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ウイスキーのおいしさや楽しさを広げるために。キリンシティの料理とのペアリングで見えてきた『ウイスキー 陸』の魅力

「日本の食文化に合うようなウイスキーをつくりたい」

50年前の1973年、キリンは「キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所(以下、富士御殿場蒸溜所)」を操業開始。ウイスキーづくりで重要な水、冷涼な気候、霧がもたらす湿度…それらの理想的な条件が揃う富士のふもとで、『キリンシングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士』や『キリンウイスキー 富士山麓』といった商品を生み出してきました。
 
そして、富士御殿場蒸溜所の操業50年の節目に、『キリンウイスキー 陸(以下、『陸』)』のパッケージをリニューアル。この新しくなった『陸』が、今年(2023年)からビアレストラン「キリンシティ」でもレギュラーメニューとして提供されています。

※『キリンウイスキー 富士山麓』と『陸』は厳選した海外原酒を一部使用

もちろん、キリンシティの名物といえば、『キリン一番搾り』をはじめとしたさまざまなビールです。そこに、ビール以外のうれしい選択肢が加わるなら、もっと「今日も一日、お疲れさまでした」の乾杯やひとときが楽しくなってきそうです。キリンシティのマーケティング部で、ドリンクメニューの商品企画を担う南部香央里も『陸』の提供に自信をのぞかせます。
 
そこで、今回はキリンでウイスキーのブレンダーを務める竹重元気を招いて、「キリンシティ川崎ラ チッタデッラ店」で『陸』と料理のペアリング試食会を開催!たくさんテイスティングした料理メニューの中から、特にオススメしたい3品を選んでみました。
 
ビールはもちろん!今日からは、ハイボールもご一緒に。キリンシティで楽しめる『陸』の魅力をご案内します。


「きれいな味。美しい香り。」を体現した『キリンウイスキー 陸』

南部:これまでもキリンシティでは『キリンシングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士(以下、『富士』)』を提供しており、キリンのウイスキーをブランド担当者やブレンダーの方から学ばせていただいたんです。『陸』についてもさらに知りたいので、今日の対談を楽しみにしてきました!
 
竹重:こちらも『陸』は自信作で、ぜひお伝えしたいこともたくさんあるので、うれしいですね。
 
南部:今年の6月に富士御殿場蒸溜所を見学したんです。『陸』の仕込みにも使われている富士の伏流水が試飲できて、ほんとうにやわらかなお水でびっくりしました。
 
竹重:富士山に降った雨雪が溶けて地下に染み込んで、50年かけて蒸溜所の地下までやってきますから、どこか神秘的でさえありますよね。富士御殿場蒸溜所は、そのすばらしい水や年間の平均気温13℃という気候、一年を通じて幾度となく発生する霧など、理想のウイスキーづくりのための条件が揃った場所です。
 
富士御殿場蒸溜所は「モルトウイスキー(※1)」と「グレーンウイスキー(※2)」の両方を仕込みから製造まで一貫して行っている世界的にも稀な蒸溜所なのです。この2種類は原料や製法・設備も違いますからね。これには、多様なウイスキー原酒をつくって、ブレンドの可能性を広げたいという考えがあるからなんです。

(※1)原材料が麦芽のみのウイスキー
(※2)原材料にとうもろこしやライ麦、小麦といった穀類を用いて、大麦麦芽で糖化発酵させたウイスキー

【プロフィール】竹重 元気もとき
2006年キリンビール株式会社に入社。2009年まで主に焼酎の技術開発に従事。2010年からは商品開発研究所にてRTD(Ready to Drink)の新商品開発を中心に活躍。海外の蒸溜所を訪れた経験などからウイスキーの世界にも魅了されていた。2018年に富士御殿場蒸溜所のブレンダーに就任。『陸』、『富士』を中心に開発を担当している。

南部:『陸』はどういった特長を持つウイスキーなのでしょうか。名前の由来やつくり方について、あらためて教えていただけますか。
 
竹重:まず名前で言うと、お客さまにウイスキーの新しい楽しみ方を発見してもらいたいという想いから、“ウイスキーの「新大陸」発見”という意味合いを込めて、『陸』と名付けました。

一般的にハイボールは飲み方として流行ってきてはいるものの、使われているウイスキーにも関心を深めている方はまだ多くはないように感じています。それゆえに、逆に不満を持っている人も少なくないのではないか、と。
 
そこで、ウイスキーのおいしさや楽しさを広げていくためのウイスキーをつくろう、という目標が定まりました。富士御殿場蒸溜所は多彩な原酒づくりをしていまして、『陸』はモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたものになります。
 
南部:どういった味わいを目指してつくったのですか?

