おいしく手軽に「腸活」を。キリンとファンケルのシナジーで生まれた『午後の紅茶 アップルティープラス』
2019年に資本業務提携を結んだ“食と医のキリン”と、“美と健康のファンケル”。
そのコラボレーション商品『午後の紅茶 アップルティープラス』を5月10日(火)に新発売します。商品のコンセプトは“腸活”。日本初(※1)となる「ビフィズス菌を増やして腸内環境を改善(※2)」する機能性表示食品のペットボトル入り紅茶飲料です。
両社の共通項や企業文化を紐解き、互いに補完しあうこれからの可能性を探る連載「 #ファンケルとキリン」の第4回となる今回は、『午後の紅茶 アップルティープラス』にフォーカス。
キリングループCSV(※3)フラッグシップブランドである「午後の紅茶」が、健康をテーマに掲げる意義とは?そして世の中の「不」を解消したいというファンケルの想いとどのように結びついたのでしょうか。
キリンビバレッジマーケティング部池田翔悟が、ファンケル総合研究所竹下侑里さんと共に商品誕生のきっかけや商品に込められた想いを語ります。
日常生活に取り入れづらい腸活を、飲み物で変える
─『午後の紅茶 アップルティープラス』は、世の中のどのような課題に着目し開発に取り掛かったのでしょうか。
池田:お客さまが抱えている健康課題を知ろうと調査(2018年キリンビバレッジ調べ)したところ、「免疫」「体重減少」に続いて3番目に関心を持っているのが「腸内環境の改善」でした。男女問わず、全体の9割が「腸内環境の改善」に興味を持っていることがわかったのですが、そのうち腸活を実践・継続できている方は3割しかいないこともわかり、「腸内環境の改善のために腸活を始めたいと思っているけど、できていない。または実践したことはあるけど継続できていない」。これが非常に大きな課題になっていることに気がついたのです。
─ここ数年で「腸活」という言葉を耳にするようになりましたよね。なぜ腸活に関心が高まっているのでしょうか。
竹下:世界的に腸に関する研究が進んだことで、腸の大切さが広まったからだと思います。近年、腸内細菌叢の解析方法が進歩し、腸の中にいる細菌の実態が分かるようになってきたんです。それをきっかけに腸内環境に関する研究が一気に進み、腸の重要性が明るみになったことで、さまざまなメディアでも取り上げられるようになりました。
みなさん普段意識していないかもしれませんが、腸活をすると便通が改善されたりすることも、関心の一つなんだと思います。
池田:実際に、腸活を実践・継続できている方々にどんなことをやっているかを聞いてみると、食事での実践が多く、特にヨーグルト、納豆、キムチ、味噌などを摂取している方が多いようです。腸内環境を整えるとされている食事には嗜好性の高いものが少ないと感じていて、仕事中や外出先だと取りづらいものが多いのです。これが手軽に実践したり継続できない要因になっていると仮説を立て、飲料で解決できないかと開発に着手しました。
池田:仮説をもとにコンセプトを企画・調査をしたところ、「ビフィズス菌を増やす」「腸内環境を改善する」という訴求への受容性が高いことがわかり、それを謳うのには機能性表示食品であることが必要になると分かりました。ただ、キリンビバレッジではこれまで腸内環境に関する機能性表示商品を開発した実績がなく、コンセプト実現の為に「どんな機能性関与成分を選んだらいいんだろう?」という部分でつまずき、長年腸内環境の研究実績を持つファンケルさんに相談させていただきました。
─相談を受け、竹下さんからはどのような提案をしたのでしょうか?
