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ブルゴーニュのブドウ収穫の一日を追いかけました【フランスは今日もワイン日和】

メルシャンの欧州事務所に赴任中の弊社社員 春日井 琢記より、パリでの生活や仕事を通じて感じた「ワインの楽しみ方」についてお伝えしていく連載企画。

第3回は、「ブルゴーニュでの収穫」についてお届けします。

本記事は、2020年9月時点に取材・撮影した内容です。フランスでは10月30日に再びロックダウンとなりました。とても「#フランスは今日もワイン日和」と言える日常ではなく、このタイトルを継続すべきか、そもそもこの企画を継続すべきか悩みました。しかし、この現状を乗り越えてまた楽しい「ワイン日和」を取り戻したいという願いを込めて、タイトル名は変えずに、フランス本来の日常にあるワインの楽しさをこれまで通りお届けすることにしました。

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みなさん、こんにちは!メルシャン欧州事務所の春日井です。

パリは9月の上旬から一気に気温が下がり、街ではコートやマフラーを身に着けている人をよく見かけるようになりました。

先月9月1週目に、パートナーワイナリーである「アルベール・ビショー社」と打ち合わせを行うためブルゴーニュを訪問しました。ちょうどそのタイミングで収穫に立ち会えたため今回は現地の写真を交えながら「収穫」をテーマにお伝えします。

「機械の収穫」と「手摘み収穫」の違い

フランスのブドウの収穫の様子

ブドウの収穫の方法は大きく分けて「機械収穫」「手摘み収穫」の二つに分けられ、それぞれに時間・労力などの面で長所と短所があります。

機械収穫ですと、手摘みに比べて素早く収穫ができますが、収穫の際にブドウを傷つけてしまう可能性があります。一方、手摘み収穫は時間がかかる分、丁寧に収穫ができますが、多くの人を雇わないといけないため人件費が高くなってしまうという側面があります。

身近な例ですと、日本で大人気のチリワイン。チリは広大な畑が多いので、基本的には機械収穫が主流です。素早く収穫ができる分コストを抑えることができ、リーズナブルな価格で楽しむことができる一つの理由になっています。

フランスにはワインに関する法律が存在し、そのなかでエリアによっては「手摘み収穫」が義務化されています。手摘みで収穫されたブドウを使用していない場合は、ここのエリアをラベルに記載することを禁止します。という内容です。

ただ今年2020年の収穫に関しては、手摘み収穫が本来は義務とされるエリアの一部でも「機械収穫」が認められたそうです。
理由はコロナウイルス拡大の影響で、収穫目的で訪れた人々がフランスに入国できない可能性があることやクラスターを発生させないため、特例措置が認められたようです。

このようにそれぞれにメリット・デメリットがあるので、機械収穫だから悪い、手摘み収穫だから良いというわけではなく、造りたいワインのスタイルや目指すワインの価格によって、収穫方法は生産者によって判断されます。

例年と違う収穫の様子

フランスのブドウの収穫の様子

今回は、ニュイ・サン・ジョルジュという産地にある「アルベール・ビショー社」の「シャトー・グリ」の収穫を見守ってきました。

ここではシャルドネとピノ・ノワールが栽培されており、この日はシャルドネを収穫しておりました。ここでは、すべて手摘みで収穫されます。

今年は、猛暑かつ雨が少なかったことが影響して、例年よりもかなり早い8月20日頃から収穫が始まりました。収穫のタイミングは、ワインの出来を左右する大切な要素の一つです。一般的にはブドウの糖度や酸などの項目を機器で分析したり、また実際に食べてみて適切な収穫時期を決定します。

フランスのブドウの収穫の様子

写真からもお分かりになると思いますが、今回訪れたシャトー・グリはかなりの急斜面にテラス状に畑が連なっているのが特徴です。斜面に畑があることで太陽の光がよく当たり、結果として熟したブドウが収穫できます

ワイン造りではブドウの質がそのままワインのスタイルに反映しやすいため、熟したブドウですと骨格がしっかりした力強いワインができます。

この日は朝10時前に収穫を終えて、近くのアルベール・ビショー社が保有する「ドメーヌ・デュ・クロ・フランタン」というワイナリーにブドウを運びました。

収穫したブドウ

ここでは、「選果台」というテーブルにブドウを並べて状態の良いものとそうでないものを選別することで、より一層おいしいワインが造られます。

ブドウの選別の様子

例年この時期は、ブルゴーニュのあらゆる畑で収穫が行われているため、ブドウを載せたトラックや収穫をする方々を乗せたバンがあちこちに走っており、いよいよワインの季節が来たと町中が活気づきますが、今年の収穫は、コロナの影響によりいつもとは異なる様子も多く見られました。

先ほども少し触れていますが、ブルゴーニュの収穫はフランスからだけでなく、ポーランド、イタリアやポルトガルなど国外からも参加者が集まります。しかし、今年は「コロナの影響で入国できない」などの理由による人手不足が予想されたため、アルベール・ビショーでは、instagramやFacebookといったSNSを活用した募集をいつも以上に強化しました。初めてのことも多く、苦労はしたものの、結果的には予定の人数を確保できたそうです。

また今年は収穫が早かったこともあり、例年より地元の学生の参加が多かったそうです。ワイン造りやブドウ栽培について学んでいる学生も参加していました。

収穫の一つの楽しみである昼食も、例年ですとブッフェ形式ですが、今年はコロナの影響でプレートで一人ずつに提供されたり、外で食べたりと対策を徹底したそうです。

異例の対策や試みを乗り越えながらも、今年も無事収穫を終えることができました。このブドウがこのあと醸造・製造され、私たちのもとにワインとして届きます。

フランスのブドウの収穫の様子

アルベール・ビショー社のワイン

今回ご紹介したアルベール・ビショー社の商品はこちらから購入できます!

次回は、11月19日解禁のボージョレ・ヌーヴォについて製造現場の様子も含めてお届けする予定です。お楽しみに!