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【キリンのグループ報 写心館#07】思いは必ずお客さまに伝わっている

キリングループ会社全体の取り組みを紹介する社内報である、グループ報『きりん』。その中の一つで、従業員の想いや活躍する姿を自分自身の言葉で伝える『写心館』というコーナーをnote上で公開しています。

▼連載の経緯はこちら

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、仕事の進め方を見直した従業員がキリングループにはたくさんいます。今回は、そんななかでもお客さまのことを最優先に考え、試行錯誤する従業員の姿を伝えたいと思い、キリングループの工場見学の運営などを担う「キリンアンドコミュニケーションズ」を訪れました。

工場見学の再開を楽しみにお待ちいただいている全国のお客さまの声に応え、見学施設の一部をリニューアルして着々とお客さまをお迎えする準備を進めています。

「写心館」第7弾は、工場見学運営を担うキリンアンドコミュニケーションズでトレーナーガイドを務める上野紗央里です。

キリンアンドコミュニケーションズの上野紗央里

【プロフィール】上野 紗央里
キリンアンドコミュニケーションズ 仙台事業所 トレーナーガイド
2014年入社。仙台工場を訪れたお客さまへ『一番搾り』のファンになっていただくべく、工場内の案内をするのが主な仕事。2017年ミドルガイド、2020年トレーナーガイドと昇格し、案内業務の傍ら、新人ガイドやスタッフに対し接遇マナーや話し方の指導やアドバイスをするトレーナー業務も担う。


お客さまとダイレクトにコミュニケーションを取るという責任感

キリンアンドコミュニケーションズの上野紗央里

実は大学時代、舞台照明や音響などの裏方を学んでいました。表舞台に興味を持ち始めたのは、何だったんでしょう。決定的なきっかけは思い出せないのですが、今度は自分が人の前に立って、動いて、何かを伝えてみたい!という気持ちになりました。

宮城県出身なんですが、実は仙台にビール工場があることさえ知りませんでした。本当にたまたま、タイミングよくガイドの募集を見つけて、応募いたしました。

今は工場見学を休止しておりますが(※)、以前は多い日で3回、お客さまをご案内していました。もともと緊張しいなので、何度経験してもいまだに緊張します。そういう時は腹式呼吸を意識します。いい声も出ますし、深く息を吸うことで緊張が和らぐんです。

※2021年10月中旬の情報です。

キリンビールの商品ができあがるまでの工程で、たくさんの方が携わっていますが、お客さまとダイレクトにコミュニケーションを取れるのは私たちだけです。どんなにいい商品でも、私たちの伝え方次第でプラスにもマイナスにも印象が変わってしまいます。キリンビールファンになっていただけるようにご案内できるかがこの仕事の難しさです。私自身、お客さまをご案内していくなかで、自分の言葉が持つ力の大きさに気づいて、そうした責任感が育っていきました。

お客さまに会社の思いを伝え、工場見学を楽しんでもらうために

キリンアンドコミュニケーションズのメンバー

仙台工場には私を含め6名のガイドがいます。朝礼の時は、みんなで並んで立ち方の確認や腹式呼吸、発声や滑舌の練習をしています。「あめんぼあかいなあいうえお」などです。少し異様な光景かもしれません。

本日いるガイドを集めましょうか。集合写真を撮る機会は結構ありますので、並びは大体決まっております。

キリンビール仙台工場の内部

ツアーの再開にあたって、今まで無料だったツアーが有料になります。大きく変わったのは、全体の構成とトーク、「ブルワリードラフトマスター」という社内資格を取得したスタッフがお客さまにビールを注ぐこと、そして見学前後にオンラインの動画で見学内容を予習・復習ができるという特典が加わったことです。

今回私は、全工場共通のナレーション作成にも携わりました。会社の思いが伝わり、お客さまに分かりやすいナレーションを目指して、何度も会議を重ねて作り上げました。ガイドの仲間や工場で働いている方々に向けて何回か模擬ツアーをし、その度に少しずつ修正しながら作りました。関係者を案内するほうが、お客さまを案内するよりも緊張しますね。

