「これ、いいよ!」と誰かに薦めたくなる情報を届けたい。キリンビール公式SNSのこれからの発信
企業のSNSはどう運用していくべきなんだろう。毎日のように新しいテクニックがニュースやSNSで披露されては私たちの目に飛び込んできます。
「潮流」という前置きから繰り広げられる「今にフォーカスを当てた手法」はとてもカラフルで、それらは目に見える数値を眼前につきつけながら私たちを魅了します。そしてその多くは、より「スキ」と言ってもらえそうな予感に満ちています。
それでも…そもそも私たちがSNSを通じて伝えていきたいことってなんだったのだろう?ひいてはSNSという場でどんな風にお客さまとつながっていたいのだろう?ここ1年くらいはずっとそんな悩みを抱えながら発信を続けてきました。
既にお気づきになっている方もいらっしゃるかもしれませんが、キリンビールの公式Instagramアカウントでは、今年に入ってから少しずつ投稿内容を変えています。
なぜ変えることにしたのか。企業SNSを通じて何を伝え、どうつながっていきたいのか。今回はキリンビール公式SNS担当の山﨑から、これから私たちがSNSを通じて発信していきたいこと、変えていきたいことについてお届けします。
また、今回お伝えする内容は必ずしも「正しい手法」だとは思っておりません。おそらく私たち自身、これからも悩み続け変わり続けるのだと思います。ただ、もしかしたら今私たちがとった選択は、お客様とゆるやかに長く「つづく関係づくり」のひとつなのかもしれない、そんな風にも思っています。
それでは、山﨑さんお願いします。
こんにちは。キリンビール公式SNSを担当している山﨑です。
気づけば本格的にキリンビールのFacebook、Twitter、Instagramを担当するようになり、4年目になろうとしています(産休育休のため1年お休みしていました)。
お客様のSNSの楽しみ方、向き合い方が日々変わる中で、企業アカウントとしてどうあるべきか?4年経った今も常に悩みながら運用をしています。
私が担当をはじめた2016年頃。企業公式アカウントの運用担当者は「中の人」と呼ばれるようになり、担当者はその個性をいかんなく発揮し、時にはその企業と関係のない個人的な趣味や食事の話を面白おかしくツイートするなど、まるで友達のようなツイートを重ねることでお客様からの共感を得て、企業とお客様の距離を縮めるための工夫をしながらコミュニケーションを行っていました。
また、一方で公式SNSの社内評価は「広告塔として、どれだけのRTやいいねがついたか」という、いわゆる“バズったのか”という点ばかりでした。おそらく、今もほとんどの企業公式アカウントの社内評価はRT数やいいね数ではないでしょうか。
目まぐるしく流れるタイムラインの中で、企業アカウントの投稿にRTやいいねをしてもらえるよう、トレンドワードやモーメントに合わせた投稿を作成したり、クリエイターさんとコラボしたコンテンツなど、さまざまなアプローチをしてきました(特にエイプリルフールは悩みの種でした…)。
企業の公式アカウントがSNSというお客様の場所にお邪魔するのですから、その中で突然ビールやチューハイの広告をドーンと出すのは、ともすればお客さまにとっては「うるさいな」と思われてしまうのでは?という不安が常にありました。
なので当時は、お客様が企業の出す情報に少しでも興味を持ってくれるよう、人間味溢れる情報発信やトレンドやモーメントに合わせた投稿が企業公式アカウントとお客様をつなぐ橋になると私も考えていました。
そんな中、ある商品開発担当と話すことがありました。パッケージの中に込められたこだわり、お客様へ伝えたいメッセージ、満足いく味覚づくりにどんな工夫や手間をかけてきたか。一生懸命に、そして楽しそうに話す開発担当の顔を見て、私はキリンビールのお酒が大好きなファンのみなさんに対して、誠実に情報をお届けできているのだろうか?と改めて考えるようになりました。
私たちが取り扱う多くの商品は大量消費・大量生産のマスプロダクト。全国のコンビニやスーパーや料飲店で並ぶ私たちの商品はどうしても機械的で無機質に映りがちです。でも、本当はどの商品も、「お客様によろこんでいただけるように」「安心して、おいしいと言ってもらえるように」とたくさんの社員が思いを込めて、お客様の食卓まで届けているものです。
ただ、15秒のCMや中吊り広告などのポスター1枚では、このことを十分に伝えることができません。そうなのであれば、TwitterやInstagram、そして今読んでくださっているnoteのような企業公式のSNSこそ、丁寧に、そして素直に、商品に込めたつくり手のこだわりや想いを伝えることができるのではないか、そう思い至りました。
ファンの方がよりキリンの商品を好きになったり、自信をもって友人知人に「これ、いいよ!」と紹介できるような場にしていきたい、私たちはSNSという場をそんな風に再定義することにしました。
そうして始めたのがこちらの投稿です。
とはいえ、まだスタートしたばかりの取り組みです。特に、キャンペーンのツイートが多く入るTwitterでは、どんなカタチでの発信がいいのか、試行錯誤の真っただ中にいます。それでも、少しずつ嬉しい声が集まってきています。そして、その声はたしかに私たちに届き、力になっています。
これからのキリンビールのSNSは、「この間飲んだコレ、おいしかったよ!」「こんな料理と合うんだって」と、友達や家族のちいさな話題の種にしてもらえるような、「乾杯のある暮らし」が楽しみになるコンテンツを今まで以上に、丁寧に、素直にお届けしていきます。
キリンビール公式SNSを引き続きお楽しみください。
▼キリンビール公式Instagram
▼キリンビール公式Twitter
最後に少し告知させてください。
Instagramではみなさまの「 #乾杯のある暮らし 」をご紹介いたします。おいしい乾杯の風景をぜひ #乾杯のある暮らし のハッシュタグをつけて投稿ください。社員一同、楽しみにしております!
それでは、また次の乾杯まで。
写真:yansuKIM