竹下:ファンケルにとって機能性表示食品の開発は、得意分野です。キリンさんからご相談を受け、まずはコンセプトを見ながら、腸内環境の改善に適した成分をピックアップしました。紅茶に配合するということで、生菌ではなく、食物繊維や砂糖と味が近い「オリゴ糖」をご提案しました。
池田:それを受け、まずは飲料としての製造適性があるかを関係部署を交えて確認していきました。さらに紅茶にしたときに、味を邪魔しないか、味覚への影響など、さまざまなポイントで選定し、最終的に選んだのが「ガラクトオリゴ糖」です。
といってもここから順調に進んでいくわけでもなく、初めて使う素材でもあったので悩んだ部分も多かったです。おいしさはもちろんのこと、機能性関与成分がしっかり担保できなければ、機能性表示食品として発売できないので、中味開発は時間をかけて慎重に進めた部分です。素材の評価から、商品化した後の評価など、通常の商品に比べても工程が多いので、プロジェクトがスタートしてから発売まで約2年という月日がかかりました。
なぜ『午後の紅茶』が健康を掲げるのか
─そもそも長い歴史をもつ『午後の紅茶』が、なぜ「健康」をテーマにした商品を作るのでしょうか。
池田:『午後の紅茶』は、キリングループ最大のお客さま接点を持つブランドだからこそ、キリンが掲げる「健康」「環境」「コミュニティ」の柱を担うCSVフラッグシップブランドです。また、『午後の紅茶』のブランド・パーパスでもある「いつでもお客さまに幸せなときめきを届ける」を体現してくために、2022年の『午後の紅茶』は「午後の紅茶だからできる幸せなこと、もっと、もっと。」をテーマに、ブランドを通してさまざまな角度からお客さまに新しい価値を提供したいと考えています。だからこそ、『午後の紅茶』がお客さまの「健康」に取り組むことには意義があるのです。
「健康」とひとことで言っても、『午後の紅茶』が定義する「健康」には、本来紅茶が持つホッとする時間や休息価値という心の安らぎから得られる「心の健康」と、無糖・微糖のような摂りすぎない商品や機能性表示のようなプラスの価値を持つ商品から得られる「体の健康」という二つの軸があります。ここに『午後の紅茶』のブランドが持つ、幸せやときめきのイメージをプラスすることで、『午後の紅茶』ならではの「健康紅茶市場」が創造できるのではないかと思ったんです。
竹下:ファンケルとしても、普段から愛飲しているお客さまが多い『午後の紅茶』というブランドで健康を推進してもらえることは、とても意義があることです。機能性の面ではファンケルがサポートしつつ、ファンケルにはない飲料開発技術とお客さま接点を持つキリンさんと一緒に開発できたことは、お互いの得意分野を最大限に生かした良いシナジーになったと感じています。
『午後の紅茶 アップルティープラス』を飲むことで、「あ、ガラクトオリゴ糖って腸にいいんだ」とか、「腸を健康にすることっていいんだ」という気づきや健康に興味をもつきっかけになってもらえたら嬉しいですね。
毎日継続して飲んでもらうために
─機能面やおいしさについて、継続して飲んでもらうために工夫したことを教えてください。
池田:健康へのアプローチも大事ですが、大前提として飲み物としておいしいことにこだわりました。現在、フルーツティーは市場としても伸びていることから、いろいろなフルーツを検討しましたが、「健康によさそうな果物として想起されるもの」「フルーツティーにしてもおいしい」という二つの観点からリンゴを採用することにしました。単純な理由ですが、みなさんの生活に毎日取り入れていただくことを考えると、お客さまにとってわかりやすく、味として馴染みがあることは大事なポイントです。
味覚設計に関しては、リンゴの爽やかな香りや甘さを感じながらも、その中にしっかりと紅茶感があることや、飲み飽きない味を目指すため、甘味と酸味、すっきりとした後味のバランスには非常にこだわって作りました。仕事や家事の合間、食事と一緒になど、シーンを問わずお飲みいただけると思います。
─パッケージデザインにも、継続して飲んでもらうための工夫があるんですよね。
池田:ボトルは、持ち運びやすいサイズを選びました。プラズマ乳酸菌を配合した『午後の紅茶 ミルクティープラス』でもこちらのボトルを採用していますが、スリムなので携帯もしやすいと好評をいただいております。
ラベルのデザインは機能感とアップルティーとしてのおいしさの両立にこだわりました。腸活という機能感が立ち過ぎたラベルだと、味の想像がつきづらかったり、腸活を意識していることを周囲に知られたくない人にとっては、会社などのデスクにはちょっと置きづらいですよね。とはいえ店舗で手に取っていただく際にはおいしそうなことに加えて、機能がわかりやすいことも非常に重要になるので、そこを両立させ日常的に傍に置きたくなるようなデザインを目指しました。
『午後の紅茶 アップルティープラス』のこれから
─『午後の紅茶 アップルティープラス』は、どんな方に飲んでほしいですか。
池田:紅茶を飲まれている方はもちろん、普段から腸内環境を課題に思われているみなさんに試していただきたいです。この商品で手軽においしく、そしてポジティブに腸内ケアする環境をつくっていきたいので、「腸活にハードルを感じている」という方に届いたらうれしいですね。そして、ぜひ日常生活のなかに取り入れてもらいたいです。
竹下:課題を感じているけど、粒や粉のサプリメントはハードルが高いなと感じている方におすすめしたいです。飲料なら日常の水分補給の一環として腸内ケアをサポートできるので、腸活を始めるきっかけになってもらえたらうれしいです。『午後の紅茶 アップルティープラス』を通じて、ファンケルを知っていただくきっかけになり、健康に対して少しだけでも意識が高くなっていただけたらいいなと思います。
─今回の商品をきっかけに、「キリンビバレッジ」と「ファンケル」で一緒に取り組んでいきたいことはありますか?
