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ごろっと野菜とさっぱりポン酢。季節を味わう「夏野菜の揚げびたし」【今夜のラガーのおとも。#4】

発売から130年、多くの人に愛されてきた 「キリンラガービール」。このビールをよりおいしく愉しむために、料理研究家の瀬尾 幸子さんと“最良のおとも”を考えていく連載企画。

思わずのどが鳴り今夜にでもつくりたくなる、それでいてシンプルで家庭的な“普段着のおつまみ”を、瀬尾さんならではの視点からご紹介します。

第4弾は、旬の野菜をめいっぱい味わう「夏野菜の揚げびたし」。

料理研究家の瀬尾幸子

【プロフィール】瀬尾 幸子
料理研究家。「どこででも手に入る食材でつくる、食べてくたびれない簡単でおいしい家庭料理」を提案している。得意なメニューは「ちゃっちゃとつくってホッとできる家ごはん」や、「なんだか飲みたくなる、おつまみにもおかずにもなる一品」。『ラクうまごはんのコツ』(新星出版社)『かけごはん100』『のっけごはん100』(主婦と生活社)など著書多数。


旬の素材を使ったおつまみで季節を愉しむ

料理研究家の瀬尾幸子

おつまみを考える上で、いかに季節感を取り入れていくかはとても重要なこと。都市部で暮らしていると、季節の移ろいに敏感でいることはなかなかに難しいものですが、素材や料理を通してならば肌で感じることができます。

近所のスーパーで旬の味覚を買って、台所や食卓で四季を愉しむ。季節のものって、その時もっとも体が必要としているもの。だから尚更おいしく感じるんです。

さて、今回ご紹介する料理は、まさに旬を迎えたばかりの夏野菜をたっぷり使った揚げびたし。温めてよし、冷めてよしのビールのおともです。

夏野菜が活きる、“素揚げ”という調理法

夏野菜

かぼちゃ、ズッキーニ、ナス、ししとう、おくら、ゴーヤ。夏場に旬を迎える、色とりどりの野菜たち。どれを組み合わせてもOK。どうしたっておいしい揚げびたしになります。
衣をつけず軽く仕上げるおつまみなので、食べ応えのあるかぼちゃを入れるのが私のオススメです。

カットしたナス

ナスの旬というと秋のイメージもありますが、一年で一番おいしくなるのは今の時期。三等分にごろっと大きくカットしましょう。揚げるとトロトロになりとってもやわらかいナスは、小さく切ってしまうと物足りなく感じるもの。この大胆なサイズが断然おいしい!

他の野菜もいつもより大きめに切り分けて、旬を思いっきり味わいましょう。油で揚げるので、大きくてもまんべんなく火が通り、仕上がりも早いのでご安心を。ただし、硬いかぼちゃだけは2センチくらいの幅にカットしましょう。

カットした夏野菜

かぼちゃを湯がいたり、ゴーヤに塩をしたり、ナスのアクを抜いたりなどの下ごしらえはしません。油で揚げちゃえば、なんでもおいしく食べられるから。例えばアク抜きしなくちゃいけないような山菜でも、天ぷらにすれば食べられますよね?それも揚げることでアクが消し去られるためなんです。

カボチャを煮ている画像
ナスを揚げている画像

素揚げに使う油は未使用のきれいなものを用いる。これが鉄則。コロッケやから揚げを揚げた油では、油の味が野菜に付着してしまいます。

ちなみに油を上手に使い回すコツは、野菜の素揚げからはじめること。2回目は天ぷら、3回目はコロッケなどのパン粉揚げ、そして最後にから揚げに使って捨てる。油が汚れる料理は後ろに持っていくのがポイントです。

まずは時間のかかるかぼちゃから油に入れ、続いてパプリカ、ししとうと入れていきます。野菜が油の表面に浮いてきたら火が通った合図。かぼちゃは箸が刺さるまで。ナスは箸で挟んだときにやわらかくなっていて、切り口に少しシワが寄ったら。取り出した順に浸し液の中に入れていきます。

さっぱりポン酢に揚げたて野菜がしみる、しみる

夏野菜を浸している画像

浸し液はポン酢を同量の水で薄めてつくります。ポン酢のままだと揚げびたしには少ししょっぱい。お鍋を食べるときのことを思い出してみてください。お出汁をちょっと足すでしょう?それと同じ要領です。

5分もあればしっかり中心まで味がしみてきます。味のしみやすさは、よく揚げたかではなく、野菜が十分に温まっているかどうかが決め手。煮物でもそうですが、味がしみ込むのは冷めるとき。一回火を止めて落ち着かせてから、再度煮物に火をいれるのはそのためです。

粗熱が取れたら、お好みで冷蔵庫で冷やしてもOK。暑い日にはビールと冷たい揚げびたしがよく合いますよ。

旬の恵みをおいしく味わえる、野菜のおつまみ

夏野菜の揚げ浸し

こうして野菜を揚げて浸すだけ。揚げものと聞くと、ハードルが高いと感じる人もいるかと思いますが、油で火を通し油で煮ているだけのこと。素揚げという調理法さえ知っていれば、技術としては何てことないのです。

手をかければおいしくなるわけではありません。簡単なものだって、季節を感じながらこんなにもおいしくいただける。料理って楽しいでしょう?

秋になれば芋やきのこ類がおいしくなってきますし、冬になればレンコンやごぼうなどの根菜もいい。調味料も調理法もそのままに、その季節の野菜でつくる揚げびたしは、一年を通してラガーのおともをつとめてくれます。

夏野菜の揚げびたし

夏野菜の揚げ浸しとキリンラガー

<材料>(分量はすべてお好みで)
ナス
ゴーヤ
かぼちゃ
パプリカ
ズッキーニ
ししとう
おくら
サラダ油
ポン酢


<作り方>
①ボウルにポン酢と同量の水を加え、浸し液をつくる。
②野菜をそれぞれ好みの大きさにカットする。
※ ししとうは包丁の先で切り込みを入れておくと油の中で破裂しません。
③鍋に油を入れ温まってきたら野菜を投入する。ふつふつと野菜の周りから泡が立てば適温の合図。
※ 高温ではなく、170℃くらいの中温で揚げましょう。
※ かぼちゃは他の野菜よりも火が通りにくいので揚げ時間を長めにしましょう。
※ 野菜が油の表面に浮いてきたら火が通った合図。箸がすっと入ればOKです。
④揚がった野菜から①の浸し液に投入する。野菜全体が浸かるようふんわりかき混ぜる。
※ 揚げてやわらかくなった野菜が崩れないよう、かき混ぜるときはやさしく。
⑤5分ほど浸したら器に盛り付ける。
※ 冷蔵庫で冷やして食べてもおいしくいただけます。

※こちらの記事はキリンのオンラインショップ「DRINX」からの転載記事です。

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