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過去商品のお問い合わせは年間約2,000件!お客さまの声と振り返る、愛されてきた商品たち【こんにちは。お客様相談室です。】

「大好きだったあの商品、最近店頭で見かけないけど、もうないの?」

お客さまと一番近い場所に立ち、お客さまとキリンをつなぐ「お客様相談室」には、ときどきこんなお問い合わせもいただきます。

今回は、そういったお客さまからのお声とともに、過去に愛されてきた商品をご紹介。過去商品にまつわるお客さまとのエピソードもお届けします。

連載「こんにちは。お客様相談室です。」は、実際にいただいたお客さまからのお問い合わせと担当スタッフのやりとりを紹介する企画です。


「こんな商品あったなぁ」お客さまのラブコールとともに振り返る、キリンの過去商品

愛されてきた商品たち

過去商品に関しては、年間約2,000件ほどのお問い合わせがあります。今回はそのなかでも特にお問い合わせ件数が多いものを、お客さまから届いたお声とともに振り返ります。

◾︎キリンビール『本搾り™ ライム』

キリン 本搾り™ ライム

香料、酸味料、糖類を使わず、果実とお酒だけでつくるおいしさのバランスが人気のチューハイ『本搾り™』シリーズ。

期間限定で発売していた「ライム」のフレーバーを愛飲してくださっていたお客さまも多く、2022年の終売から2年経過した2024年になっても、再販希望のお声をいただくほどです。

ライムが出るまではずっとグレープフルーツ一択でしたが、ライムの絶妙な苦味、爽快感は最高でした。

グレープフルーツやピンクグレープフルーツも好きですが、ライムはどれにも該当しない爽やかさとスッキリ感、本格的でとてもおいしかったです。

育児中の私にとって気軽にバーに行けないなか、本格的かつ、おいしい『本搾り™ ライム』を飲める時間はとても貴重で、リラックスできるものでした。

◾︎キリンビール『47都道府県の一番搾り』

キリンビール『47都道府県の一番搾り』

全国の47都道府県ごとに味の違いや個性を楽しめる「一番搾り“地元うまれシリーズ”『47都道府県の一番搾り』」。

お客さまにゆかりのある地域の『一番搾り』を楽しめる「ご当地ビール」として、「今年は販売しないの?」といったお声が届いています。

『神戸づくり』がとても気に入っていたのですが、ある日から見かけなくなりました。もう一度あの味を飲みたいです。

一番搾りの『横浜づくり』など地域限定商品は今年も発売されますか?

『取手づくり』が大好きです。親戚などにもお中元として、生産される年は必ず贈らせていただいております。今年はつくられないのでしょうか?

◾︎キリンビール『濃い味〈糖質0〉』

キリンビール『濃い味〈糖質0〉』

キリンビール独自のコク味付与技術によって、その名の通り「濃い味」と「糖質ゼロ*」を同時に実現した『濃い味〈糖質0〉』。
*食品表示基準による

「糖質ゼロだから長年飲んでいた」「代替品はある?」など、ビール・発泡酒・新ジャンル(発泡酒②)のなかでもダントツのお問い合わせ件数となっています。

オフゼロをお求めのお客さまには『一番搾り 糖質ゼロ』や『淡麗グリーンラベル』など、糖質オフ商品を代替品としてご案内することもあります。

濃い味の大ファンでした。しっかりビールのコクがあり、糖質0プリン体オフなのが好きです。代わりに似たような新商品が出ないのでしょうか?

プリン体やアルコール、糖質なども抑えられているのにしっかりした味で気に入っていたんです。ほかの成分が抑えられている商品はいろいろあるけれど、やっぱり一番は味がよかった。

ビールのおいしさも感じられ、アルコール度数が低いのにアルコール感もあり、カロリーも低く安心して飲めるお酒でした。ぜひ、復活をお願いします!

◾︎キリンビバレッジ『午後の紅茶 デカフェ ストレートティー』

キリンビバレッジ『午後の紅茶 デカフェ ストレートティー』

定番人気の『午後の紅茶 ストレートティー』の味覚を目指し、紅茶葉が持つ香りや味わいを楽しめながらもカフェインゼロの『午後の紅茶 デカフェ ストレートティー』。

妊娠中や授乳期のお客さまからのラブコールも数多くいただいた商品です。

妊娠中に飲んで大好きだった商品です。カフェイン摂取を医師から控えるように言われている父も大好きな商品でした。

授乳期でも安心して紅茶が飲めるので、よく購入していました。味が普通のストレートティーよりも好きだったので、授乳期終了後も飲んでいました。またぜひ再販していただきたいです。

