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感謝の気持ちを力に変えて、新設「クラフトビール推進プロジェクト」で目指すもの【#わたしとキリンvol.13 寺田冴】

キリングループでは、「よろこびがつなぐ世界へ」というコーポレートスローガンを掲げています。そのために社員が大切にしているのが、「熱意、誠意、多様性」という3つの価値観。

これらをベースに、各自が大切にしている第4の価値観をミックスすることで、社内では新たな取り組みがたくさん生まれてきました。

そんな社員たちの取り組みから、多様な働き方を考えていく企画が「#わたしとキリン 〜第4の価値観〜」です。

第13回に登場してもらうのは、今年4月に新設された「クラフトビール推進プロジェクト」に配属となった寺田 冴(てらだ さえ)。営業部門での経験を活かしながら、クラフトビール市場の拡大を目指しています。

尊敬する先輩から、常に相手の立場になって物事を考える大切さを教わったという寺田。彼女が大切にする第4の価値観には、信頼で結ばれたチームだからこそ味わえる仕事のよろこびがありました。

キリンの寺田

【プロフィール】寺田 冴(てらだ さえ)
2014年にキリンビール株式会社入社。取手工場での研修などを経て、2015年から首都圏で量販営業を担当。2018年から営業サポートに従事。現在は、今年の4月に新設されたキリンクラフトビール推進プロジェクトのメンバー。


キリンの入社きっかけは、大学時代のヨット部マネージャー経験

キリンの寺田

―はじめに、寺田さんがキリンに入社しようと思ったきっかけを教えてください。

寺田:きっかけは、大学時代に所属していたヨット部のマネージャー経験にあるんです。

毎週末に合宿があり、そこで朝昼晩の食事作りをするのがマネージャーの仕事の一つでした。全員が本気で日本一を目指していたので、練習中はピリピリする場面もたくさんありました。

だけど、私たちが食堂でご飯を作っていると、練習を終えた選手たちが「いい匂いするね!」と覗きに来たり、「朝ごはんおいしかった!」と声をかけてくれたりして。

そんな風に、食を通じて生まれる会話や笑顔を見ている時間が、私は大好きだったんです。

この経験を通じて、「食の時間に彩りを与えられるような、そこに貢献できるような仕事ってすごく素敵だな」と思い、食品業界を中心に就職活動を始めました。

大学時代のヨット部
大学時代に所属していたヨット部の写真

―そのなかでキリンに惹かれたのは、なぜだったんですか?

寺田:就活当時、キリンは、二層に分かれたビアカクテル『一番搾り ツートン<生>』や、凍った泡を乗せたビール『一番搾りフローズン<生>』を提案していました。

ビールに対する既存のイメージを壊して、新しいことに挑戦する姿勢が、チームを強くするためにトライしてきたヨット部と重なって、キリンって良いなと思うようになったんです。

キリンの面接では、就活でよく聞かれるような定型の質問ではなく、今まで歩んできた人生や思いを深く聞いてくれて、私自身のことを知ろうとしてくれているのを感じました。

キリンに入社できなかったとしても、この先ずっと好きであり続ける会社だなと思ったのを覚えています。

尊敬する先輩の異動が、仕事に向き合う姿勢の大きな変化に

キリンの寺田

―入社後は、どこの部署に配属されたのですか?

寺田:入社後は、キリンビール取手工場で研修をして、そのあとに首都圏でスーパーやドラックストアなどの量販店営業を担当しました。

―営業の仕事をしてみていかがでしたか?

