新連載「 #いい時間 」始めます
「暮らしを軽やかに、気持ちを健やかに」
今年3月、この宣言とともにKIRIN公式noteはアップデートしました。
8ヶ月近く経ち、発信された記事の数は60本強。
コロナ禍でクラウドファンディングに挑戦した老舗居酒屋の覚悟、お客様の健康のため研究に携わる従業員の熱意、化粧品を扱うファンケルさんの創業時から受け継がれたビジョン、働く人の健康のために立ち上げた新規事業…。改めて取材を振り返ると、私たちキリングループの事業は「暮らし」とともにあるだけではなく、商品やサービスを通じて身体と心の健やかさが実現されることを目指しているのだということが、より「実際的な話として」わかってきました。
身体と心の健やかさ。
便利な言葉を借りれば「ウェルビーイング」ということになるのでしょうが、改めて字面を見るとどうも「綺麗すぎて」少しピンとこない言葉です。
同じチームで働くメンバーに聞いてみました。あなたにとって「ウェルビーイング」な時ってどんな時?と。
「自分なりの旅行プランを練っている時」と答えた人もいれば、「海を眺めながらシャンパンを飲んでいる時」と答えた人もいました。はたまた「自転車で都内を走ってからの築地の寿司を食べている時」と答えた人もいれば「ひとりゆったりとラジオを聴いている時」と答えた人もいました。
それら答えを眺めて言えることは、これだけ長い時間一緒に働いていても、答えはかぶることはなく、それぞれの人の住んでいる場所や趣味、好きなものが反映されているということであって、もっと言えばその人のふだんの生活やこれまでの経験が色濃く現れているということです。
ちなみに、私個人の「ウェルビーイング」な時間の話をすれば、近所のアパートの1室で小さく営んでいるワインバルに行って、おいしいワインを飲みながら馴染みの店主や隣に座った「はじめまして」の方とお喋りをする時です。ふだんの生活圏の中に「ちょっと知っててほとんど知らない人が待っている場所」があることに、最近は(特にコロナ禍では)心地よさを感じるようになりました。
「身体と心の健やかさ」はその字面以上に、もっと多様で、もっとわからなくて、近くて遠いテーマなのかもしれない。そしてコロナ禍において変わることを余儀なくされた暮らしを見れば、今後も変わりつづけていくものであると考えることができるようです。
翻って、私たちキリングループは『「食と健康」のあらたなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献』することを企業理念としています。
私たちがすべきことは、この企業理念を掲げるだけではなく「つづけること」なのだと思います。つまり、変わり続ける社会にあって、生活のよろこびってなんだろう?こころ豊かな社会ってなんだろう?これらの問いかけをしつづけること、そしてフィットする答えを探しつづけアップデートしつづけることなのだと思います。
そして、さまざまなクリエイターさんが行き交うnoteという街であれば、その問いかけをし「つづける」ができるのではないか、そう思い至りました。
新連載「 #いい時間 」を始めます。
酒場で飲むこと、食卓を囲むこと、生産者とつながること、フィットする働き場所を選ぶことなどなど、生活の中の「いい時間」を紐解きながら、「あらたなよろこび」「こころ豊かな社会」を探っていく企画です。
この連載では、それぞれのテーマにあわせて、語り部を立てることにしました。「いい時間」にずっと向き合ってきた方による「個人的な言葉」をお届けしていきます。
「個人的な言葉」としたのは、この連載に「正しさ」を押し付けるようなことを遠ざけたいからです。ウェルビーイングな状態というのは個人によって違います。そうであれば私たちがすべきことは、正解(のように見えること)をひねり出し伝えることではなく、ひとつの視点をお渡しすることだと思っています。
これから発信されるテーマを少しだけ。
第一弾は「酒場で飲む」、第二弾は「食卓を囲む」です。
第一弾は「酒場で飲む」をテーマに、『孤独のグルメ』の原作者である久住昌之さんに、コロナ禍を経て、改めて考える居酒屋で飲む楽しさについて伺います。
第二弾は「囲む」をテーマに、スープ作家で「ミングル」という新時代のごはん装置を開発された有賀薫さんに食卓を囲む喜びについて伺います。
noteに訪れるみなさんにとって、健やかで軽やかな暮らしを考えるヒントになれば。
それではまた、次のいい時間で会いましょう。