出荷停止を知り、今買える分だけでもと買いだめしました。決まってしまったことは仕方ないですが、この商品を作った方にお礼を言いたいです。素敵な思い出をたくさんありがとうございました。

◾︎キリンビバレッジ『午後の紅茶 ザ・マイスターズ』

キリンビバレッジ『午後の紅茶 ザ・マイスターズ』

『午後の紅茶 ザ・マイスターズ』シリーズは、紅茶が持つ豊かな香りと味わいをしっかり楽しめる、ひと手間かけた甘くない・微糖紅茶。

「甘さがちょうどよかった」「日々愛飲していた」など『午後の紅茶』シリーズのなかでもお問い合わせの件数が多い商品です。

甘みとすっきりとした後味、オレンジのバランスが素晴らしいのがこのオレンジティーだけでした。このオレンジティーに勝る飲みものがなくて、大変困っているのですが…。

紅茶らしい芳醇な香りもよかったし、フルーティーですっきりとした甘さがよかったんです。

このシリーズが出たときは「これだ!」と本当にうれしくなりました。「ほんのり甘い」が好きな人たちにとっては類をみない商品で、なくなったことがショックです。

マイスターズミルクティーのほのかな甘さと紅茶のおいしさがやはり大好きで、あの味が忘れられません。

「再販してほしい」といったお声に、お客様相談室はどんな対応をしているの?お客さまの気持ちに寄り添うための商品理解

お客様の気持ちを想像するスタッフ

過去商品のお問い合わせの多くは、ありがたいことに「大好きだったので再販してほしい」といったもの。お客様相談室では、そのお声にうれしくも申し訳ない気持ちを抱きながら、担当スタッフそれぞれが対応をしています。
 
しかし、店頭で見かけなくなった商品がすべて終売になっているわけではなく、なかには期間限定商品だったものが通年商品になるタイミングだったり、リニューアルして代替商品が誕生する場合も。
 
その一例として、『午後の紅茶 TEA SELECTION アールグレイアイスティー』のエピソードをご紹介します。
 
とある夕方、お客様相談室にこんな内容のお電話がありました。

去年の夏、キリンのアールグレイアイスティーを飲んで、何とも言えない癒しのひとときを感じることができました。ずっとそのことをお伝えしたかったのでお電話しました。どうか、このような商品の販売を続けてほしいです。

 お問い合わせいただいた『午後の紅茶 TEA SELECTION アールグレイアイスティー』は、厳選した茶葉のブレンドにこだわり、おいしい紅茶で「上質な休息時間」を楽しんでいただきたいという想いから、2023年より期間限定で発売し、同年10月に出荷終了した商品でした。
 
ところが、このお客さまからのお電話をいただいた数日後、商品の通年販売が正式に発表されたのです。 

お電話で「再販の予定はない」ことをお詫びした直後ということもあり、あまりにも申し訳なかったという気持ちと、またよろこんでいただきたいという想いから、お客さまにそのことをいち早くお知らせしたく、再びお電話をしました。
 
すると…

 通年商品になったんですね。ありがたいです。わざわざ気にかけて電話をくださって、私の気持ちが通じてよかった。うれしいです、本当に。

アールグレイアイスティーを飲むと、きつい仕事が終わったあとも癒しのひとときに変わるんです。これからも販売し続けてください。応援していますから。

よろこんでくださっただけでなく、激励のお言葉までかけていただき、お伝えしてよかったなと思いました。 


* * *


お客様相談室のなかには、新商品の発売時や終売の際に、情報を整理してメンバーに伝える「ナレッジ担当者」がいます。
 
私たちは、お客さまからのお問い合わせに対して「言えること」だけをメンバー間で共有するのではありません。

その裏側にある理由、開発担当者の想いや苦労なども全員で共有してこそ、お客さまに対して真摯な対応ができると考えているからです。
 
特に終売品については、お客さまが商品と過ごしてきた時間を想像しながら、お客さまのお気持ちにできる限り寄り添う心がけをしています。
 
なかには「自分が大好きだった商品は人気がなかったのかな、だから終売になってしまったのかな…」と感じるお客さまもいらっしゃいます。そんな場合は、まるで自分の好みが否定されてしまったような気持ちになってしまうかもしれません。
 
だからこそ、私たちはお問い合わせいただいた商品についてきちんと理解することが大切。そうすることで終売の理由やまだ在庫が残っている店舗のご案内、代替商品のご紹介など、そのお客さまに適切な対応をすることができるからです。
 
キリンの商品を愛してくださっているお客さまにとって、その商品がどんな存在だったのか。その想いに寄り添っていきたいと思っています。

【スタッフ紹介 vol.13】お客様相談室 酒類チーム お客様対応用ナレッジ担当 S

お客様相談室スタッフの似顔絵

お客様相談室は、チーム一丸となって、日々のお客さまの声と向き合っています。そんなお客様相談室スタッフに、お客さまとの対話で大切にしていることや、記憶に残っているお客さまとのやりとりについて語ってもらいました。

お客様相談室 S
2008年にお客様相談室に配属。お客様対応歴12年、ナレッジ担当兼講師として4年目のベテランスタッフ。お客様相談室の価値向上に力を注いでいる。 

ー記憶に残っているお客さまとのやりとりはありますか?