【プロフィール】南部 香央里
キリンシティ株式会社 マーケティング部 課長代理。キリンシティのご馳走ビールに感動して、2012年に接客担当としてアルバイト入社。2015年10月に社員となる。営業部店舗運営担当業務を経て、2019年10月より現職。

竹重:富士御殿場蒸溜所が掲げる理想のウイスキーは、「クリーン&エステリー」という香味を表現する言葉に集約されます。操業当初から雑味が少なく、果物や花のような心地よい香りとまろやかな味わいを持つものが、日本の食文化に合うウイスキーだと考えたのです。
 
それでいて「富士御殿場蒸溜所らしさ」を表現するために、『陸』では富士御殿場蒸溜所の特長である「薫り高いグレーンウイスキー」を主体としたブレンディッドにすることにしました。シンプルに言うと、ほんのりと甘く華やかな香りがあり、リッチな味わいながら飲みやすいウイスキー、というのが目指していたところです。
 
黄桃、りんご、オレンジピールといった果実の香りを思わせ、甘さはメープルシロップや蜂蜜といった複雑さも感じさせる仕上がりになりました。ハイボールにすると、さらに柑橘系の香りの華やかさが立ち上がりますし、食事にもより合いやすくなると思います。

キリンシティだから「理想的な提供の仕方」にこだわる

南部:キリンシティで提供する『陸』のハイボールには、「レモンスライスを入れない」ということもお話しましたね。
 
竹重:そうですね。『陸』はさまざまな香りを持っていますから、レモンスライスを足すとウイスキーの香りがマスキングされてしまって本来の味が楽しめないので、レモンスライスは入れないことをおすすめしました。
 
南部:私たちとしても、各ブランドの「理想的な提供の仕方」を叶えることは常に心がけています。キリンシティのドリンクは、キリングループの商品が主力なので、メニュー開発でもグループ担当者にお話を伺うところからスタートすることが多いです。グループとして一気通貫でお客さまに届けられるのは、キリンシティの魅力だと感じています。
 
竹重:私も家族や会社の仲間とキリンシティに来ることがあるんですが、ビールの注ぎ方から使うグラスまでこだわっていることを感じます。

キリンシティのビールを味わう竹重

南部:ありがとうございます!私も『陸』を提供するにあたって、富士御殿場蒸溜所のこだわりポイントをたくさん目にしました。それらもぜひお客さまに伝えたくて、メニュー画面の設計も含めて考えたので、見てもらえたらうれしいです。
 
『陸』は味わいも万能型という印象で、いろいろなメニューと合わせてみました。キリンシティのフード全般とも相性がいいですね。

竹重:お酒のタイプによっては、魚介類など生臭さがあるようなものには合いにくいことも多いのですが、『陸』なら美味しくいただけると思います。ハイボールは餃子や唐揚げといった味の濃い料理と合わせても確かにおいしいですが、『陸』のよさは、むしろ「調和」にあるといえます。

特に繊細な味わいの料理に向きますし、白ワインのようなイメージで、シーフードとのマリアージュも楽しめるはずです。

キリンシティのメニューから厳選!オススメのペアリング3品

南部:『陸』のハイボールと楽しむ、という観点でキリンシティのグランドメニューとペアリング試食会をしてみたら、竹重さんが言う「繊細さ」との相性もたしかに感じました!
 
今回、ぜひお客さまに試していただきたい3品にしぼりました。職人のソーセージやあか牛の旨塩焼きといった“主役”なメニューはもちろん、「名脇役」なものが候補になったのも印象的です。

①    しらすの焼きじゃが麺

その代表格と言っていいのが「しらすの焼きじゃが麺」。キリンシティのオリジナル商品と言っても過言ではなく、ロングセラーの人気メニューなんです。それと『陸』が合うのは私たちとしてもうれしいですね。

竹重:焼いた焦げ目から漂うしらすの香ばしさと、ハイボールの甘い香りがよく調和されていますね。トッピングされた青じそもポイントで、グリーンな香りが『陸』の柑橘系の香りと重なってくる。すっきりしつつも口中で広がる様を楽しめます。

②    玉ねぎのフリット

南部:実はもともとはパブの定番料理でもある「オニオンリング」というメニューだったのですが、玉ねぎの素材感をもっと楽しめるように、切り方を串切りに変更して、名前もあえて「玉ねぎ」にしたんです。揚げ物とハイボールの相性は言わずもがなですが、玉ねぎの甘みと『陸』の甘みがとっても合います!

