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ボージョレ・ヌーヴォー解禁。製造から出荷まで関わるメルシャンのこだわり【フランスは今日もワイン日和】

メルシャン欧州事務所に赴任中の弊社社員、春日井 琢記より、パリでの生活や仕事を通じて感じた「ワインの楽しみ方」についてお伝えしていく連載企画。
第4回は11月19日に解禁となる「ボージョレ・ヌーヴォー」についてお届けします。

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フランスは10月30日より再びロックダウンとなりました。
外出する場合は、住所・外出理由や時間などを報告する必要があり、生活必需品を買いに行くことや、テレワークができない場合の出社など、必要最小限に制限されています。そのため、この原稿も自宅にて執筆をしております。

ロックダウンは最短で12月1日まで続く予定で、状況を見ながら規制は変更していくそうです。クリスマスや年末年始を家族と過ごすことができるように、各自でできることをしながら、外出規制のルールを守っています。

フランスの街並み

そんなニュースが続く日々ですが、いよいよ11月19日にはお祝いのワイン「ボージョレ・ヌーヴォー」が解禁します!ボージョレ・ヌーヴォーとは、フランス・ブルゴーニュ地方のボージョレ地区の新酒のことを指し、毎年11月の第3木曜日に解禁します。

日本は日付変更線の関係で、生産国のフランスよりも早く、また世界の中でも早いタイミングでボージョレ・ヌーヴォーが飲める国でもあることから大きなブームが起き、現在でも輸出数量の半数を占める世界最大の市場となっています。

今回はボージョレ・ヌーヴォーに関連して、ボージョレ地区でも特に品質面で注目を浴びている「クリュ・ボージョレ」という産地をご紹介。また、ボージョレ・ヌーヴォーの品質向上に向けたメルシャンのこだわりについてお届けします。

優れた10の産地「クリュ・ボージョレ」

ムーラン・ア・ヴァン村
クリュ・ボージョレの中で特に力強いワインを生み出すと言われている“ムーラン・ア・ヴァン”村

ボージョレ地区は、マコンの南からリヨンの北まで、約55kmにわたり続くブルゴーニュ最南端の産地です。

「クリュ・ボージョレ」は、そのなかでも優れた10の産地として知られています。ボージョレ地区のワインと聞くと、「ボージョレ・ヌーヴォー」のイメージが強く、早飲み&フルーティーなワインという印象を持たれる方も多いと思います。

ですが、「クリュ・ボージョレ」のワインは、複雑で深い味わいを楽しめ、長期熟成も可能で高品質なワインができるとして、業界で非常に注目されているのです。

この地域では、主に「ガメイ」というブドウ品種を使用してワインを造ります。ガメイは、ブルゴーニュ地方を代表する品種である「ピノ・ノワール」に近い味わいをリーズナブルな価格で楽しむことができます。
さらに上級ワインになると、ピノ・ノワールにも劣らない複雑性や熟成感のある素晴らしいワインも数多く、いま大変注目されている品種です。

今、ボージョレ地区の生産者たちはヌーヴォーだけではなく、このような幅広いワインの魅力を伝えていくという取り組みをしています。

メルシャン欧州事務所は7月にボージョレへ足を運び、ボージョレワイン委員会の会長を務めるドミニク・ピロン氏を訪ねました。ドメーヌ ドミニク・ピロンは、クリュ・ボージョレの一つである“モルゴン”のスペシャリストと言われています。

「モルゴンワイン」は、タンニンが強く厚みのあるのが特徴。5年程度の熟成させることで、特徴であるシルキーでなめらかな舌触りを強調しています。

この日は、モルゴンの古いヴィンテージ(2000年)をテイスティングさせてもらいましたが、複雑感と凝縮感を感じられ、クリュ・ボージョレのポテンシャルの高さを再認識しました。

ボージョレ訪問の様子
醸造タンクの前で、今年の「ボージョレ・ヌーヴォー」の状況や、ブドウの生育状況について談笑している様子

メルシャンの品質へのこだわり

メルシャンのボージョレ・ヌーヴォー

メルシャンでは、180年以上もの歴史を持つブルゴーニュの名門「アルベール・ビショー社」の「ボージョレ・ヌーヴォー」を販売しております。

私が所属する欧州事務所の任務の一つに、「ボージョレ・ヌーヴォー」製造期間中の製造の立ち合いがあります。メルシャン社員も製造現場に立ち会うことで、より一層品質の向上に努めることを目的としています。

春先より部署横断で「ボージョレ・ヌーヴォー」プロジェクトチームが結成され、本格的に準備を開始しました。
特に今年は新型コロナの影響があり、製造面・物流面でさまざまな状況をシュミレーションする必要がありました。

メルシャンとアルベール・ビショー社の会議中の様子
半年間もの間、メルシャンとアルベール・ビショー社で入念な準備を重ね、製造を迎えます。

製造期間中は、早朝から夜遅くまでワイナリーが稼働しており、かなり細かいところまで品質を確認していきます。例えば、正しい入り味量の調査や、数mm単位でのラベルの調整、スクリューキャップの締め付け度合いなどをカメラと目視の二つの観点で見ていきます。
厳しい品質チェックを経て、倉庫からシャルル・ド・ゴール空港へ運ばれ、日本へと旅立ちます。

シャルル・ド・ゴール空港のワイン搬入の様子

私にとって営業時代には知ることができなかった、味わいだけでない “品質へのこだわり”を肌で感じることができた貴重な時間でした。

もちろん、「ボージョレ・ヌーヴォー」だけでなく、その他のメルシャン扱いの輸入ワインも、パートナーワイナリーと密にコミュニケーションを取り、安心安全なワインをお客さまのもとへお届けすべく日々努めています。

ボージョレ・ヌーヴォーの発表会

今年は新たな試みとして、メディア向けに現地と日本をオンラインでつないで、「ボージョレ・ヌーヴォー」の発表会を開催。アルベール・ビショー社より、コロナ渦での苦労した点や、今年の出来映えなどを伝えてもらいました。

コロナの影響で、生産者が来日してプロモーションができなくなっているためヨーロッパのワイナリーでもこのようにオンラインを活用して、現地より情報を発信しています。

ワイン造りを統括するチーフ・ワインメーカーのアラン・セルヴォーさんによると、今年は雨が少なく、また気温も高かったため凝縮感がありながらも重く感じない仕上がり、まるで“太陽のワイン”とのことでした。

Instagramキャンペーン実施中!

最後に皆さんにお知らせです!
もっと日本でボージョレの魅力を盛り上げたいということで、メルシャンではインスタグラムキャンペーンを開催します!

▼詳細は下記リンクをご参照ください。

当選者には、クリュ・ボージョレの一つ“ムーラン・ア・ヴァン”から誕生した「ドメーヌ・ド・ロシュグレ ムーラン・ア・ヴァン」とアルベール・ビショー社の造り手によるサイン入りのパンフレットをプレゼントします。
ご参加お待ちしています。

アルベール・ビショー社の造り手によるサイン入りのパンフレット

今回ご紹介した「ボージョレ・ヌーヴォー」は、下記サイトから購入できます!

今年は集まって楽しむことは難しいかもしれませんが、ぜひお家で「ボージョレ・ヌーヴォー」を楽しんでみてください。