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『うしろむき夕食店』が本になりました

ポプラ社さん、新人作家の冬森灯さんとのコラボ企画「うしろむき夕食店」プロジェクト。2020年9月から始まった連載も2021年1月に最終回を公開し、2月17日にいよいよ書籍版として発売されることになりました!企画が走り始めたのが2020年1月。あしかけ1年に渡る本企画もこの書籍化をもって大団円を迎えることになりました。

先日、ポプラ社の編集者さんと冬森さんでオンライン上に集まり小さく打ち上げをしました。「この企画を聞いた時どう思ったのか」「どんな風に話を作っていかれたのか」話を聞く中で冬森さんの本企画に対する工夫や想いに改めて驚かされました。

今回は、その時の話を踏まえながらこの1年間をキリンビールnote編集部の視点で振り返ってみたいと思います。

▼ポプラ社さんによる書籍化の裏話はコチラ

冬森さんとの出会い

はじめて冬森さんとお話しさせていただいたのはポプラ社さんのオフィスでした。その時点で既にポプラ社さんとは企画の骨子は固まっており、執筆をお願いすることになった冬森さんと、ご挨拶がてら打ち合わせをさせていただくことになっていたのでした。

▼コラボ企画が生まれた背景はコチラ

冬森さんの第一印象は、「なんて物腰のやわらかい方なんだ」でした。作家の方にお会いしたことがなかった私たちは、作家さんは気難しい方が多いのでは?という勝手な印象を抱いていたのですが(すみません)、冬森さんのゆったりとした丁寧な話しぶりと温かい空気感に安心したのを覚えています。

まずは、食のシーンの温かさが胸を打つ冬森さんの処女作『縁結びカツサンド』についての話になりました。そして冬森さんがどのようにして「食べる」を描いているのかをお聞きしました。

驚いたのは事前にお調べになっているその量。お見せいただいた手帳の中には、パンの歴史について古い書籍にあたり調べたことや、これまでに行ったパン屋さんの情報などがビッシリと書き込まれていました。

冬森さんが紡ぐ食の温かさの理由は、ご自身の身体を通った実感が宿っているからなのだとわかったような気がしました。

▼冬森さんの小説に対する想いはコチラ

その後今回の企画について打ち合わせをしました。事前にこちらからお出ししていた情報を受けて、いくつかのプランを冬森さんからご提示いただきました。その場ではいただいたアイデアを元に、私たちが求める読後感をすり合わせました。

打ち合わせから2日後、オフィスに冬森さんからお手紙が届きました。

きっと打ち合わせを終えてすぐに手紙を書いてくれたのでしょう。その冬森さんの心遣いに鼻の奥がツンとしました。書かれた文字は冬森さんの丁寧さがそのまま顕れたかのようで、思わず頬が緩みました。

さらにお手紙には四つ葉のクローバーが挟まれていました。
イミテーションではなく、本物の四つ葉のクローバーでした。

なかなか見つからないその希少性から「幸運を招くもの」とされる四つ葉のクローバー。
対してキリングループのシンボルマークである麒麟は「慶事の前触れ」として現れるものとされています。

おそらく冬森さんはキリンのことを調べては麒麟の由来を知り、それでこのような心遣いをしていただいたのだと思います。四つ葉のクローバーを指でなぞりながら、この企画はとてもいいものになると確信ができました。

お手紙は今でも机の中にあります。何かうまくいかない時、事がうまく進んで欲しい時、心を落ち着かせるために机を開いては心拍を下げています。

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知るために惜しまないこと

先日のオンラインでの打ち上げで、もっとも驚いたのが「飲んでみたリスト」です。これは冬森さんご自身が小説を書くにあたり、情報収集として試飲したキリン商品のリストです。そのリストを数えるとなんと36種類。オンライン限定の商品やなかなか量販店では見つからないような商品までくまなく探しては試していただいたそうです。

それだけではなく、キリンが主催しているオンラインのビールセミナーに参加してはビールの楽しみ方を学んだり、30年以上前にキリンビールが出版した『ビールと日本人』(河出文庫)を図書館で借りてはビールの歴史を追いかけたり、キリンのnoteで造り手の想いに触れては造り手の肌感覚を探ったり…小説の準備に惜しみなく時間と手間をかけていただいたことを知りました。

おかげさまで美味しいものをたくさん知ることができました」と冬森さんは朗らかに笑いますが、本当に大変なことだったと思います。そうした多くの(作品としては表に出てこない)情報が下地となってひとつの作品は出来上がるのだと学ぶことができました。  

校了したら「ゴマ粒ひとつ」出ないくらい

今回の企画は冬森さんにとって2作目で、はじめて締め切りのある連載もの。お受けされた当初は「ほんとにやりきれるのか」という不安もあったそうです。

ひとつの作品を1週間〜2週間で一度書き上げるそうなのですが、全部書いてから読み直してみて納得がいかないと、書き上げた数万字を白紙にしてはゼロから書き直されていたとのことです。それも1回ではなく2回も3回も行っていたのこと。聞くだけで頭がクラクラする作業です。

そんな風に仕上げていくものですから、1篇を書き終え校了したら、物語の「もと」となるものが「ゴマ粒ひとつ出ない」ほど尽き果てて空っぽになるそうです。すべて注ぎ込んで1話を書き終えて、尽きてなにもないところから、次の物語をゼロから積み上げていくとのことです。

とても過酷な作業です。それでも、1話を上げる毎にTwitterで寄せていただく読者の感想コメントが励みになったとのことでした。冬森さんはTwitterで感想をあげてくれた方ひとりひとりにコメントを送っていらっしゃいます。そこにも冬森さんの丁寧な人柄を感じられます。

実はキリンの社内にも『うしろむき夕食店』のファンがいます。業務上はほとんど関わらないような方が、わざわざ私たちnote編集部の席まで足を運びにきては「あの作品のファンなんです」という声をかけていただくこともありました。ひとつの物語を通じて、ふだん交わることのない人とつながれるきっかけになりました。

そしてそれはそのまま、私たちがこの企画を行った理由のひとつでもあります。今回の物語をきっかけにキリンのnoteを知っていただいた方も多くいらっしゃると思いますし、キリンのnoteを知っていただいた方が冬森さんのファンになった方も多くいらっしゃると思います。そんな架け橋となるようなきっかけをこの企画を通してお渡しできていたとしたら、企画した身としてはとても嬉しく思います

改めて冬森さん、ポプラ社さん、作品にお付き合いいたいだ皆さん、ありがとうございました!

『うしろむき夕食店』は絶賛発売中です。ぜひ手に取ってみてくださいね。


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