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キリンビールサロン第四期を振り返って

ビールのおもしろさを知り、ビール好きな仲間と出会う場として、2019年に発足したキリンビールサロン。
2022年10月に始まった第四期も、今年の3月に最終回を迎え、その幕を閉じました。

▼『キリンビールサロン』に関する記事はこちら

第三期までメイン講師を勤めていた草野裕美から、事務局として活動してきた後藤沙耶香へと講師のバトンが渡され、新体制でスタートしたキリンビールサロン第四期。

“ビールをもっと楽しく”というテーマを掲げ、皆さまに楽しんでいただけるように寄り添いながら進めていきたいという思いで、新講師のバトンを受けとった後藤に第四期を振り返ってもらいます。

キリンビールサロンの後藤

【プロフィール】後藤 沙耶香
キリンアンドコミュニケーションズ株式会社 工場広報事業部 企画担当 キリンビールセミナー・キリンビールサロン担当。
キリンビールセミナーで、さまざまな視点からビールの楽しさを伝えている。キリンビールサロンでは、第四期より講師を担当。

2023年3月12日。
キリンビールサロン第四期の全5回のすべての講義が終わり、その場の片づけをしているなかでも、「また来月のサロンに向けて準備をしなきゃ」という感覚があるほど、終わったという実感が沸きませんでした。

キリンビールサロンは、“これからのビールを考える”をコンセプトにした全5回の体験型のサロンです。

※これまでのキリンビールサロンの様子はこちら

第四期からは運営チームの体制が代わり、講師も草野さんから私に引き継がれることになりました。コンセプトや想いは変わらないものの、体制が変わることによる変化は大きかったと思います。

実際に講師を担当してみると、毎回手探り状態で反省点も多かったです。しかし、四期生やゲストの皆さまのパワーに支えられながらやり切ることができ、感謝しかありません。

今やキリンビールサロンは立ち上げ当初の想像をはるかに超えるコミュニティになっています。この場をお借りし、第四期を行ったことによるコミュニティの成長や、四期生への思い、私の心境などをお話ししていきます。


全国各地にサロンメンバーが増え、第四期でより実感した「コミュニティ」と「自走」の進化

ハートランド

コロナも徐々に落ち着きを見せ、外での乾杯も少しずつできるようになっていった2022年。オンラインでの開催だった第三期が3月に終了し、そのころから「実際にメンバーと会って乾杯しました!」というような報告が増加したように感じます。

メンバー同士で集まる機会は、私たち運営側がセッティングするのではなく、「ここに行こうと思うのですが、一緒に行く人いますか?」と各々が声を掛け合ってセッティングしています。そういった「自走」の土台ができていくなかで第四期が開催されたことはとても良かったと思います。

「自走」というのは、「サロンメンバー、一人ひとりが自ら楽しむ気持ちを持つ」ということ。各自がビールを楽しむために積極的になる、そんなイメージです。

今年もオンラインでの開催となった第四期ですが、2回目の講義を終えたころに、これまでのキリンビールサロンOBの有志が乾杯する場を設けました。四期生も乾杯の輪に加わり、ビール片手にすっかり馴染んでいるのを見て、胸をなでおろしたのを覚えています。

乾杯の場では、より気軽にコミュニケーションを図れるようにとメッセージングアプリを使ってサロンメンバー同士がつながり、同期メンバーと、また期を越えて盛り上がっている様子を目にすると、本当に皆さまが楽しんでいるんだなとうれしくなりました。

キリンビールサロンはコロナをきっかけに、第二期からオンライン開催になっています。日本各地から参加できるので、今では全国に多数のサロンメンバーがいらっしゃいます。全国にサロンメンバーがいるということはとても魅力的で、メッセージングアプリ上でもその強みを感じるときがあります。

「今度この地域に行こうと思うのですが、どこかおすすめのお店はありますか?」
一人がこのようなメッセージを送ると、その地域に住んでいる方や行ったことがある方が、次々とおすすめのお店やポイントを挙げていくのです。

はたまた、「○○県でビールツアーをしようと思うのですが予定の合う方行きませんか?」と投げかけがあると、「行きたいです!」「参加します!」「家族と参加してもいいですか?」と、離れた地域からの参加者も現れるのです。

