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「睡眠」と「免疫」は健康の土台。現代人の健康課題に、キリンができること

ライフスタイルの変化により、関心が高まる「睡眠」。多忙な現代社会において、睡眠のトラブル、悩みを抱えている人は増えています。

そして、同様に関心の高まった「免疫」を支える生活習慣の一つも「睡眠」。「睡眠」と「免疫」の関係も注目されています。ビール造りで磨いてきた発酵やバイオテクノロジー技術を活かし、35年以上にわたって免疫研究に力を注いできたキリンもまた、睡眠と免疫の関係に着目。

健康な毎日のために欠かせない要素であり、また深い関わりをもつ免疫と睡眠について、医師で睡眠に詳しい森田祐二先生と、キリンヘルスサイエンス事業部の塚田彩子が語り合いました。

森田祐二

【プロフィール】森田 祐二
東京医科大学卒業後、国立がんセンター、札幌医大等で内科臨床、予防医療に従事。現在、同志社大学アンチエイジングリサーチセンタ―research fellow、ナチュラルハーモニークリニック表参道医療顧問として、抗加齢医学・医療の研究やその啓発・普及活動に加え、再生医療や最先端がん治療にも取り組んでいる。著書『自分の年齢は自分で決める』(現代書林)など。

キリンホールディングスの塚田彩子

【プロフィール】塚田 彩子
キリンホールディングス株式会社 ヘルスサイエンス事業部
サプリメント商品開発・ブランドPR担当。キリンビール飲食店営業を経て、2019年4月に発足した同事業部の前身、事業創造部に、社内公募制度を利用し、初期メンバーとして2018年10月にジョイン。同時期に発売されたプラズマ乳酸菌シリーズ「iMUSE(イミューズ)」のブランド担当として奮闘。


現代社会で高まる睡眠への関心と課題

森田祐二

塚田:ここ最近、睡眠への関心が高まっていますね。キリンでも注目していますが、森田先生は、なぜ今、世の中で睡眠への関心が高まっているとお考えでしょうか? 

森田:睡眠が不足すると心身のパフォーマンスが低下し、日常生活はもちろん、家庭や職場といった自身を取り巻く環境へも悪影響が出るようになります。

生きるために欠かせない要素であるにも関わらず、現代のライフスタイルは複雑多様化し、24時間臨戦態勢で活動と休息のメリハリがつけにくい世の中になっていますよね。つまり、必要な時に必要なだけの睡眠が確保しにくい。 

一方で、情報社会により睡眠の大切さは多くの人が理解し始めている。だからできるだけ効率的に、満足のいく睡眠を取れるよう積極的に行動し、関心を持つ人が増えているのではないでしょうか。

塚田:現代人は睡眠時間が短くなりがちな一方で、睡眠の大切さへの理解も進んでいるから注目が高まっていると。とても納得できます。現代の睡眠の課題は、どんなところにあると考えてらっしゃいますか?
 
森田:現代の生活環境や、精神的・肉体的ストレスが大きな課題だと思います。人間は本来、夜明けとともに起きて日が沈むと寝るという体のリズムを持っていますが、今はそうもいきません。

夜遅くまで仕事をしたり、24時間営業のコンビニにいつでも行けたりと、本来の睡眠リズムと現実にズレが生じやすい環境の中で生きています。

また、自然光を浴びず、身体活動が乏しい閉鎖空間でのブルーライト(TV、パソコン、スマホなどのIT機器)が溢れる環境も、睡眠を妨げる要因です。必然的に昔と比べて心身へのストレスは大きくなり、睡眠にも悪影響を与えます。 

睡眠と免疫の関係性について

森田祐二

塚田:睡眠が大事だとは分かっているけれど、免疫と関係していることをご存知ない方も多いと思います。具体的に睡眠が日常生活や心身へどんな好影響を与え、免疫、そして私たちの健康をどのように支えているのか、しっかり理解しているという人は少ないようにも感じます。
 
森田:睡眠には脳と身体の疲労回復、傷ついた組織や免疫の修復、記憶の整理、翌日のエネルギー蓄積など、多くの大切な役割があります。したがって、睡眠を取ることにより頭がすっきりしてよく考えられるようになり、筋肉疲労がとれて身体が動きやすくなり、ストレスが低減して気分が上向きになる。さらに、免疫が維持されて外敵に負けにくくもなります。
 
心身の調子が上向きだと学業や仕事、スポーツの成績が上がり、活動的になって社会性が広がっていく。 はつらつとした健やかな心と身体で、さまざまな人と縁ができ、チャンスに遭遇する機会が増えて未来が開ける。

塚田:睡眠は人を動かす源、健康の根源ですよね。森田先生の専門はアンチエイジングですが、その観点からのメリットがあれば教えていただきたいです。 

森田:アンチエイジングの観点からお伝えすると、睡眠を取ることは若々しさや体力向上、免疫の維持につながると言えます。この鍵となるのが成長ホルモンと呼ばれる通称「若返りホルモン」です。成長ホルモンは食事や運動時にも分泌されますが、日中は量が少なく、夜間、特に睡眠時に1日の大半が分泌されるという特徴があります。
 
