卵と醤油だけでつくる、ふわっと軽い「鶏のから揚げ」【今夜のラガーのおとも。#3】
発売から130年、多くの人に愛されてきた「キリンラガービール」。このビールをよりおいしく愉しむために、料理研究家の瀬尾 幸子さんと"最良のおとも"を考えていく連載企画。
思わずのどが鳴り今夜にでもつくりたくなる、それでいてシンプルで家庭的な"普段着のおつまみ"を、瀬尾さんならではの視点からご紹介します。
第三弾は、卵と醤油だけで下味をつけるシンプルな「鶏のから揚げ」!
家飲みにちょうどいい、手をかけすぎない料理
家飲みにおけるおつまみは、一日、二日と間隔を空けてまた食べたくなるような料理が向いています。「いつまでも舌に味が残らない」「おいしすぎない」そんな料理です。
家のごはんは食べてほっとしたり休むことが目的なので、手をかけすぎない普段着のやさしい味わいであるべき。お店とはシチュエーションが違いますから、同じビールのおつまみでも、すっと舌の上から消えるように、いつまでも味の余韻を引きずらない方がいい。つまりは家庭的な味わいです。
今回ご紹介するラガーのおともも、肩の力が抜けてほっとできる味。これ以上ないところまでシンプルに仕上げた「鶏のから揚げ」です。
余計なものをいっさい省いた瀬尾家定番の味
人が集まる家飲みには、一度にたくさんつくることができる揚げものがぴったり。今回はみんなが大好きな鶏のから揚げを、とことんシンプルで簡単につくります。
下味は醤油と卵だけ。瀬尾家の定番の味です。素材が活きるこのつくり方さえ覚えてしまえば、アレンジは後からいくらでもできますよ。
まずは、醤油と生卵を溶いて鶏肉にもみ込みます。あとは小麦粉をまぶして揚げるだけ。お酒も、ニンニクも、ショウガも加えません。
味や香りをプラスするものが何ひとつ入っていない。こう聞くとみんな食べてみるまでは半信半疑。それでも、ひとたび口にすればビックリ。シンプルな味付けでも後引くおいしさなんです。もちろん、ラガーとの相性も申し分ありません。
衣の小麦粉は薄めに。そうすると油をあまり吸収せず、揚げものなのにさっぱり軽い仕上がりになります。油で胃がもたれてしまっては、せっかくの食卓を愉しめませんからね。
また、よく言われているように、衣に片栗粉を入れるとカリッと仕上がりますが、実はそのつくり方は上級者向け。片栗粉は小麦粉よりも粒子が粗く、揚げている間に衣が剥がれやすいので、簡単ではないんです。
おいしくなるコツだけを真似てみても、なかなか上手くはいかないもの。まずは小麦粉だけで上手に揚がるようになってから、片栗粉や米粉を足して自分好みの仕上がりを見つければいい。とにかくシンプルから始めてみましょう。
揚げているうちに鶏肉が浮いてきたら取り出すタイミング。時間で計るよりも、この浮くというサインを覚えておきましょう。中まで火が通った合図です。
私のから揚げは、二度揚げの必要もありません。二度揚げすれば表面はカリッとしますが、そのぶん肉の水分が飛んでしまい、パサパサの食感に。ごはんのおかずにも、ビールのおつまみとしても、やっぱりジューシーなから揚げが一番ですから。
冷めてもおいしいから揚げの秘密
シンプルなのにおいしい秘密は卵にあり。卵が皮膜となって鶏肉をコーティングしてくれるので、油で揚げたときに水分が逃げ出さずジューシーな仕上がりになります。コーティングのおかげで時間が経っても乾かずジューシーなまま、いつまでもおいしい!
ニンニクや豆板醤など香りが強く味の濃いものは、いつまでも舌に味が残ります。その点、このシンプルなから揚げはすーっと引いていく感じ。食卓を囲んでラガーで乾杯する、そんなほっとするひとときにぴったりな、ふわっと軽い揚げものです。
このままでも十分おいしくいただけますが、最後に私のオススメの食べ方のご紹介!衣がびしょびしょになるほどレモンを搾って食べてみて。酸っぱすぎず、さっぱりしていくらでもいけますよ。
鶏のから揚げ
甘酢ソースでエスニック風アレンジも!
ちょっとスパイシーなアクセントが欲しいときには、エスニック風のアレンジはいかがでしょうか?汗ばむような陽気の日にオススメです。
鶏もも肉2枚分のから揚げに対し、玉ねぎ1/4個を薄切りにして小さじ1/4の塩で揉み、砂糖大さじ1.5、酢大さじ3、それに赤唐辛子を加えた甘酢をつくります。から揚げの上にたっぷりかけて、パクチーをどっかと盛ればできあがり。小気味良いスパイシーさに、思わずラガーが進みます。
シンプルなつくり方さえ覚えておけば、このように好きに味を足していくことができる「鶏のから揚げ」。その日の気分や食卓に並ぶメニューに合わせて、ラガーと一緒に愉しんでみてくださいね。
※こちらの記事はキリンのオンラインショップ「DRINX」からの転載記事です。
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