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業界のプロフェッショナルに聞く「テイクアウト衛生管理」について byナレッジ・ネットワーク様 #外食レター #これからの乾杯を支える

4月15日に公開した「#これからの乾杯を支える」は、コロナ禍の中で苦しんでいる飲食店や生産者のために立ち上がった取り組みを、なるべく多くの方に広めたいという想いから始めました。

視線を内側に向ければ、キリンの商品を取り扱っていただいている飲食店様に対面している営業がいます。新型コロナの影響でお会いすることができない中、飲食店様のために何ができるかを考えすぐに実行に移したことは、より具体的で正しい飲食店関連の情報を“毎日”届けることでした。それが『外食レター』です。

これまでたくさん届けてきた『外食レター』ですが、少しでも飲食店の方のお役に立てればと思いレターの一部を転載することにしました。

今回は「テイクアウト衛生管理」について、食品衛生管理の専門家である株式会社ナレッジ・ネットワークス代表取締役中島様にインタビューさせていただいた内容をお届けします。
※こちらの『外食レター』は5月11日に送られたものを一部改変しております。

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【プロフィール】株式会社ナレッジ・ネットワークス代表取締役 中島 浩二 様
外食専門ITと居酒屋2店舗(17年)経営して参りましたが、IT事業に専念するために、2019年9月に、外食から撤退しました。教育のためのeラーニングを専門に外食企業をサポートしています。(ご利用実績1,200店舗)

ーテイクアウト・デリバリーの注意点は?

今まで食中毒なんか出したこともない飲食店でも、テイクアウトやデリバリーを行うと食中毒をだすリスクは数倍にも増えます。店内飲食は、調理して食べるまでの時間が短いですが、テイクアウト・デリバリーは料理についた菌が時間を置くことにより増殖してしまうからです。

ー飲食店スタッフがするべきことは?

料理の前の手洗い徹底と手袋の着用です。菌は、健康な人でも人体内外に持っています。手を洗っても途中、無意識のうちに頭やどこかを触ったりするため、手袋着用が必須です。手袋をしていても体のどこかを触ったら手袋は付け替えます

また、料理する時だけではダメ。食材を準備する仕込み段階から手袋を着用して下さい。仕込み食材を手で触り、その食材が調理場で放置されると、菌は増殖し、毒素を発生させます。「加熱調理するから大丈夫」と過信するのは間違いで毒素は熱では死滅しませんから。

ーテイクアウト、デリバリーでの弁当販売の注意点は?

基本的に通常出しているメニューや食材による弁当をテイクアウト販売するのはOKです。新たに食材を仕入れて店で提供していない料理を弁当として提供する場合は保健所に相談して下さい。

ー軒先(店頭)での弁当販売は出来ますか?

原則として認められません。店頭でテーブルを出しての販売など、屋外で食品を取り扱うことは、食品衛生上の問題が起こりやすいためです。

ーテイクアウトで気を付けるべきメニューはありますか?

カレーや肉豆腐などの煮込み料理です。毎日、鍋を沸騰させていてもダメです。加熱し100℃になるとほとんどの菌は死滅しますが、ウェルシュ菌はガードを張って身を守り、毒素を産生させますから。煮物は、周りに氷を張ったり小分けしたりして急速に冷ましてください

ー他にも気を付けるべきメニューはありますか?

鶏料理も危険。流通段階でカンピロバクターに汚染されているケースが多々あります。マイナス20℃でも死滅しない菌なので、冷凍で真空パックになっていても安心できません。75℃1分で死滅する菌ですから、唐揚げは芯温を、焼鳥は肉と肉の付け根や手触りで弾力をチェックして下さい。もし、生肉部分があるとしたら、テイクアウト・デリバーで増殖時間を作るようなものですから、加熱を徹底して下さい。

ー野菜でも注意点ありますか?

実は野菜にも菌が付着しています。特に、長雨の後に収穫された野菜は要注意。雨が降ると野山の野生動物の糞尿が雨水に溶けて土壌を流れ、川などを伝い野菜の田畑に流れてきます。そして、野菜にも菌が付着してしまうからです。 仕入れた野菜は、十分に水で洗い流すことを心がけてください。

ー鮮魚の刺身をテイクアウト販売することは可能ですか?

煮付けや焼魚については、テイクアウト販売は可能です。しかし、生ものの刺身やごはんの上に刺身を乗せた海鮮丼避けた方がベターでしょう。販売する前に管轄の保健所に相談した方が良いでしょう。ちなみに、調理前の鮮魚を販売するには、魚介類販売業の許可が必要です。

ー焼く前の冷凍餃子の販売は可能ですか?

焼いた餃子であればテイクアウト販売可ですが、調理前の冷凍餃子は「食品の冷凍業又は冷蔵業」許可が必要です。

120℃4分の加熱処理がなされていないものの真空パック、ビン詰め、 自家製の缶詰などで食中毒が多く発生していますので要注意です。

■今回のインタビューのポイント

テイクアウト・デリバリーは、調理してから料理をお客様が口にするまでに時間がかかるため食中毒のリスクが高まります。特にこれから気温が高くなる季節にはより一層注意が必要ですね。

飲食店の衛生管理の3つのポイント
①菌をつけない
 手洗い徹底、調理器具の洗浄、食材を低い位置に
 置かない、まな板・包丁のポジション別使い分けと消毒
②菌を増やさない
 仕込み素材を放置せず冷蔵庫保管、期日厳守
③菌をやっつける
 調理温度の徹底(肉は芯まで火を入れる)

「外食レター」は以下マガジンにまとめています。こちらも併せてご覧ください。