定番の味の魅力とは。わたしにとってのキリンラガービール〜「cocorone」編集長・とみこさん編〜
10年ぶりのリニューアルにあたって始まった特集企画、『改めて、キリンラガービールとは』。長い歴史と伝統を受け継ぐキリンラガービールを改めて見つめます。
キリンラガービールを愛してやまない方々に、それぞれの思う魅力をたっぷりと語っていただく本企画。第1回は料理家・高谷亜由さんにキリンラガービールと楽しむおつまみを紹介いただきました。
続く今回、お話くださるのはライフスタイルメディア「cocorone」編集長のとみこさん。「うつわで暮らしに彩りを」をコンセプトに、日々の暮らしに彩りを添えるうつわや料理の提案をしています。
暮らしのメディアに関わり、新しいものに触れることの多いとみこさん。彼女にとって、132年の歴史を持つキリンラガービールとはどんな存在なのか、お話いただきました。
いつもテーブルにある、毎日をちょっと楽しくしてくれる存在
「プシュッ」と、開栓する音を聞くだけで、どうしてこんなに心がととのうんだろう。
子どもの頃、父と母のささやかな晩酌タイムを眺めながら、一瞬にして気持ちを「オフ」に切り替えてくれる不思議な音に魅力を感じていた。
プルタブを開けるときの軽やかな音、「乾杯!」と杯を交わす楽しそうな雰囲気、決して彩り豊かとはいえないけれど、ビールとのハーモニーが約束されたおつまみたち。
食事と合わせてハイボールを飲んだり、珍しいものが手に入ったからと日本酒を飲むこともあるけれど、父と母のささやかな晩酌はいつもビールからはじまった。
テーブルには、キリンラガービール。麒麟のロゴの中に「キリン」の文字が隠れているんだよ、と小さい頃に教えてもらった。
そんな姿を見て育ったので、私にとってキリンラガービールは、何気ない1日をちょっぴり楽しい気持ちにしてくれる存在だった。
お酒、うつわ、調理道具…自分で選ぶ楽しさを知った
いつの日からか、「暮らし」に興味をもつにつれて、うつわを選ぶ楽しみも知り、自分のために料理をするようになる。自分の意志でものを選ぶようになって、少しの工夫で毎日が楽しくなることを知ったのだ。
ハレだけじゃなく、ケの日も愛せるようになったからか、家での晩酌がいつしか癒しのひとときに変わっていった。
ビール選びも日々の小さな楽しみのひとつ。料理を楽しみたい時は、その味わいを引き立てるものを。非日常を楽しみたい時は、心がときめくパッケージを。見たい景色を思い浮かべながら、異国のビールを楽しむのもいい。
いつもと違うビールを見つけると、うつわ選びも気合いが入る。手づくりならではの温かみがあるガラスのうつわ、陶器市で見つけたうつわ、世界で長年愛され続ける洋食器…どんな食卓にしようかな、と考える時間もワクワクする。
気軽に晩酌を楽しみたい時の定番のビール
気取らず、背伸びしすぎず、なにげない日常を楽しみたい気分の時もある。そんな日の1杯に、ついつい選んでしまうのは「キリンラガービール」。気軽に晩酌を楽しみたい時の私の定番だ。
白地に赤のラベルに、存在感あるロゴ、凛とした麒麟の姿。唯一無二のパッケージは、新鮮に目に映る。昔懐かしいデザインに、ビールに憧れを抱いていた子どもの頃を思い出す。
「プシュッ」と軽快に響くプルタブの音、冷えたビールの爽快なのどごし。おつまみを引き立てるコクや香り、テーブルを囲むみんなの幸せそうな笑顔、「いつも」の味の安心感…キリンラガービールは、私にビールの普遍的な楽しみ方を教えてくれたお酒だ。
おしゃれなパッケージで、誰かに思わず語りたくなるようなクラフトビールも大好きだ。グラスに注ぐ瞬間、ふわりと感じるはじめての香りに、思わずワクワクしてしまう。
でも、新進気鋭なビールのおもしろさや、新しさはキリンラガービールが教えてくれたビールの魅力があるからこそだと私は思う。定番がわかるからこそ、よしあしをはかるものさしになる。私にとってキリンラガービールはビールの「きほん」を教えてくれた存在なのだ。
何気ないひとときの一杯に。今日もキリンラガービール
130年以上も飲み継がれている「キリンラガービール」は、今年10年ぶりにリニューアルしたそうだ。
新しくなったキリンラガービールは、より質の良さを感じさせるデザインにリニューアル。グラスに注ぐとしゅわっと透き通った琥珀色。飲みごたえやコクはそのままに、より飲みやすいのどごしに。後味もすっきりと締まって、飲み飽きない味わいだ。
日々新しい商品が生まれている中で、ここまで長く愛され続けているのは、私のように何気ない日の1杯に選びたくなる人が多いからかもしれない。
「新しい」を誰かと初めて体験するのもいいけれど、「気取らない、いつもの味」で乾杯するのも私は好きだ。キリンラガービールは、そんなふうに私たちの何気ないワンシーンに寄り添い、その場にいるみんなを主役にしてくれる名脇役でもあると思う。
いままでも、これからも。
変わらないおいしさで、飾らない乾杯を。
私たちの暮らしに寄り添い、乾杯のひとときを見守っていてほしいなと思う。
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変化する日々の暮らしの中で、そっと日常に寄り添う「キリンラガービール」。子どもの頃から何気なく食卓で目にしてきた存在は、今もとみこさんの生活を彩り、ちょっと豊かにしてくれていたようです。これからも、変わらないおいしさと共にささやかな毎日の楽しみをお届けしていきたいと思っています。
キリンラガービールの歴史を振り返り、改めて考えるきっかけとして始まったこの特集企画も、次回でいよいよ最終回。最後を締めていただくのは、編集者・エッセイストの澤田康彦さんです。どうぞお楽しみに。
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