寺田:はじめは、営業経験のない自分が、お得意先から担当者として認めてもらえるか不安でした。でも、ペアで一緒にお得意先を回っていた先輩が、すごく素敵な方だったんです。

その先輩は事あるごとに「寺田さんはどう思う?」と聞いてくれる方で、新入社員である私の意思や考えを引き出してくれて、対等な一人の担当者として接してくださいました。

―単に答えを与えてくれる人ではなく、自分で考えることの大切さを教えてくれる先輩だったんですね。

寺田:そうですね。私の基礎をつくってくれた方なので、自分にとってはキリンの中の父だと思っています。

キリンの寺田

寺田:また、その先輩からは「とにかくお得意先のことを考えなさい」とよく言われていました。

営業の仕事は自社の商品を売ることが第一の目標ですが、客観的な立場でお得意先のことを考えると、どうすればお店の売上に貢献できるかという視点が必要です。

その先輩は、お酒売り場全体を見て、そこに来るお客さまによろこんでいただくためには何ができるかを常に考えて営業活動をしていた方なので、お得意先からの信頼がとても厚くて。そういう姿勢から、常にお客さまの立場で考えることの大切さを学びました。

―それはなかなかできることではないですよね。

寺田:本当に尊敬している先輩だったので、その先輩の異動は私にとってのターニングポイントになりました。

今までは、先輩から考えるきっかけや時間を与えていただきましたが、これからは自分で考えて動かなくてはいけない。そう思ったときに、「お得意先にもっと貢献したい」「これまで先輩たちが築き上げてきてくれた信頼を崩すわけにはいかない」という気持ちが強く芽生えて、仕事に向き合う姿勢が変わり、お得意先からは「冴ちゃん、なんか変わったね!」と声をかけてもらえるようになりました。

それは今まで働いてきたなかで、一番うれしい出来事でしたね。

キリンの寺田

―営業の仕事は何年くらい担当していたんですか?

寺田:3年半担当し、そのあとは営業サポートの業務を担当しました。営業サポートは、お得意先からいただいた販売データを分析して、どうすれば課題が解決できるかを考える役割です。

営業では、自分の働きが数字に出ることにやりがいを感じていましたが、営業サポートでは、営業メンバーからの「分析データありがとう」「とても助かったよ」「いい成果が得られた」という報告を受けることが、やりがいになっていました。

―その役割は、先ほどのお話にあったマネージャー経験と重なりますね。

寺田:そうですね。営業時代は、自分が選手のように最前線でやっていくことが楽しかったんですけど、それを支える営業サポートの仕事も自分には合っていて、楽しかったです。

営業から、今年4月に発足した社長直下で進められる「クラフトビール推進プロジェクト」へ

キリンの寺田

―今年の4月に発足したばかりの「クラフトビール推進プロジェクト」に異動されたそうですね。まずは、「クラフトビール推進プロジェクト」について教えてください。

寺田: もともとキリンには、クラフトビールが社会に広く認知されて、より身近な存在として楽しんでいただけるようなカテゴリーにしていきたいという想いがあります。

ただ、クラフトビールの市場規模を大きくするには、今までの取り組みだけでは難しいというのもわかってきました。活動のスピード感や質、量もまだまだ上げていく必要があります。

そのために全社一丸となったプロジェクトにしようと発足したのが、「クラフトビール推進プロジェクト」です。組織としては社長直下の位置付けで、私を含めた若手社員4人が専任スタッフとして所属しています。

スプリングバレー

―「クラフトビール推進プロジェクト」としては、クラフトビールをどのようなものとして捉えているのでしょうか?

寺田:私たちとしては、「おいしさにこだわった、造り手の感性と創造性が楽しめるビール」と定義しています。

キリンがクラフトビールとして扱っている商品としては、『SPRING VALLEY 豊潤<496>』をはじめとした『SPRING VALLEY』ブランドの商品が中心です。

ただ、先ほどもお話したように、プロダクト単位ではクラフトビール市場の活性化は難しいので、カテゴリー全体で捉えるようにしています。

例えば、自社以外のブルワリーさんのクラフトビールも飲むことができる、キリンが開発したクラフトビール専用のビールサーバー「Tap Marché(タップ・マルシェ)」を通じて、より多くのお客さまがさまざまな種類のクラフトビールに触れられる機会を作っています。

特定の商品ではなく、カテゴリーとしてクラフトビールがおもしろいと思っていただけるようにしていくことが、私たちの仕事です。

キリンの寺田

―「クラフトビール推進プロジェクト」では、具体的にどんな業務をされているんでしょうか?