さらにキリンビールサロンでつながっているからこその、サロンメンバー同士の企画などもあり、楽しむために自らが動き出して積極的になっています。

そんな風に、日常的にメンバー同士がやりとりするのを見ていたために、第四期での最終回でも「終わり」の実感がなかったのだと思います。

さて、ここからは第四期について、第三期までの講師である草野さんの後を継ぐことになったところからお話させてください。

講師のバトンを受け取り、不安のなかで向き合った第四期キリンビールサロン

キリンの草野と後藤
左が前任講師の草野裕美、右が後藤

「キリンビールサロンの講師をやってみませんか」

前講師の草野さんに声をかけられたのは、キリンビールサロン第三期の企画をスタートするころでした。もう2年前のことです。

▼キリンビールサロン第四期が新体制でスタートした背景と想いはこちら

前回の記事でもお話ししたように、その当時はあらゆる面で自信がなく、講師をお断りしました。多忙を極める草野さんには申し訳なかったのですが、第三期までの講師を草野さんにお願いして、今でもよかったと思っています。

それから約1年後、キリンビールサロンの運営チームが集まり、「これからキリンビールサロンをどうしていくか」「続けるのか、終わりにするのか」などを話し合いました。
運営チームも全員立場の変化があるなかで、今までどおりというわけにはいかず、新たな体制で臨むことが必要でした。

第四期の講師をどうしていくかの話になり、少し躊躇したあとに「私、講師をやります」と運営チームに話しました。私のなかで、第三期が終わるころには「次期があれば草野さんの後を継いでやっていこう」という思いもありましたが、一方で、まだまだ不安でいっぱいでした。

「友人から『キリンビールサロン』ってすごくいいよ!と言われたけど、講師が変わってからはそうでもないな」
「第三期までに参加したかったな」

もしそんな風に思われてしまったら、これからキリンビールサロンに参加してくださるお客さまはもちろん、おすすめしてくださったサロンメンバーの皆さまやゲストの方々、そして今まで続けてきた運営チームにも申し訳ない。草野さんが講師だからこそ発足し、続けてきたその意味を失ってしまうのではないか。

どうしても、そんな風に思ってしまうのです。

大きな不安も抱えたまま、「講師をやります」とサロン運営チームに思い切って宣言した、その1秒後には、「すごくいいと思います!」「キリンビールサロンは続けていった方がいいよね」と反応があって、パッと明るい雰囲気になっていったのを覚えています。

私の不安はどこへやら、運営チームがとても前向きで、信頼と期待をしてくれていることが伝わってきたからこそ、新たなステージとしてチャレンジしてみようという意思がここで固まりました。

それからは、今の自分には何ができるか、どんなテーマがキリンビールサロンと第四期に合っているか、ゲストはどなたに頼むのがいいのかなどを運営チームとも相談しながら決めました。

第四期のテーマは、原点に戻って「ビールを楽しむ」。

いろいろな角度やシーンから、サロンメンバーにささる何かがきっとあるはず。

「ビールと食」「ビールと店・場所・ビアカルチャー」「ビールと地域」と、回を追うごとに視野を広げていき、「ビールの楽しさって、いろいろあるんだ!人それぞれなんだ」と多様さが感じられる構成にしました。

そんななかでも、登壇いただきたいゲストの方にお願いをすると二つ返事で引き受けてくださり、とても感動したのも束の間、講義で利用するための調べものが尽きず、全然追いつけないと大泣きしたのを今でもはっきりと憶えています。

私の個性とはなにか。個性を発揮した先にある講師の役割

キリンビールサロン講座
ゲストの方にお話いただいている様子

自分のことをいろいろと話してしまいましたが、肝心のキリンビールサロンでは、自分の意見をほとんど言うことがなく、進行するだけで精一杯でした。

草野さんが講師のころから、キリンビールサロンのオブザーバーとして大先輩が入ることがあり、意見をもらうことがありました。今回も参加いただき、後日こんな言葉をもらいました。

「日本の『道』には守破離という教えがあります。後藤さんのモデレータは、まだ『守』のステージだとは思いますが、徐々に後藤さんならではの個性を出していかれることを期待しています」

ぐうの音も出ません。私の個性とは何なのだろうか。

そんなことを思いながら草野さんと振り返りをしているときに、「もっと輪に入って会話をすればよかった」ということが挙げられたのです。

講義では、白熱するあまり、話がマニアックになってしまったり、難しくなってしまったりすることがあります。サロンメンバーは、もちろんそれぞれ興味のある部分が違うわけですから、毎回偏りすぎないように講師が輪に入り、軽やかな雰囲気を作り出す必要があります。その雰囲気作りこそ、講師の個性を表現できる場面なのではないかと、そこでハッと気づかされました。

反省ばかり並んでしまうのでこれ以上は言わないことにしますが…、四期生は「楽しもう」という気持ちを持ち続けてくれ、私以上に「第四期を盛り上げよう!」という思いが強かったように思います。講義中の皆さまの笑顔や真剣な顔、発言や毎回のアンケートでのご感想などが本当に有難かったです。