ただし、ただ長時間眠れば良いわけではなく、睡眠の“質”も重要です。特に成長ホルモンは入眠から3〜4時間の間に最も分泌されるため、ここで深い眠りについておくことがとても大事になります。

塚田:睡眠の “質”というのは、我々も注目している点です。一方で、長さに比べて評価しづらいという声も耳にします。

森田:わかりやすく言うと、朝目覚めた時に「すっきり感」や「よく眠れた感覚」があれば、良い睡眠を取れていると言えると思います。
 
もう少し詳しくお伝えすると、ノンレム睡眠とレム睡眠のバランスが取れていることが良い睡眠の条件です。睡眠というのは、脳も身体も寝ているノンレム睡眠と、身体は寝ているが脳は起きているレム睡眠の2つのパターンをおよそ90分サイクルで一晩の間に数回繰り返しています。

ノンレム睡眠の中でも深い睡眠は就寝してからの前半に多くみられるのですが、特にこの入眠前半部分のノンレム睡眠で深く眠れることが良い睡眠と言われています。
 
しかし、眠りの深さを測ることはできないため、最初にお話した目覚めの感覚が良ければ、ノンレム睡眠とレム睡眠がバランス良く取れているということになると思います。
 
ちなみに、睡眠時間は個人差があるので必ずしもこだわる必要はありません。睡眠は長さよりも深さ(睡眠深度)がより重要です。

森田祐二

塚田:我々は睡眠と免疫の関係に注目しているのですが、睡眠の質を高めることで得られる身体や免疫への具体的な影響について教えていただきたいです。

 森田:良質な睡眠は疲労回復や細胞の修復、免疫の維持といった睡眠の役割やメリットを最大限引き出すことにつながります。
 
十分な睡眠により免疫の維持に貢献すれば、外敵への対抗力が高まるだけでなく、体調を崩すリスクも抑えることになり、さらに、それが良い睡眠へ導くことにもつながるため、両者の間に好循環が生まれます。

塚田:やはり免疫と睡眠は密接に関わっているんですね。では、睡眠の質を高めるためには何が必要なのでしょうか? 

森田:特別なものは必要なく、ほとんどが毎日の生活のなかでできることばかりです。朝昼夜と1日の中で意識してほしいことをお伝えしますね。

<朝>朝の光を浴びて体内時計をリセット

私たちの身体は朝になると目が覚め、夜になると眠くなるという生体リズムを持っていますが、この働きを調整しているのが体内時計。人間の体内時計は24時間より15分程長くセットされており、地球の自転周期(24時間)とのズレがあるため毎日リセットする必要があります。リセットしないと体内時計はどんどんズレていき、身体のリズムが崩れて様々な不調が出やすくなるのです。
体内時計は光を目に入れることでリセットできるようになっているので、起きたらすぐに朝日を浴びると良いでしょう。

<昼>適度な運動で身体を動かす

日中は活動的な生活を送るよう心掛けましょう。ほどよく疲れることで自然と夜に眠くなるようになります。テレワークなどにより1日中室内で座りっぱなしという方は、意識的に外へ出て散歩するのがおすすめ。日中の活動性の低下は、免疫の要であり「第二の脳」と呼ばれ、脳との相互連携で健康を支えている腸内環境の悪化を招くことにもつながります。

<夜>眠る2時間前から就寝準備を行う

テレビ、パソコン、スマホなどの使用は就寝1〜2時間前から避けましょう。ブルーライトの強い光が目を介して脳へ刺激を与えると活動モードになってしまい、睡眠が浅くなってしまいます。

それから、深部体温を下げることもポイント。深部体温の低下は、夜が始まり眠りの準備開始の時間が来たことを体内時計に知らせる合図になることから、入浴は就寝の30〜60分前に済ませ、寝室の室温は下げて少し肌寒いくらいの温度にしておくとベストです。

森田祐二

塚田:すぐ取り入れられるものばかりなので、これならできそうという方も多そうですね。ちなみに食事で意識することはありますか?
 
森田:食生活については、規則的に毎日同じ時間に取ることと、内容に気を配る必要があります。およそ7〜19時の間にその日の食事を済ませ、夜間を中心に空腹の時間帯をしっかりとることで、体内で行われる様々な生体活動と休息のメリハリをつけ末梢体内時計のリズムを整えることにつながります。
また、10〜12時間の十分な空腹時間は、サーチュインという長寿遺伝子を活性化することが知られています。消化・吸収に時間がかかる糖質や肉などの飽和脂肪酸は就寝までの時間が十分にとれないときは控えめにするとよいでしょう。 

免疫と睡眠をダブルでケアするサプリメントをキリンが開発

iMUSE 免疫ケア・良眠プラス
10月に発売された『キリン iMUSE 免疫ケア・良眠プラス(サプリメント)』

 塚田:キリンはiMUSEという「プラズマ乳酸菌」の働きによって健康な人の免疫機能の維持をサポートするブランドを展開しています。35年に渡る免疫研究のなかで、免疫と睡眠の関係に着目し、生まれたのが、『キリン iMUSE 免疫ケア・良眠プラス』です。
 
iMUSEの免疫ケアのサプリメントに、長く眠った感覚を改善し、より良い気分の目覚めをサポートする成分「オルニチン」をプラスすることで免疫と睡眠を同時にケアすることを可能にしました。 

森田:今回、キリンさんが免疫にプラスして睡眠に着目した背景にはどんな理由があるのですか?
 
