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今日もまた、本搾り™をあけよう【#また乾杯しよう スタッフリレー企画 #01】

8月5日から始まった「#また乾杯しよう」投稿コンテスト。
弊社チームスタッフからも「また乾杯しよう」と声をかけさせていただきたく、「スタッフリレー企画」も展開することにしました。
これから不定期で10名程度の「 #また乾杯しよう 」のnoteを公開します。

初回の今回は齋木万起子さん。メルシャン在籍時に手がけた「本搾り™」にまつわるエピソードです。

みなさんは、「本搾り™」という商品をご存知でしょうか。

私がワインメーカーのメルシャンに入社して数年経ち、最初の異動先で担当させてもらったのが、この「本搾り™」を含む、いわゆるRTD(※)と呼ばれる商品開発のお仕事でした。

(※)RTD:缶チューハイや缶カクテルなどそのまますぐ飲めるアルコール飲料のことで「Ready to drink」の略語。

異動を告げられた時は正直、
「なんでRTD?なんでワインじゃないの?」
「だってワインの会社なのに。せっかく面白い仕事もできるようになって、思い入れがあるのに!」

そう思っていました。
今なら、なんて思いあがった若造だ…と大いに突っ込んでいるところです。

私はいまキリン社員ですが、もともとはメルシャンに入社した人間。
入社してワインに関わるうちに、単純にも、ワインこそ私の仕事!ワインこそ天職!と思いこんでいたのでした。

しかし、異動を告げられたあと、ふといつかの父の言葉を思い出しました。

「お前のところの『本搾り™』って商品、すごくおいしいな!」

うちの父はとてもお酒の好きな人。

もともと年代的に、ウイスキーなどのハードリカーが全盛の若い頃を過ごし、好みもそういうお酒だった父。
家で母の料理とお酒を楽しむのが大好きだった父は、私がメルシャンに入社してからはワインも嗜むようになりました。

時には会社の部下や友人を呼び、母の料理をベタ褒めしながらみんなにふるまい、私のことを「うちのソムリエ」と呼んでは、
「この料理に合うワインを出してくれ」
「次はあのワインをみんなに飲んでもらおう」
と、家じゅうのとっておきのワインを私に持ってこさせるような人でした。

とてもチューハイなどを手に取るようなイメージはなかった父が「本搾り™」を飲んでいる、というのが、とても意外で印象的だったことから、覚えていたのだと思います。

「本搾り™」をはじめとするRTD開発のお仕事は、
全く新しい商品のコンセプトを一からつくったり、
既存のブランドの新しいフレーバーを考えたり、
より魅力を高めるパッケージにリニューアルしたり。

まったく未知の世界のお仕事で、いつの間にかそのおもしろさに引き込まれていきました。
私が携わった「本搾り™」を父にも飲んでもらいたい。いつかの父の言葉を思い出しては、日々仕事に打ち込んでいました。

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今では「本搾り™」の担当を離れて久しいですが、今でも熱狂的なファンのひとりとして愛飲しています。飲むたびに携わっていた頃を想い出しては、少し幸せな気持ちになります。

それでも。
その中に毎回、ほんの少しだけ、混じる想いがあります。

「父に飲ませたかった」

言葉にしたら、それだけですが、飲むたびに、苦いような、苦しいような、本当に小さいかけらなのですが、そんな想いが湧き上がってくるのです。

北海道のとあるエリア、海も雪も身近な場所で育ち、学生時代に競技スキーの国体選手になったこともある父は、幼いころ両親が離婚し、母方に引き取られたものの、その母が東京に働きに出たために、北海道の祖母と祖父に育てられた一人っ子。

そんな事情があったからか、何よりも家族を大事にする人でした。

娘や息子をかわいがることはもちろん、自分の妻である私の母とは、結婚何十年たっても恋人同士のように仲が良く、いつも一緒。
そしてその笑顔は、どんな人もついつられて笑顔になってしまうような、ありきたりですが、太陽のような人でした。
アクティブで、私が幼いころから、海やスキーなど、あちこちに家族で出かけました。
まさに父が、家族の中心でした。

あれほど嬉しそうに、楽しそうに生きていた父は、40代後半以降、大きな病気を何度も患い、そして、私が会社で最初の異動をした年、つまり私が「本搾り™」を担当した年の10月28日、この世を去りました。

その翌年の、11月1日。
父の一周忌とほぼ同じくして、私が手掛けた“初めての本搾り™”が世の中にデビューしました。

コンセプトもネーミングも味も、私がゼロからつくったよ、と胸を張って言える、初めての商品。
それが、『本搾り™ 冬柑』でした。

今思えば、これを生み出したときにようやく、「本搾り™」担当者としての本当のスタートが切れたのだと思います。

父が生きていたら。
きっと周りの人に、もしかしたら売り場で出会う人みんなにその笑顔で、
「これ、うちの娘がつくったんだよ!」と自慢してくれたと思うのです。

父が生きていたら。
「お前はまだまだだな」
私にたくさんのダメ出しをしながら、ことあるごとに一緒に「本搾り™」を楽しんでいたと思うのです。

だから私はいまだに、「本搾り™」を飲むたびに、心のすみで、父を想ってしまいます。
亡くなってもう、17年も経つのに。

「また乾杯しよう」

私がまた乾杯したい人は、誰よりも父。
だからいまは、自分にできることを日々精一杯、積み重ねて。

いつか、私があの世にいく時が来たら、絶対に本搾りを持っていきます。
そして絶対に、父に自慢してやるのです。

きっと父は、いつものように私にダメ出しをするに違いありません。
でも最後にはきっと、あの太陽のような笑顔で、褒めてくれるだろうと思うのです。

今日もお仕事が終わったら。
今日もまた、本搾りを開けよう。
父の好きだった、母仕込みのお料理をお供に。

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