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父の引き出しから2つの王冠が出てきました。お客様相談室に届いた一通のメール【こんにちは。お客様相談室です。】

亡くなったお父さまの引き出しから出てきたという赤い王冠。
そこにはレトロな文字で「キリンビール」と書かれています。

今回はキリンのびんビールが好きだったというお父さまが大切に保管されていた「王冠」にまつわるエピソードをお届け。

連載「こんにちは。お客様相談室です。」は、実際にいただいたお客さまからのお問い合わせと担当スタッフのやりとりを紹介する企画です。


お父さまの引き出しから出てきた二つの王冠

引き出しに眠る王冠

ある日、お客様相談室に一通のメールが届きました。

キリンのびんビール党だった亡き父の引き出しに、王冠が2つ入っていました。製造年代をお調べいただくことは可能ですか?

実際の王冠
お客さまから実際にお送りいただいた王冠のお写真


現在販売されているびんビール『キリン一番搾り』『キリンラガービール』の王冠と比較すると、歴史を感じるレトロなデザインです。

現行品の王冠
現在販売されているびんビールの王冠

キリンのお客様相談室では、このように過去に販売していた商品にまつわる「これって何かわかりますか?」といった趣旨のお問い合わせが寄せられることもあります。

件数としてはそう多くはないのですが、受け取ったときはお客さまと一緒に「謎解き」をするような気持ちになり、内心ではワクワクしています。

今回のお問い合わせは、本来飲み終わった後は処分してしまうはずのびんビールの王冠を、大事に引き出しに入れてとっておいてくださったということで、亡きお父さまのあたたかいお人柄を感じ、なんとしてもお力になりたいと思いました。

そこで、真相を突き止めるべく、すぐにアーカイブ室に相談をしました。

お客様相談室の頼れる味方。貴重な資料が眠る「キリンアーカイブ室」

アーカイブ室の記事サムネイル

アーカイブ室とは、これまでキリンが発売してきた商品やパッケージ、ポスターなどの制作物まで、ありとあらゆる情報を資料として大切に保管している場所です。

収蔵庫には、明治初期の広告ポスターや、昭和初期に販売されていたキリンビールの大びんなどの実物が当時のままの状態で保管されています。人気商品の歴代パッケージやCMを観ることもできるので、商品のマーケティング担当がリサーチのために足を運ぶこともあるんです。

▼アーカイブ室に関する記事はこちら

私たちも過去商品に関するお問い合わせで、お客様相談室内で解決できない場合、いつもこのアーカイブ室の力を借りることになります。

所有している情報量、商品に関する知識も豊富で、1を尋ねると10返してくれるような、親切な対応にいつも大変助けられています。

おかげで今回お問い合わせいただいたびんビールの王冠の正体はすぐに判明。アーカイブ室のメンバーに教えてもらった内容を踏まえ、お客さまにこのようなご返信をさせていただきました。

早速ですが、社内関係部署で画像を確認いたしました。
お手元の王冠は、デザインと裏側の素材などから、1999年に実施した「復刻ラガープレゼントキャンペーン」の王冠栓ではないかと思われます。

この時の復刻ラガーは6つの時代のラガーの味を復刻していて、王冠栓も時代の雰囲気に合わせてつくられていました。

「明治」「大正」「昭和初期」「昭和18年以降」「昭和24年以降」「昭和32〜43年」の6種類が入っているもので、弊社の保管品で確認したところ、

「明治」「大正」「昭和初期」 →お送りいただいた表面写真の右側
「昭和24年以降」「昭和32〜43年」 →お送りいただいた表面写真の左側
と同じデザインでした。

復刻されたキリンラガービールのパッケージ

このキャンペーンは111万名様へプレゼントというものでしたが、当時のラガーファンのお客さまからの反響がとても大きく、1400万口以上の応募数があったとの情報もございました。お父さまは、もしかするとこのキャンペーンを引き当てた幸運な方だったのかもしれません。

◎◎さまからご連絡をいただいたことで、お父さまのラガービールへの想いをうかがえたようで、胸がいっぱいになりました。 以上のご案内で、◎◎さまのお役に立てれば幸いです。

実は、お客さまにお送りした「お父さまは、もしかするとこのキャンペーンを引き当てた幸運な方だったのかもしれません」というフレーズは、私がアーカイブ室から調査結果の報告を受けた際に受け取った言葉です。

直接やりとりをする私たちだけでなく、アーカイブ室のメンバーも一緒になってお客さまと真摯に向き合ってくれているのだなとうれしくなり、そのまま使わせてもらうことにしたのです。


