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シャトー・メルシャンがイギリスで選ばれている3つの理由【フランスは今日もワイン日和】

メルシャン欧州事務所に赴任中の弊社社員、春日井 琢記より、パリでの生活や仕事を通じて感じた「ワインの楽しみ方」についてお伝えしていく連載企画。

第5回は、日本ワイン「シャトー・メルシャン」がヨーロッパで行っている活動についてお届けします。

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フランスは、3月29日よりサマータイムに突入しました。夜9時ごろまで外は明るく、気持ちいい季節がやってまいります。現在はコロナの影響で外食が制限されていますが、仕事後には多くの人がカフェやレストランのテラスでワインを飲みながら談笑している光景が見られる時期です。

例年であれば、ソムリエやワインショップ関係者向けに行うセミナーイベントも活況を呈している時期でもありますが、今年は多くのイベントが中止になってしまいました。

今回は、昨年イギリスで開催された、現地インポーター主催のイベントの様子をお届けするとともに、シャトー・メルシャンのヨーロッパにおけるグローバル展開の活動の取り組みを紹介します。


「日本を世界の銘醸地に」シャトー・メルシャンの海外展開

シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー

シャトー・メルシャンは山梨県、長野県に3つのワイナリーを構え、それぞれのワイナリーで、日本で収穫されたブドウを100%使用して日本ワインを造っています。

2019年には長野県上田市に「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」をオープンし、昨年は『ワールド・ベスト・ヴィンヤード2020』で世界第30位&ベストアジアを獲得するなど世界で高い評価を受けています。

以前に椀子ワイナリー長とチーフ・ブランドマネージャーが対談をしていますので下記からご覧ください。

そんな私たちには「日本を世界の銘醸地に」という強い想いがあります。
日本のみなさんに、日本ワインのおいしさを知って飲んでもらうこと。

そして同時に、世界に対しても日本ワインの品質の高さを知ってもらい、日本がワインの銘醸地として認められること。この想いから、シャトー・メルシャンは、イギリスにも2019年より本格的に輸出を開始しています。

そして、フランス駐在の私の仕事のミッションの一つは、シャトー・メルシャンの魅力をイギリスの人たちに伝えることでもあります。

シャトー・メルシャンがイギリスで人気の理由

メルシャンがイギリスで開催した展示会の様子

メルシャンの魅力を伝える場所として、展示会があります。昨年の2月には、ロンドン・マンチェンスターで、現地のインポーターが主催する展示会が開催されました。

会場では、ヨーロッパを中心に多くの国のワイナリーが出展。私にとっては、海外で初めての展示会でした。果たして、日本ワイン、そしてシャトー・メルシャンに対しての評価、認知度は、どれほどのものなのか?
不安と期待がありましたが、開始するとあっという間にブースには、多くのソムリエやレストラン関係者がいらっしゃいました。

イギリスの展示会で出展したメルシャンワイン

この日出展した、『山梨甲州』、『岩崎甲州』、『笛吹甲州グリ・ド・グリ』、『北信左岸シャルドネ リヴァリス』を説明しながら、テイスティングをして頂きました。

すでに、シャトー・メルシャンを知っている方から「甲州」という品種を初めて知る方まで、お越しいただいた方はさまざまでしたが、一様に日本ワインのクオリティの高さに驚かれていました。イギリス市場でシャトー・メルシャンが認めてもらえたという確かな手ごたえを得ることができました。

イギリスにおいて甲州ワインの立ち位置はプレミアムワインに近く、現在は、ワインバー、モダンフレンチ、アジア系、5星ホテルなどといった幅広い業態でシャトー・メルシャンをお取り扱い頂いています。

ワイン業界の方は、日本ワインについて知っている方が増えてきていますが、一般のお客さまのなかでは、まだまだ浸透していない部分もあります。お店で提供するとまずは、日本でワインを造っていることに対して驚かれ飲んだあとには、日本らしい繊細さと上品さに高い満足感を得ていると聞いています。

ワインインポーターのマーケティング責任者

インポーターのマーケティング責任者に、なぜこれほどシャトー・メルシャンが受け入れられているのかを聞いたところ、3つの要素を話してくれました。

「イギリスの人は、常に新しいスタイルのワインや品種を飲んでみたいと思っており、そのなかでイギリスで著名な雑誌やコンクールでも高い評価を受けている『シャトー・メルシャン』は、特に興味がある」

「近年の傾向として、お手頃なワインを数本買って楽しむのではなく、1本でいいからその分品質高いワインを買う」

「健康に高い関心を持っている方々も増えているため、他のワインと比較してアルコール度数が低い甲州ワインを選ぶ」

といったことを教えてくれました。

海外における展示会の役割

ワイン展示会後の交流会の様子
展示会後の交流会の様子

ここで、海外ならではの展示会のスタイルを簡単にお伝えします。
海外の展示会によくある傾向ですが、展示会は「業界の社交場」としての役割があります。なので、来場者はかなりの時間をかけてテイスティングを行い、生産者・インポーター・飲食店の方々同士で、じっくりと情報交換をしています。

私が行った展示会では、開催前日にインポーターが生産者をディナーに招待してくださったのです。各々がワインを持ちより親睦を深めることができました。また、展示会終了後も近くのバーでプチ打ち上げが開催され、そこでも生産者同士で情報交換などを行いました。

ワインのウェビナーの様子

現在は、展示会やリアルの場でのセミナーが中止となっているため、欧州でもウェビナーが頻繁に開催されています。先日は、UKに拠点を置くマスター・オブ・ソムリエによる「Wine of Japan Tasting」がオンラインで開催されたため、私も参加して参りました。

このセミナーでは、ワイン雑誌のライターや大手流通のワインバイヤーに『北信左岸シャルドネ リヴァリス2018』と『椀子シラー2017』をテイスティングして頂きました。

「口当たりがなめらかでストラクチャーがしっかりとしている。このようなシャルドネが日本で造ることができるのか!」といったコメントや、「白コショウの香りが特徴的で、オーストラリアやローヌ地方のワインと違ったスタイルのエレガントなワインだね!」といったように、非常に高い評価を得ることができました。

『山梨甲州』だけでなく、このようにシャルドネやシラーといった国際品種も彼らの心を掴むことができ、うれしく思います。

メルシャンの『山梨甲州』

残念ながら私自身はまだ、イギリスには一度しか足を運ぶことができていませんが、現地に行くことができるようになりましたら、イギリスから日本ワインに対する生の声をお伝えし続けていきたいと思います。お楽しみに。

▼本日ご紹介したシャトー・メルシャンは下記サイトからご購入できます。