世界遺産「ロワール地方」の街並みとワイナリーを楽しむ旅へ【フランスは今日もワイン日和】
メルシャン欧州事務所に赴任中の弊社社員、春日井 琢記より、パリでの生活や仕事を通じて感じた「ワインの楽しみ方」についてお伝えしていく連載企画。
第7回は、ロワール地方の街並みとワイナリー巡りについてお届けします。
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歴史的な街並みとぶどうの産地「ロワール地方」への旅
みなさん、こんにちは。メルシャン欧州事務所の春日井です。
8月ということでヨーロッパはバカンスシーズン!そのためパリは人出が少なかったり、多くのレストランが閉まっていたりして少しばかり寂しい光景が広がっています。さらに今年はここ数年の猛暑とは違い、最高気温が23度ぐらいの日も多く、ヨーロッパの夏らしさを感じることができずにいます。
そんな日々が続いておりますが、6月半ばに上司と2人でロワール地方へ行ってきましたので、今回はその様子をお届けします!
旅のテーマは「城とワイナリー巡り」です。日本だと休日に上司と旅行に行くということはありませんでしたが、メルシャン欧州事務所は3人のみの小さな部署のため、このように休日に一緒に出掛けたり、お互いの家族とも交流があったりします。
さて今回の目的地であるロワール地方は、フランス最長約1000kmもあるロワール川を中心にぶどうの産地や古城が多いことで有名です。
まずはパリから車で2時間ほどかけて、「シャンボール城」に向かいました。レオナルド・ダ・ヴィンチが設計に携わり、またディズニー映画『美女と野獣』実写版のモデルにもなったロワール地方最大の城です。周りの森林公園も含めると、あまりにも広大な敷地のため、隅々まで見学したい人は車や自転車、馬車などに乗って移動していました。
ジャンヌ・ダルクの軌跡が残る街を探索
シャンボール城を出発して向かった先はフランスの英雄ジャンヌ・ダルクが活躍した街、オルレアンです。
百年戦争のとき、オルレアンはイングランド軍によって包囲されていましたが、ジャンヌ・ダルクはこの状況からオルレアンを開放し、一躍英雄となりました。そのためあらゆるところでジャンヌ・ダルクにまつわるものを見ることができます。
オルレアンは、パリから「TGV」という高速列車を使って1時間ほどで訪れることができ、街もコンパクトなので、1泊旅行で訪れるのもオススメのエリアです。
レストランに行けばもちろん、ワインリストにロワールのワインが中心にリストアップされています。
ロワールと言っても非常に広大な土地のため、ワインが造られるエリアは「ペイ・ナンテ地区」「アンジュ・ソミュール地区」「トゥーレーヌ地区」「サントル・ニヴェルネ地区」と、大きく4つに分けることができます。同じロワール地方ですが、気候や土壌も違うため植えられている品種が異なり、結果的にワインのスタイルも多様になります。
今回の旅ではサントル・ニヴェルネ地区にある「サンセール」と「プイィ・フュメ」というワインの産地へ足を運びました。この二つの街は、白ワイン「ソーヴィニヨン・ブラン」の銘醸地として知られています。フランスの中心部に位置し比較的冷涼な気候のため、フレッシュでシャープな特徴のワインが多く造られます。
ワイナリー訪問で失敗!?気を付けたいこととは
ロワール川の左岸にある産地がサンセール、右岸がプイィ・フュメです。サンセールはソーヴィニヨン・ブランだけでなく、「ピノ・ノワール」という赤ワイン用のブドウ品種も植えられています。
事前に行きたいワイナリーを調べていたのですが、特に訪問の予約をしていませんでした。これが失敗…(泣)。訪問直前に数軒のワイナリーへ電話をしたのですが、「時間がないので今日は無理だよ」と断られてしまいました。
ツーリズムが盛んなアメリカ・カルフォルニア州のナパ・ヴァレーやフランスのシャンパーニュのワイナリーは、お客さんを受け入れる環境が整っています。例えば、「セラードア」という試飲直売所が併設され、限定ワインやオリジナルグッズを購入できます。また専門のガイドが案内してくれるワイナリーツアーをオンラインで予約することもできます。
ただ、このようなオープンなワイナリーは少なく、ほかの地域のワイナリーは小規模なところが多いため、造り手やワイナリー関係者が業務の合間を見て案内をしてくれるケースがほとんどです。ロワール地方も例外ではなく、こうした直前のアポイントでは訪問が難しいと、あらためて知ることになりました。
今回は、数軒のワイナリーに断られてしまったものの、運良く4軒のワイナリーが訪問を快諾してくれました!忙しいなか、ワインメーカー直々に1本1本丁寧に解説をし、こちらの質問にも真摯に答えてくれました。ありがとうございます。
もちろん各場所でワインを購入!いつかの食卓で家族や友人とサンセールのワインを愉しみたいと思います。旅先で買ったワインを飲むと、食事の際にその旅の話で盛り上がることができるのでオススメですよ。
土地のワインとチーズのマリアージュを堪能
サンセールにはいくつかの村がありますが、この日はサンセールの丘の麓にあるシャヴィニョル村に宿泊をしました。
サンセールに拠点を構える大手ワイナリーが経営するホテルに泊まり、併設されたレストランでおいしい食事と、訪問したワイナリーでオススメされたワインをいただきました。
ワインのおともといえばチーズですが、ロワール渓谷一帯はヤギの乳で作られた個性的な風味の「シェーブルチーズ」が有名で、サンセールのすっきりとした味わいのワインと相性がばっちりなんです!フランスで各地を訪問した際は、ぜひその土地のワインとチーズを合わせてみてください。
酸味があり、きりっとしているサンセールワインは夏にぴったりです。まだ蒸し暑い日が続くと思いますので冷やしたサンセールのワインをお楽しみください!
最後にみなさまにお知らせです。
このたび、メルシャン欧州事務所はパリ在住のYouTuber「MashAyaVideo」とコラボします! 普段からYoutubeを中心に、パリの日常やおすすめ情報を発信しているフォトグラファーMashさんとイラストや漫画の制作をしているAyaさんと一緒に、ブルゴーニュにある185年の歴史をもつアルベール・ビショー社に訪問しました。
アルベール・ビショー社のみなさんにワイナリーや畑を案内してもらい、その様子を数回に分けてお届けします!