ビールの楽しみは、可能性は、まだまだ広がっている

キリンビールサロンオンライン講座
最終回の乾杯の様子

第四期の1回目の講座では、メンバーの皆さまにご自身の好きなビールをご紹介いただいたのですが、「実は少し忖度しました」とキリンのビールを挙げていただく方もいらっしゃいました。

そして、最終回の講座でも1回目と同様に、今のご自身が好きなビールをご紹介いただきました。キリンのビールを挙げてくださる方も多かったのですが、1回目と違う点は、素直に自分が好きと思えるビールをご紹介いただいたように感じたことです。

好きなビールの銘柄が並ぶだけではなく、そこにメンバーひとりひとりのエピソードが加わるからこそ、より一層そのブルワリーが好きになる。これはキリンビールサロンの大きな特徴だと思っています。

最終回は、好きなビールの紹介とともに、お一人ずつじっくりとお話を聞くことがメイン。今回は、好きなビールにキリンのビールを挙げてくださった方の中から、いくつかのエピソードをご紹介します。

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まだ幼い息子さんに「お父さんがどこで働いているか知っている?」と何気なく聞いてみたところ、「キリンじゃないの?」と返ってきたそうです。そのエピソードには思わず全員が笑ってしまいました。

毎月、キリンビールサロンから講座キットが届き、サロンメンバーの話を聞いているのを息子さんなりに見聞きし、そのような答えが返ってきたのではないかとおっしゃっていました。そして、参加して変わったこととして、「友人にお歳暮なんて送らなかったのに、今回キリンのオンラインショップを利用してお歳暮を贈ったんです」とお話しくださいました。

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「『ブルックリンラガー』は背景も含めて好きになり、現地であるニューヨークに行ってみたいと思いました。1回目の講座で、自分はビールにそこまで詳しくないのでどうしようと思いましたが、いろんな目線があっていいんだ、ビールが好きなだけでいいんだと思えました。ビールに詳しい方もいらっしゃるので、教えてもらう側に回ろうと思いました!」とおっしゃいました。

そうなんです。「ビールに興味がある」「ビールが好き」これだけでいいのです。知識に関しては、はじめは誰でも素人なのですから。キリンビールサロンは、知識で上下関係が生まれることはありません。人の「好き」を否定することもありません。

必ずその人なりの楽しみ方や見えているものがあるから、キリンビールサロンを通して今まで気が付かなかったビールの楽しさや魅力を発見することができるのです。

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「キリンビールサロンに参加しているタイミングでけがをしてしまい、しばらくビールが飲めませんでした。その後も、体調の関係で缶ビール1本飲むのもなかなか難しかったんです。でも、キリンビールサロンで皆さんのお話がきけるのがうれしくて楽しくて…。そんなとき、友人にキリンビール神戸工場の見学に連れて行ってもらいました。そこでホームタップの紹介があり、これだったら好きな量で飲めると、自宅にホームタップを導入しました。皆さんが「Spring Valley Brewery Tokyo」に行ってビールを飲んでいる姿を見て羨ましいなと思っていたので、自分は外になかなか飲みに行けないけど、ホームタップの『SPRING VALLEY COPELAND』を飲むことで、皆さんと一緒に飲んだ気になれてうれしかったんです」と語ってくださいました。

皆さまと一緒に楽しもうとしてくださる姿勢と、このようなお気持ちでホームタップを選択してくださったことに胸がいっぱいになりました。

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本当はお一人ずつご紹介したいぐらい、全員のエピソードが心に響くものばかりです。キリンビールサロンではいつも、サロンメンバーやゲストの方々から新たな考えや価値を教えていただくことばかりです。期を重ねても、新しい気づきが毎回出てきます。

四期生が卒業したあとに、四期生と飲食店でたまたまお会いすることがありました。オンライン開催だったため、実際にお会いするのは初めてでしたが、とても心地いい距離で、それぞれがその場でビールを楽しむことができました。そして、その方がこうおっしゃったんです。

「このお店にビールを飲みに来ると、普段の自分でない自分を楽しめるんですよね」

その言葉に私までワクワクしました。ビールの楽しみは、可能性は、まだまだ広がっているんだ。そう思わせてくれました。

第四期を終えてメンバーの皆さまへ

キリンビールサロンのパンフレット

私から四期生にお伝えしたかったのは、皆さまが自由に、思い思いのペースでビールを楽しんでほしいということ。

キリンビールサロンの扉はいつでも開いています。少し休んで、またいつでもふらっと戻ってきていい場所です。

私たちはいつでもウェルカム。また一緒に乾杯しましょう!

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