お客様相談室S:プリン体が気になる方に向けた発泡酒『淡麗W(ダブル)』に代わり、2014年に発売した『淡麗プラチナダブル』についてのお客さまとのやりとりです。 

当時は「泡立ちや泡保ちが物足りない」との声が多数寄せられたのですが、ご意見として拝聴することしかできず、なんともやるせない気持ちで対応をしていました。

でも、お客さまは事実のみを伝えたからといってきっと満足してくださらないはずです。「こちらからもほかに何かお伝えできることはないだろうか」と悩んだ末、上司と一緒にマーケティング部門へ相談に行くことにしました。

そこでお客さまへのご説明内容を一緒に検討していくなかで、最終的には「泡保ちがよくない理由は、糖質ゼロとプリン体ゼロを同時に実現するために、泡をつくる成分が若干少ないこと」「この改善にはすでに着手済みであることをお客さまにお伝えする」という2点をお客さまにお伝えしていくことになりました。 

そして、早速その機会が巡ってきたのです。

お客さまが今回のリニューアルにどれだけ落胆したかを切々とお話しくださっている間も「早くお伝えしたい!」という気持ちがこみ上げますが、ぐっと我慢。そして、「お客さま…」と呼びかけ、上記の2点をお伝えしたあとに「すでに改善に着手していますので、どうか今少しご辛抱いただけないでしょうか」とお客さまに我慢を強いる言葉をかけてしまったのです。

自分でも驚いてしまったのですが、お客さまから返ってきた言葉は「そっか、分かったよ」。そのあと「じゃあ待つしかないんだね」と、和やかな声色で言葉をかけてくださいました。

社内の人たちの力を借りて、さまざまな部署の人の想いを受け取ることができ、その想いをお客さまにしっかり届けられたこと、キリンの想いがお客さまに伝わったことで、お客さまの気持ちがほどけたこと。この経験は、のちの自分の仕事観にも大きな影響を与えるできごとになりました。

―お客さま対応をするうえでの心がけ、大切にしていることについて教えてください。

お客様相談室S:お客様相談室では、「お客さまの疑問解消やお気持ちをしっかりと受けとめて社内に届ける」だけではなく、「せっかくいただいたお客さまとのつながりを機会ととらえて、キリンの想いを“ヒト感”をもってお客さまに伝えること」も大切にしています。

だからこそ大切にしているのは、「自分の言葉で話すこと」。

伝えた内容がお客さまのなかで「文字」ではなく「景色」として伝わるような対応ができたらいいなと思いながら、書いてあることをただ読むのではなく、心を受けとめ、心を届けることを意識してきました。

現在は社外の方の前でお話をする機会が多い業務についていますが、同じ気持ちで取り組んでいます。

話したいことやその順番などをストーリーで伝わるように整える作業は欠かせません。そうして書いた原稿を、今度は実際に声に出して読んでみると、思っていたのと違っていたり……。こういったことを何度も繰り返して当日に臨んでいます。

「むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく・・(後略)」という井上ひさしさんの言葉を心の中で唱え、深呼吸してから話し始めるのが、私のルーティンです。 

―Sさんにとっての「いい時間」とは?

お客様相談室S:朝ごはんの時間です。しっかりたくさん作って、時間をかけてゆっくり食べることを意識しています。 

そうすると、一日のリズムが整い、日々の暮らしにも豊かさを感じることができるように思います。

朝食の準備は前日の夜。献立を考えたり、盛り付けのイメージを膨らませたりするのも楽しいひとときです。この生活になったことで、朝起きるのが楽しみになりました。

こんにちは。お客様相談室です。」では、お客様相談室に届いたお客さまとの心温まるエピソードをご紹介します。
 
ほっこりするエピソードやお客様相談室の裏側など、お客さまとキリンお客様相談室とのつながりを感じていただければうれしいです。

次回もお楽しみに。 

▼お客さまから届くお声・よくある質問はこちら

文:山越 栞
イラスト:aya.m
編集:RIDE inc.