池田:まだ具体的に何かが決まっているわけではありませんが、もちろんこれからも、世の中の「不」の解消につながることを一緒にやっていければいいなと思っています。
今回あらためて両社は似ているなと思いました。ファンケルさんもキリンもお客さまのことを一番に考える。想いが一緒なので、いろいろなことができるんじゃないかなと思っています。
実は今回の『午後の紅茶 アップルティープラス』を発売するにあたり、キリンビバレッジの社内向けにもっとファンケルさんやコラボ商品のことを知ってもらいたいと思い、300人規模の勉強会をやっていただいたんですよ。そんな社内勉強会にも、竹下さんに登壇いただいたりと、非常にご協力いただいているので、これからそのような連携体制を取っていきながら、お客さまの課題を一緒に解決していきたいなと考えています。商品開発に関しては、特に美容の分野など、私たちキリンにはない強みをファンケルさんが持っているので、互いに補いつつシナジーが生まれたらと思います。
竹下:やはりおいしくて手軽に摂れるというのが飲料の一番いいところだと思うので、そこから健康意識を持っていただいて、そこを入り口にファンケルの健康食品も摂っていただけるようになると、うれしいですね。
今回の『午後の紅茶 アップルティープラス』は、キリンビバレッジとファンケルのコラボレ―ション商品第3弾ですが、コラボレーション初の機能性表示食品です。健康・美容のニーズは本当にたくさんあるので、これからもいろんなニーズに合わせた機能性飲料を一緒に開発していきたいなと思っています。
『午後の紅茶 アップルティープラス』は、5/10(火)より全国販売開始!
リンゴの爽やかな香りや甘さを感じながらも、しっかりと紅茶感を感じられる商品です。スリムなボトルで、バッグなどに入れて持ち運びやすいのも特長です。
【届出表示】
本品には、ガラクトオリゴ糖が含まれています。ガラクトオリゴ糖は、ビフィズス菌を増やして腸内の環境を改善し、便通を改善することが報告されています。
●食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
●本品は国の許可を受けたものではありません。
●本品は、疾病の診断、治療、予防を目的にしたものではありません。
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特集「 #ファンケルとキリン 」では、商品の背景にある両社の想いにフォーカスしながら、ファンケルとキリンが生み出す商品や活動を紹介しています。他の記事も、ぜひチェックしてみてください。
編集部のあとがき
ひととおり取材が落ち着いた後、取材陣で試飲しました。飲んだ人から「あ。おいしい」「これなら毎日飲みたい」といった好意的な声が上がると、それまで緊張の面持ちだった池田さんの表情がホッと緩みました。
新しい取り組みを始める時はいつも緊張と不安でいっぱいになります。でもそれはきっと、それだけその商品に思い入れがあるからこそ。池田さんの表情からこの商品にかける想いを感じ取れました。
文:山城さくら
写真:上野裕二、yoshimi
編集:RIDE inc.