竹重:「素材の味をちゃんと感じられる」という点も、このハイボールが得意とするところかなと。種類にもよりますが、ビールは味や香りも強いので、繊細な味付けや素材を生かした料理だとビールのほうが勝ちすぎるときがあります。「玉ねぎのフリット」との組み合わせでは、ある意味では『陸』の味わいや香りが、さながらソースのような役割をしてくれます。
 
南部:そのままでもおいしいのですが、添えてあるケチャップと合わせると、また印象が変わりますね。

竹重:トマト自体の甘みや、トマトが持つグリーンな香りが出てきますから、そういった要素がこのハイボールとの共通項になって、うまく調和してくれます。

③   ケールとベーコンのサラダ 中華ドレッシング

南部:これも素材感を大切にした料理です。ケール、ベーコン、温泉卵、中華ドレッシングと、さまざまな個性が掛け合わさったなかに、さらに『陸』が乗っかってくるようなおもしろさがありました。サラダは前菜のイメージが強いですが、メインディッシュになれるくらいの一品になっていると思います。
 
竹重:中華料理は「ジャン」の文化があって、それらから来る甘い香りと、少し濃いめのハイボールは特に合いやすいですから、中華ドレッシングとの相性はいいですね。

ケールのグリーンでフレッシュな香りはもちろん調和しますし、どこかミントのような爽快さもある。サラダ全体をあえて混ぜすぎず、食べるところの味わいの違いで楽しむのもありでしょう。

竹重:もちろん、他にもキリンシティの料理と合う『陸』の組み合わせはいろいろあります。今日の3品にも言えますが、わかりやすいところでは、やはり「香りの共通性」があると調和はしやすいです。
 
一方で、あえて逆の方向性の香りを重ねることで、新しい香味が生まれる化学反応的なおもしろさもあります。なので、まずは『陸』をハイボールで飲みながら、いろいろ試してもらえたらいいですね。

互いの伝統を活かし、おいしさと心豊かな体験を届ける

南部:富士御殿場蒸溜所は操業50周年ですね。実はキリンシティも今年で40周年なんです。そこであらためて、「私たちは ブランドの伝道師として、丁寧に積み重ねてきたおいしさを通して、こころも豊かになれるBeer Restaurantであり続けます。」というブランドパーパスを起点に、お客さまへ伝えたいことをどうやったら商品やサービスで再現できるか、を大切にしています。
 
今回の『陸』のレギュラーメニュー化でも、「どうやったらお客さまがよろこんでくれるかな」「どういう状態で提供するのがもっとも良いのかな」と考えていますし、これからもきっかけは作っていきたいです。

竹重:素晴らしいと思います。我々も「世界中の人たちにウイスキーのおいしさや楽しさで幸せになってほしい」という想いを持ってつくっていますし、その想いを受け取ってくださるお客さまが増えてくれることはよろこびです。
 
お互いに半世紀に近い伝統があるわけですから、それがしっかりとお客さまに提供できる品質の担保や安心感にもつながれば、私たちが発揮できる価値になってくれるはずです。これからもペアリングだけでなく、キリンシティとうまく連携していけたらおもしろいですね。

南部:富士御殿場蒸溜所の「丁寧に、細部までこだわって、日本の食文化に合うような味をつくっていこう」という姿勢は、キリンシティにも共通していることだと感じています。私たちが大切にしている「丁寧に積み重ねてきたおいしさ」は、『陸』のつくり手の皆さんの想いとも重なるところがあるのかなと。
 
竹重:そうですね。『陸』と食をきっかけにウイスキーの楽しさの幅が広がり、皆さんの生活のなかで少しでも心豊かに感じるシーンが増えてくれるとうれしいです。これからさらに多くの方に知ってもらえるようにしていきましょう!

取材協力:キリンシティ川崎ラ チッタデッラ店
文:長谷川賢人
写真:土田凌
編集:RIDE inc.

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