寺田:業務としては、主に二つのことを担当しています。

一つは、社内向けの取り組みで、従業員のみなさんのクラフトビールに関する専門性を向上させる仕事です。具体的には、社内セミナーの実施やクラフトビールに関する情報発信、新入社員の研修にも携わっています。また、社内連携という観点では事業創造部や営業部をはじめとする各部署と、お客さま理解や施策の検討を協同で進めています。

もう一つは、社外向けの取り組みですね。お客さまの購入接点であるスーパーやドラッグストアなどの量販店で、どうしたらクラフトビールを手に取っていただけるかを考えて提案しています。

お客さまから「クラフトビールは敷居が高い」「種類が多くて、何を選んだらいいかわからない」といったお声をいただくことが多いんですよね。そういう現状を乗り越えて、お客さまにクラフトビールの魅力や楽しみ方を伝えていくのも、私たちの仕事の一つです。

クラフトビール推進プロジェクトのメンバー
クラフトビール推進プロジェクトのメンバーと。

―「クラフトビール推進プロジェクト」への異動を伝えられたときには、どんな気持ちでしたか?

寺田:とてもワクワクしました。もちろん、成果を出さなければいけないというプレッシャーもありましたが、「どんな世界が待っているんだろう」「どんなことができるんだろう」という期待感のほうが大きかったです。

キリンの寺田

―今までの営業の仕事とはまた違った内容かと思いますが、苦労はありますか?

寺田:やはり、発足したばかりのプロジェクトなので、0から1を生み出していくような仕事が多く、大変ですね。ただ、これまでの経験を活かせることも多いです。

お客さまにクラフトビールを届けていくためには、実際に商品を取り扱っていただく量販店さまや料飲店さまの理解と共感がなくてはなりません。

そこは、今まで自分が学んできた仕事なので、お得意先に期待感をもっていただけるような提案をしていこうと思います。

第4の価値観「感謝」を大切に、成果で恩返しをしていきたい

キリンの寺田

―『わたしとキリン』という企画では、キリンが掲げている3つの価値観(熱意、誠意、多様性)に加えて、社員の方それぞれが大切にしている第4の価値観について伺っています。寺田さんが仕事をするうえで大切にされている、第4の価値観を教えてください。

寺田:私の第4の価値観は、「感謝」です。自分が今、新設の社内プロジェクトを任せられているのは、営業や営業サポートの仕事を通じて、社内外を問わず、多くの方々に育てていただいたおかげです。

家族や友人と仕事の話をしていても、「あなたは本当に人に恵まれているね」と言われますし、自分自身もそう感じています。なので、周りの方々に支えられて、ここまでこれたことに心から感謝しています。

本当に基礎的なことですが、感謝を言葉にして伝えることは、仕事を進めていくうえでも、信頼関係を築いていくうえでも大切ですよね。

「クラフトビール推進プロジェクト」で成果を出すことが、これまで関わってきた方々への恩返しにもなると思うので、これからも感謝の気持ちを忘れずに頑張ります。

キリンの寺田

―「感謝」という価値観を大切にしながら、今後はどういう仕事をしていきたいですか?

寺田:「クラフトビール推進プロジェクト」に異動してからあらためて、クラフトビールのおいしさや、おもしろさを感じています。バリエーションが豊富で、私自身もお酒の楽しみ方が広がりました。

そんな体験を少しでも多くの方にしていただいて、クラフトビールがお客さまの日常に溶け込み、幸せな食卓の風景が増え、市場が育っていくことが、私たちの目指すところです。

同じチームの仲間と何年後かに振り返ったとき、「自分たちの取り組みがあったから、こんな世界が広がっているんだ」と思えるように頑張ります。

私がキリンに惹かれた「既存のお酒の在り方に囚われない姿勢」で挑戦していこうと思います。

文:阿部光平
写真:土田凌
『豊潤』写真:三村健二
編集:RIDE inc.


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