社会、会社、そして自分の未来を作る「キリンビジネスチャレンジ」
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社会、会社、そして自分の未来を作る「キリンビジネスチャレンジ」

KIRIN

社員からビジネスアイデアを募集し、新規事業化を支援する。キリンには、そんな社内制度があります。その名も「キリンビジネスチャレンジ」。同制度には、キリングループの国内社員全員が応募できます。

実際に同制度に応募して最終選考を通過し、2022年に晴れて新規事業を立ち上げるのが、キリンホールディングス株式会社 ヘルスサイエンス事業本部ヘルスサイエンス事業部新規事業グループ 田中吉隆です。彼はこう言います。

「キリンビジネスチャレンジにより、100%コミットしたいと思えることが見つかりました」。

参加者ならではのリアルな言葉を通してキリンビジネスチャレンジの“かけがえのない価値”に迫ります。

【プロフィール】田中 吉隆
キリンホールディングス株式会社 ヘルスサイエンス事業本部ヘルスサイエンス事業部新規事業グループ
2015年に新卒入社し、キリンビバレッジ株式会社首都圏地区本部に配属。2018年にキリンホールディングス株式会社経理部に異動。2019年にキリンビジネスチャレンジへ応募し、翌年、最終選考を通過。その後、ヘルスサイエンス領域の新規事業部門に異動し、応募案件の新規事業化を目指す。並行して有志の企業内大学「キリンアカデミア」を同期と共に立ち上げ、グループ社長賞にあたるキリングループアワードを受賞。その後、キリンビジネスチャレンジの運営にも携わり、数百件の新規事業の支援を行う。2022年、調剤薬局に向けた新規事業「premedi」をローンチ。社外活動として、経済産業省のグローバル起業家等育成プログラム「始動 Next Innovator 2021」シリコンバレー選抜に選出される。
現在、株式会社アルファドライブから業務委託にて副業中で、一般財団法人・生涯学習開発財団認定コーチとしても活動している。

キリンビジネスチャレンジ 参加を経て芽生えた新規事業への関心

―まずはキリンの新規事業公募制度キリンビジネスチャレンジと、田中さんの関わりについて教えてください。

田中:キリンビジネスチャレンジには、2019年に応募者として参加し、選考を通過しました。その後、応募案件の事業化を進め、ついに2022年4月26日にローンチしました。一方、現在は運営者としてキリンビジネスチャレンジの取り組みを広報したり、応募者をサポートする業務にも携わっています。

―「応募者」と「運営者」の2つの立場から関わっているんですね。そもそも応募のきっかけはなんでしたか?

田中:同期の有志たちと一緒に立ち上げた、あらゆる社員が学びを共有できる社内大学「キリンアカデミア」がきっかけです。その活動の一環として新規事業に関する取り組みを始めたのですが、私自身、新規事業についてわからないことが多いなと感じていたこともあり、勉強の意味も込めて、キリンビジネスチャレンジでアイデアを探そうと思いました。

―応募にあたり、田中さんが選んだのが薬剤師さんの課題を解決するビジネスプランでした。そのアイデアは、どのように生まれましたか?

田中:実は合コンがきっかけだったんです(笑)。キリンビジネスチャレンジに応募するにあたり、世の中に何か解決すべき課題はないかと探していた時期にたまたま合コンがありました。

そこでご一緒した薬剤師さんが、「医薬品の用意作業や在庫管理の作業をしている時間が長い」という話や「薬剤師がどんな仕事をしていてどんなスキルを持っているか世間に伝わっていない」という話をしていて。「これはいろいろと課題があるかもしれない」と感じたんです。

そこで、SNSなどを通じて知り合いを隅々からあたり、薬剤師さんを紹介してもらってはヒアリングを行うということを重ねていったのですが、そのなかのある薬剤師さんから声をかけていただき、実際に薬局での業務を見学させていただくことになりました。その時に、驚く光景に出くわしたんですよね。

―それはどんな光景だったんですか?

田中:薬局で業務に就いていた薬剤師さんが突然、「薬が欠品したので、ちょっと近くの薬局まで行ってくる」と、お客さんを待たせた状態で走って薬を取りに行ったんです。

そこからヒアリングを何人かにしてみると、薬は大まかに「ベストセラー」「ロングテール」に分けられそうだと分かってきました。ベストセラーは、基本的に近隣の病院で処方される薬で、種類が限られているので在庫が不足することはほぼありません。

一方でロングテールは、近隣の病院以外から処方箋をもらってやってくるお客さんが求める薬で、駅をまたいだ病院や大学病院など様々な医療機関からやってくるため、こちらは種類が多岐にわたるんです。そのため、1つの薬局ですべての在庫を管理することが難しい。だから、品切れが起きてしまうこともあるんです。

なかには、ただちに薬を処方する必要のあるお客さんもいるため、欠品が発生するたびに近くの薬局に電話で問い合わせ、在庫があれば急いで取りに行く。薬局によっては、そんな場面が週に複数回も起こってしまうようです。

まさしくこれこそ“解決されるべき課題”なのでは!と感じ、ここを起点に新規事業のプランを練り上げていき、応募に至りました。

大切なのは、自分の目で実際に課題を体感すること

―ビジネスチャレンジの選考は、具体的にどのように進んでいくのですか?