塚田:冒頭で森田先生がお話してくださったように、オンオフつけにくい現代社会や忙しい毎日などから「睡眠に不満を感じている方が増えている」というのが大きいですね。

また、昨今のライフスタイルの変化のなかで免疫への関心が高まり、健康や生活習慣を改善したいと考える人が増えています。一方で、実際に免疫・睡眠ケアの習慣がある方はまだまだ少なく、意識と行動に大きなギャップが生まれているのが現状です。
 
そしてこちらも森田先生のお話にあったように、「免疫と睡眠は密接に関わっている」というところから、どちらかだけではなく、両方一緒にケアすることで健康の土台を整えてほしいという思いで開発しました。

キリンホールディングスの塚田彩子

森田:一度に両者を良い方向に導くこのような健康食品は、まさに人々のニーズに合ったタイムリーな商品ですね。良眠の成分にもいろいろあると思いますが、オルニチンを使用したのはなぜですか?
 
塚田:元々キリングループでは20年以上オルニチンの健康パワーというものに着目して研究を進めています。オルニチンのサプリメントも2004年から18年以上発売しており、ご利用者数は200万人を突破しています。これだけ選ばれ続けているキリングループが誇る健康成分ということで、今回満を持して配合しました。
 
なんと6粒の中にシジミ約1,800個分のオルニチンが入っていまして、食事では難しい量を効率的に摂ることができるところがおすすめポイントです。私自身もオルニチンのサプリメントを3年ほど飲んでいますが、効果を実感しています。

森田:私も以前からオルニチンに注目し、研究に参画してきました。ヒト臨床研究において、「長く眠った感覚を改善」し、「より良い気分の目覚めをサポートする」という結果がみられています(※)ので、まさに睡眠の“質”において重要なポイントになりますね。 

※〈試験概要〉被験者:疲れ気味の30〜60歳の健常者男女52名。/試験方法:オルニチン400mgまたはオルニチンが入っていない試験食品を8週間毎日摂取。アンケート調査にて起床時に睡眠の質を確認。/評価方法:摂取前と比較した体感スコア値の変化量。

出典:Miyake M et al. Nutr J. 13:53, 2014

塚田:免疫・睡眠ケアは継続していただくことが大事なので、手軽に摂取できるサプリメントにしました。というのも、今回は6粒にプラズマ乳酸菌1,000億個成分、オルニチンはシジミ1,800個分に加えビタミンB1、B2、B6、B12が入っています。これだけの成分を食品などで摂るのはとても大変なので毎日続けやすいサプリメントにしました。

森田:6粒というと多いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これほどの成分量を6粒で摂取できるというのはすごい技術力だと思います。しかも、小さくて平たい形で飲みやすさにも工夫がされている。こういった繊細な部分もキリンさんの研究の成果、技術の結晶だと思います。

免疫ケア・睡眠改善のこれから

キリンホールディングスの塚田彩子

塚田:最後に、これからの時代に睡眠や免疫ケアにどのように取り組んでいくべきか、森田先生の考えを聞かせてください。 

森田: 超高齢化やIT社会がますます進むことが予想される未来において、睡眠と免疫の大切さは個人、社会においてさらに意識が高まっていくと思われます。行動を起こすためにはきっかけが必要ですが、あやふやな知識や間違った知識で進まないよう、まずは知ることが大事です。ライフスタイルに取り入れやすい正しい情報を得るよう日頃から意識してほしいと思います。 

塚田:そうですね。睡眠や免疫は健康の土台です。今はライフスタイルの変化もあり意識が高まっている状態ですが、長く健康に生きていくうえで「習慣」にしていただくことが大事です。すでにケアしている方はぜひ継続していただき、これからの方は森田先生がおっしゃるように正しい情報でケアを始めて習慣にしてもらえたら嬉しいです。
 
そのためにも、睡眠も免疫も状態を“見える化”していけるようなサービスを将来検討していきたいと思いますし、皆さんがより続ける意義がある、「これは健康に貢献しているよな」と思ってもらえるような取り組みをキリンとしてもやっていきたいと思っています。

iMUSE 免疫ケア・良眠プラス

機能性表示食品
【届出表示】本品には、プラズマ乳酸菌(L. lactis strain Plasma)が含まれます。プラズマ乳酸菌はpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に働きかけ、健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されています。本品にはL-オルニチン一塩酸塩(L-オルニチンとして)が含まれます。L-オルニチン一塩酸塩は、体内の水分に溶けてL-オルニチンとなり、L-オルニチンは起床時の主観的な睡眠感を評価する一部の指標(長く眠った感覚)を改善し、より良い気分の目覚めをサポートする機能が報告されています。
※食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
※本品は、本品は国の許可を受けたものではありません。
※本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。

文:大西マリコ
写真:上野裕二
編集:RIDE inc.