仙台工場では、工場の皆さんもツアーに積極的に関わってくれ、ツアーで巡っているお客さまに気づいたら手を振ってくれるんです。お客さまは遊園地でマスコットキャラクターを見つけた時みたいに「わあ〜!!」ってよろこんで手を振り返していらっしゃいますよ。

キリンビール仙台工場の外観

工場見学の途中で、こんな素敵な演出も。工場の皆さんがお客さまに向けて『本麒麟』を並べて作った「WELCOME」の文字。

キリンアンドコミュニケーションズの上野紗央里

仙台工場の工場見学では、屋外も通ります。これは経路の途中にあるビール型の電話ボックス。今は、電話機自体は外されていますが、フォトスポットとしてお客さまに人気です。

お客さまは、ご近所に住んでいる方も多いです。お客さまによれば、ここの近くに野生のホップが育っているそうで。ツアーで「ホップとはこういうものです」とお見せしたら「あそこに生えているのはホップだったんだ!」って。みなさん同じ場所を仰っているので、まず間違いないかと。自生のホップなんて、東北ならではのお話かもしれませんね。

キリンビールと過ごす時間を素敵な思い出に

キリンアンドコミュニケーションズの上野紗央里

リピーターのお客さまも多く、「いつもお酒コーナーに行くと工場のことや、上野さんのことを思い出して、キリンを選んじゃうんだよ」と言っていただくこともあります。お帰りになったあともキリンビールを選んでくださっている、本当にキリンビールがいいと思ってくださっているんだなあと。リピーターの方も初めての方も、キリンビールと過ごしていただく時間が素敵な思い出になるように、1回1回気持ちを込めてご案内しなきゃなと、あらためて思いました。

キリンアンドコミュニケーションズの上野紗央里

“あらためて”と言いましたけれども、最初にそう思ったのは、ガイドデビューをして間もない頃です。当時のツアーは、個人と団体のお客さまを同時にご案内していたんですね。30人の団体のお客さまの中に一組のご夫婦、ということがあって。団体の方がにぎやかで、ご夫婦が雰囲気に押されがちだったのですが、他の方の対応に精一杯で声をかけられずにいました。そうして、最後の試飲会場でやっと一言声を掛けることができました。「賑やかなツアーだったかと思いますが、ご質問ありませんか」と。

そうしたら次の休日に、上司から電話があったんです。お休みの日に連絡があるくらいだから何かあったんだと電話に出ると「お客様相談室から電話があったよ」と。あのご夫婦からかもとピンときました。やはりご不満だったのかな…と恐る恐る内容を伺ったら、「うれしいお声があったからすぐに教えたいと思って!」と意外にも上司の明るい返事が返ってきました。

お電話はやはり、そのご夫婦からでした。「途中までは少し戸惑っていたけど、声を掛けてくれたから来てよかった。上野さん頑張ってください」というものでした。もううれしくて、うれしくて。今でもよく覚えています。できる限りのことをして差し上げたいという気持ちは伝わるのだなと。伝わるからこそ、お客さまの立場に立って考えたり、1回1回を大切にすることが大事なんだと思いました。表舞台に立って、初めて学んだことですね。

※キリンの工場見学は、工場所在地域周辺の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、現在、休館している工場がございます。
最新の情報は、工場見学トップページをご覧ください。 

グループ報編集部のあとがき

コロナ禍で、工場見学を長らく休止していましたが、その間もツアーガイドの皆さんは商品の勉強をしたり、自主的に研修を実施して、いつでもお客さまをお迎えできる準備をし続けていたそうです。

「お客さまによろこびと感動をお届けしたい」「お客さまに『一番搾り』の魅力をお伝えしたい」と、常にお客さまを一番に考える上野さんたちの明るい笑顔がとても心に残る取材となりました。

きっと今も、そしてこれからも、ツアーガイドの皆さんの熱い“思い”はたくさんの方々に伝わっていくのだろうと、あらためて感じています。

noteでお届けするグループ報「きりん」次回もお楽しみに!

グループ報「きりん」では着飾っていない話を、できるだけストレートに聞くことを心掛けています。キリンのグループ報のコンテンツをnoteで掲載するこちらのコーナーでも、一般的に社外に向けた会社のメッセージとは少し違った一面をお届けします。次回もお楽しみに!