田中:選考は、1次書類審査のエントリーが9月に締め切られ、10月に1次書類審査、12月に2次書類審査という流れで進んでいきます。さらには翌2月には、3次プレゼン審査があり、そして6月に最終プレゼン審査となります。各審査で、企業内新規事業の開発に特化してサポートを行うアルファドライブ株式会社のメンタリングを受けることができます。

―メンタリングとは、具体的にどんな内容になるのでしょうか?

田中:事業化に向けた各段階で、「今、何をすべきか」をガイドし、私たちのプランをブラッシュアップしてくれます。

たとえば、新規事業の構想というと、つい斬新なアイデアや技術を起点にしがちです。でも、本来起点とするべきは「顧客の課題」なんです。それも人からの伝聞とかではなく、自分の目で実際に課題を「体感」することが大切で、それを起点に本質的な問題を掘り下げていく。

課題をしっかり掘り下げられさえすれば、その課題を裏返すだけで解決方法が自然と見えてくる。そんなときに、進むべき方向性を示す“道標”となってくれるのが、メンターなんです。

―田中さんの新事業プランは、その後どんな形になっていったんですか?

田中:急に予想外の処方が来て欠品してしまうことが問題なら、在庫を調整しておけばいいのではないかと思い、薬局への「置き薬」という解決策を思いつきました。必要になりそうな薬を事前に少量で準備して、薬局に置いておくというアイデアです。

置き薬のアイデアを考えたときのメモ書き

田中:構想が固まってきたら実証実験に移るのですが、そこで起きた“ある失敗”が1つのターニングポイントとなりました。

あるとき、薬局で近々必要になりそうなロングテール医薬品を薬剤師さんに100種類ほど選んでもらい、試しに置いてみることにしました。ところがいざふたを開けてみると、これがほとんど的中せず、これまでどおり品切れが発生してしまいました。薬剤師さんであっても、必要となる薬を予想するのは難しかったんですよね。

その失敗を受け、今度は薬の処方にまつわるさまざまなデータを入手して分析を行い、それをもとに新たに100種類をピックアップしたところ、品切れをだいぶ防げるようになったんです。そこで目を向けたのが、“AI”です。AI技術を使えば、予想の精度を一層高められるだろうと思ったんです。

そこから売れそうな薬をAIで予想し、あらかじめ薬局に小分けにして置いておく「premedi」というサービスが誕生しました。薬局からいただく月額使用料が、「premedi」の収入になるビジネスモデルです。

医薬品の販売には資格が必要で、キリンで実現するにはノウハウもなければ時間もかかってしまうため、外部の販売パートナーと組んで実現しています。

―実際に事業化に向けて動くなかで、田中さんご自身の中で何か意識の変化のようなものはありましたか?

田中:薬剤師さんたちの話を聞くなかで強く感じたのが、スキルの高い人が本当に多いなということです。だからこそ彼らの課題を解決し、患者さんに向き合うことへ集中できるようにすれば、社会がもっと良くなるだろうと実感しました。そのために、この事業を必ず世に出し、薬剤師さんの課題を早く解決したい。そんな想いがどんどん強まっていきました。

私のように“やりたいこと”が特になかった人間に、“絶対にやりとげたいビジョン”ができたことが、キリンビジネスチャレンジに取り組むなかで得られた1番の収穫だと感じています。

運営視点から見たキリンビジネスチャレンジの価値

―田中さんは現在、ヘルスサイエンス事業本部の一員として、キリンビジネスチャレンジの運営業務にも携わっています。そちらに関しては、どんな想いをもっていますか?

田中:私は新規事業の立案を通し、本気で携わりたいと心から思えるものに出会えました。だからこそ1人でも多くの方に、同じ体験をしていただきたいという思いで、運営業務に就いています。

―参加者にとってのキリンビジネスチャレンジの“本質的な価値”とは、なんですか?