家族を想う瞬間に、キリン商品が寄り添えるしあわせ

家族で食卓を囲む

王冠の正体についてお伝えすると、お客さまからお礼のお返事が届きました。

迅速にご対応いただきましてありがとうございます!お返事に大変感激しております!父自身が当選したのか、頂き物かもしれませんね。

父が亡くなり10年以上経った今になって、実家で見つけ、思いきってお尋ねした次第です。

ご自身も歳を重ねたことで、亡くなられたお父さまへ想いを馳せる機会が増えたというお客さま。その後もいくつかやりとりが続き、このお客さまからいただいた最後のお返事は、このように結ばれていました。

皆様には大変感謝しております。お忙しい中、お時間を割いていただきまして本当にありがとうございました。これからも素晴らしい商品を生み出して下さい。

気が引き締まると同時に、「家族を想う瞬間」にキリンの商品があることをうれしく、誇らしく感じたエピソードでした。

年末年始は、普段遠く離れている家族や地元の仲間たちと集う時間も多いことでしょう。そんな大切な時間にキリン商品が寄り添えたなら、とてもしあわせなことだと感じます。

私も年末年始は実家に帰省するので、お気に入りのビールを買って、家族みんなで楽しもうと思っています。

【スタッフ紹介 vol.12】清涼飲料チーム フロント業務担当 H

スタッフHの似顔絵

お客様相談室は、チーム一丸となって、日々のお客さまの声と向き合っています。今回は清涼飲料のフロント業務を担当するスタッフに、お客さまとの対話で大切にしていることや、記憶に残っているやりとりについて聞きました。

お客様相談室 H
2021年春にお客様相談室に配属。清涼飲料のフロント業務を担当し、電話やメール、有人チャットでの対応を主に行っている。

ー記憶に残っているお客さまとのやりとりはありますか?

お客様相談室H:ご妊娠されているお客さまから「カフェインに気を付けているが、『午後の紅茶ミルクティー』が好きでどうしても飲んでしまう。どのくらいなら飲んでも大丈夫か教えてほしい」といった趣旨のお電話をいただいたことがありました。

そこで、まずはミルクティーの具体的なカフェイン量をお答えしたうえで、『午後の紅茶 カフェインゼロピーチティー』という商品があることを併せてご紹介させていただきました。

ご相談をうかがうなかで、そのお客さまが『生茶 カフェインゼロ』もご愛顧くださっていたことを自然とお話ししてくださり、ふと想像が膨らんだのです。

「きっと出産後の授乳期まではカフェインを控えたいのだろうな」
「お客さまがカフェインゼロのお茶を何種類か購入できたら、気分に合わせてお選びいただけるのでは?」と。

そこで、お客さまのお住まい近くで購入できる販売店をご案内して、通話を終了しました。

このやりとりは、私自身が日ごろのお客さま対応で意識していることや練習してきたスキルを「実際のご相談の場で反映させることができたかな」と思えた出来事でした。

「お役に立ちたい」という気持ちが伝わったのか、お客さまもリラックスした様子で積極的にお話ししてくださり、その結果、ご期待以上のサポートをすることができたように思います。

対応に緊張しながらも、温かい気持ちになったことを今でも覚えています。

―お客さま対応をするうえでの心がけ、大切にしていることについて教えてください。

お客様相談室H:「お客さまはどうしてご連絡をくださったのか」「何が一番知りたいのか」を想像して、しっかりヒアリングすることを心がけています。

お問い合わせいただいた内容をそのまま受け止めてお答えするよりも、ご質問の背景を想像して、私の方からも本質に近づくような質問をいくつかさせていただくことで、よりお客さまに寄り添ったご回答ができると思っています。

でも、このような心がけは、業務としてよりよい対応をしたいからではありません。お客さまのことをもっと知りたいし、知ってお役に立ちたい。そんな純粋な気持ちの方が強い気がします。

―Hさんにとっての「いい時間」とは?

お客様相談室H:趣味のスイーツ巡りをしている時間です。和菓子、洋菓子、ジャンルを問わず「あ、おいしそう!」と思ったら足を運んでいます。

流行を追いかけてカヌレにはまった時期は行く先々で買っていましたし、最近は都内に数店舗オープンしたドーナツショップに夢中です。

あと、お出かけ先で出合う「地元に根付いたお店」を訪れてみるのも楽しいですね。とある休日、朝早起きして市場の食堂で朝食を食べ、帰りにスイーツ屋さんのはしごをして、自宅でもテイクアウトしたスイーツをおやつにするという贅沢な1日を過ごしたこともありました。

次はどんなスイーツ三昧の予定を立てようかと、いまからワクワクしています。

こんにちは。お客様相談室です。」では、お客様相談室に届いたお客さまとの心温まるエピソードをご紹介します。

ほっこりするエピソードやお客様相談室の裏側など、お客さまとキリンお客様相談室とのつながりを感じていただければうれしいです。

文:山越 栞
イラスト:aya.m
編集:RIDE inc.

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