と言ってたので、試しにやってみたら上手くいったんです。

種子島の農家さんにも喜んでもらえるように

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古川:焼いてペースト状にすることで、安納芋の味を出すことはできるようになったんですけど、それでもまだ難しいところがあって。

—どういった部分が障壁になったんですか?

古川:味を引き出すために安納芋をたくさん入れると、芋焼酎みたいな香りになっちゃうんですよ。

—なるほど。芋焼酎の独特な香りってありますよね。お湯割りにしたときにモワッとくる感じの。

古川:そうそう、それです。あの香りが出てくるから、芋焼酎とビールを混ぜたような味わいになっちゃって…。安納芋はスイーツのような甘味が特徴なので、そういう意味ではちょっと違うかなと。

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古川:それに、今回は種子島の農家の方々も安納芋がどんな商品になるかを楽しみにされていたので、そこに芋焼酎のような味わいのものを出してもガッカリされちゃうかなっていうのもありました。「そのまんまじゃん」みたいな…。

—「あー、芋焼酎と同じ感じだね」ってことになりかねないですもんね。

古川:もちろん芋焼酎を悪く言っているわけじゃなくて、農家の方々は普段クラフトビールを飲まれないと言っていたので、せっかくならそういう人達にも喜んでもらえるものを造りたかったんです。

だから、まずはビールとして美味しいものを造り、その中に安納芋が感じられるようなものにしたいなと思いました。

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種子島で安納芋を育てている農家さん。

—そのために、どのような工夫をされたのでしょうか?

古川:ひとつは単純に安納芋をたくさん入れすぎないことですね。それから糖化の過程をコントロールすることで、安納芋の甘みを残しつつ、芋焼酎のような香りを立たせないようなバランスを探りました。

今回はいつも以上にテストを繰り返しました。その結果、安納芋の甘味をしっかり活かしつつ、すごく美味しく仕上がったと思います。

安納芋を使った、この時期だけの個性豊かなフードメニュー

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古川:できたばかりのものをお持ちしたので、ぜひ飲んでみてください!

—ありがとうございます。

古川:ビアスタイルとしては、ちょっと色が濃い目のエールタイプです。

—あ!ちょっと香ばしい香りがしますね。そのあとに甘味がふっと立ってきます。

古川:焼き芋は皮ごとペーストにしてるんですよ。そこの香りがほのかにありますよね。

—芋焼酎っぽさは全然ありませんね!あとは、すごくコクがあって、柔らかい味わいです。美味しい。

古川:コクとか甘さは、安納芋由来の味わいですね。それと、今回はあまりホップを使ってないんですよ。だから、相対的に安納芋の甘味が立つようになっています。SVBとしては久しぶりに、ホップに頼らない味づくりをしたんですよね。

—そういう組み合わせ方の自由度も、クラフトビールならではの個性という感じがしますね。

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焼き安納芋のジャージーミルクジェラート添え、安納芋フリット シナモン山椒塩、安納芋とゴルゴンゾーラのスキレットグラタン

—SVB東京では鹿児島の食材も提供されているということですが、いくつか紹介していただけますか?

古川:これは、「安納芋のフリット」なんですけど、同じ素材を使っているので、一緒に味わったときに味の馴染みがいいんですよね。

—すごく綺麗な黄色ですね。

古川:火を通すと色も鮮やかになるんですよ。

—あ、これ、ちゃんとおつまみっぽいですね。もうちょっとデザートっぽいのかと思っていたんですけど。

古川:そうなんですよ。山椒塩とシナモンが効いていいアクセントになっています。

—意外性もあるし、クセになりそう。

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生の状態の安納芋は、火を通した後よりも白っぽい色味。

古川:「安納芋とゴルゴンゾーラのスキレットグラタン」も少し甘めの味わいなんですけど、甘味のレベル感が近いので、飲み合わせても全然違うものを口の中に入れたって感じがないんですよ。

—あー、本当ですね。口の中で一緒に溶けていく感じがします。

古川:それでいて、グラタンのクリーミーで重た目の味わいを、スッと流してくれるんです。

—後味がさっぱりするから、次のひと口も美味しく食べられますね。

古川:そうなんですよ。

—一緒に食べるものによって、ビールの違った面が感じられるっていうのは面白いですね!

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古川:焼き安納芋にジャージーミルクジェラートを添えたメニューは、割とオーソドックスなデザートなんですが、燻製されたクルミが入ってるのがおもしろいポイントだと思います。

—わ、本当だ。口に入れた瞬間に、スモーキーな香りと味が広がりますね!これは不思議な美味しさだなぁ。

古川:安納芋の甘味が引き立ちますよね。

—そうですね。最初にスモーキーな味わいが広がることで、甘くてコクのある安納芋の存在感がグッと際立ちますね。
3つとも新鮮な驚きがあって、食べていてとても楽しかったです!

FARM to SVB#03「鹿児島県種子島産 安納芋」は、SVB東京でお飲みいただけます。限定醸造ですのでお早めに!

文:阿部光平
写真:土田凌

今度乾杯しましょう!
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