田中:参加者の「成長の場」となることが、何よりの価値だと思います。新規事業とは、いわば“総合格闘技”です。

私自身、これまで会社で携わってきた営業や経理のスキルを棚卸ししながらさらに高められると同時に、携わったことのない法務やシステムのことを学び、そして何よりもお客さまの課題を解決するマインドを学びながら、なんとか事業化を推し進めてきました。

そんなふうに事業化を本気で目指すことで、自然と「ビジネスの総合力」のようなものが身につくと感じています。したがって、キリンで社内事業を立ち上げるのはもちろんのこと、将来的に異動などで他の仕事に就いた場合にも、あるいは定年退職をした後にも、キリンビジネスチャレンジで得たスキルは大きな武器となるのではないかなと感じています。

実際、定年後を見すえたスキル磨きや“やりたいこと探し”を目的に応募する方も、少なからずいらっしゃいます。

―キリンビジネスチャレンジを通して実際に事業化された事業は、田中さん案の「premedi」以外にどんなものがありますか?

田中:直近でいうと、2018年度の選考からは、大手スポーツジムにて、ユーザーごとに個別に調合したサプリメントを提供する「GOLD EXPERIENCE(ゴールド・エクスペリエンス)」が生まれています。

また、“電気味覚”の技術によって「味を調整できる食器」を提供し、減塩をサポートする事業を、2023年以降上市するために現在検証中です。

―新規事業の内容は多岐に渡るんですね。このような事業をみて、「キリングループの社員ならではの強み」は、どんなところにあると思いますか?

田中:キリンには、1人ですべてのことをこなせるような「総合力の高い人材」が非常に多いと感じています。前述の通り、新規事業には総合力が必要になるので、そこは大きな強みになるのかなと。

キリンに新規事業文化が根付いたら…

―今後、キリンビジネスチャレンジをどんなものにしていきたいですか?

田中:なんといっても、参加者をもっともっと増やしたいです。その結果、キリングループの社員があたりまえのようにキリンビジネスチャレンジに参加し、常に100個以上の新規事業の実証実験が行われている状態になったらいいなと。

そうなれば、新規事業がキリンの大きな強みとなるでしょうし、なによりキリングループの社員が一層ワクワクして働けるはずです。新規事業が文化になって、いつか「キリンといえば新規事業の会社」と言われるようになりたいですね。

また、私たちは目の前の事業に向き合うだけでなく、「次」を見据えることを意識しています。今行っている新規事業立ち上げに対して「うまくいったところ」や「難しかったところ」など検証から事業化までのノウハウを蓄積することで、次のプロジェクトにつなげていきたいと考えています。

大企業だからこそ、新規事業の立ち上げ方を型化して、組織能力にしていくことができると考えています。

―これから参加を考えている人や、キリンビジネスチャレンジに興味を持っている人に伝えたいことはありますか?

田中:キリンビジネスチャレンジの本質的な価値は、成長の場所が作れるということだと思います。自分の能力をフルに使って、自発的に責任を持って仕事を作っていくことで自分の未来を作れるし、会社や社会の未来にもつながるんです。

新しいことを始めるうえで、失敗が起こるのはあたりまえです。だからこそ失敗し、学び、改善するというサイクルをできるかぎり小さく、早く回していき、社会にとって価値のある事業になるかどうかを検証していく。そんな文化がキリンに浸透したら、世の中にとんでもないインパクトを残せるのではないでしょうか。

ぜひ1人でも多くの方に参加していただき、その人ならではの“ワクワク”に出会っていただければと思います。

編集部のあとがき

取材中、ご自身のチャレンジについて嬉々と話す田中さんを見ていて、ふと「たくましいなぁ」と感じました。

たくましい。辞書を引けば「頑丈でいかにも強そうに見える」とか「多少のことではくじけない」などと出てきますが、実際の田中さんは、一見すると爽やかな雰囲気ですし、口調もとても穏やかです。対面するとむしろ「飄々としている」という言葉の方が近いと思います。それでも「たくましい」と思わせたものはなんなのだろう?取材後もしばらく引っかかっていました。

今後この企画は「ビジチャレ」に関わった方たちを少しずつご紹介していく予定です。この取材の後、これまで「ビジチャレ」に関わった方たちとやりとりをさせていただく機会があったのですが、皆さん揃って「楽しそう」なことが印象的でした。メールの言葉だけでも、十分過ぎるほどポジティブな空気を感じ、こちらもついつい楽しくなりました。

そのやりとりを通じて「楽しそうな人に楽しいことは集まる」という、ごく当たり前のことに気付きました。取材時に田中さんに感じたたくましさは、楽しそうなことが芽吹く前の勢いに満ちているような空気を感じたからなのでしょう。

「ビジチャレ」が、キリンのたくましさを補強する役割になるのであればとても有意義なことです。そういった空気感をnoteでも伝えていきたいと思っています。今後も「ビジチャレ」をnoteで追いかけていきます。

お楽しみに。

文:田嶋章博
写真:土田凌


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