【写心館#11】誰かに話したくなる、ビアレストランをつくっていく #オープン社内報
キリングループ会社全体の取り組みを紹介するインターナルブランディングWebサイト『KIRIN Now』。そのなかの一つで、従業員の仕事に対する想い、働くうえで大切にしていることを自分自身の言葉で伝える『写心館』というコーナーをnote上で公開しています。
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『写真館』第11弾は、キリンシティ横浜モアーズ店にて店長を務める松尾 盛二です。
誰かを幸せにできる、笑顔にできる。飲食という仕事
私が目指しているのは「誰かに話したくなるビアレストラン」です。この店を訪れた人が、別の誰かにキリンシティの魅力を伝えたくなる場にしたい。現代はSNSの時代ですが、結局、一番強いのは人づての「口コミ」だと思っています。
そして、お客さまだけじゃなく、スタッフにとっても「誰かに話したくなる職場」でありたい。「うちの職場って最高に楽しいんだよ」と周りに言ってもらえる職場づくりを目指しています。成長できる、常に笑顔で働ける、そんなお店にしたいです。
正直、飲食業って「きつそう」なイメージを持たれるじゃないですか。でも本当はそうじゃなくて、私は一番楽しい仕事なんじゃないかと思います。ある先輩が「飲食業は、知らない誰かを幸せにできる、笑顔にできる。そういう仕事って素敵じゃない」と言っていました。私もその通りだと感じています。
社員になる前、専門学校時代からキリンシティで5年ほどアルバイトをしていました。最初に働いたのはキリンシティ新横浜店。もともと、人と接することが好きでした。母がスナックを営んでいて、小学生の頃からお店の手伝いをしていて、いろんなお客さんと接するのが楽しかったんです。最初はこの仕事の時給のよさに惹かれて始めましたが、仕事を続けるうちに「キリンシティって、すごく従業員の面倒を見てくれる会社だな」と感じました。
当時、音楽や舞台などの芸能活動もしていました。他の会社ではそれを理由にアルバイトを断られることもあったのですが、キリンシティは両立を受け入れてくれました。長くお世話になったからこそ会社に恩返しをしたくて、芸能活動に区切りをつけると同時に2019年に社員になりました。
コロナ禍を経て「働けることへの感謝」を実感。そして店長へ
振り返ると、コロナ禍でこれまでに経験したことがない打撃を受けました。2か月間、店を閉めなくてはならなくなったり、夜はお酒が提供できなくてランチのみの営業が続いたり。そうした厳しい状況が続いたので、正直に言うと「この会社、なくなっちゃうかも」とも思いました。
でも、当時社長だった江田さんが「絶対に社員の雇用を守る」って言ってくれたんです。そして営業支援室の皆さんが、現場のために頑張って動いてくれている。その熱意を感じました。
だったら、現場にいる自分も何か力にならないと。お店を開けられないなら「学ぶ時間をつくろう」と思い、会社が支援してくれる外部研修を片っ端から受けました。ビジネスマナーや財務諸表の見方、モチベーション論……。30件以上のウェビナーを受けて、レポートを出して、を繰り返す毎日でした。勉強に打ち込んだ理由は、何もしていないのが不安だったからでもあります。何か自分が成長していることが実感できないと、怖かったんです。
そういう経験から、まず「働けることへの感謝」を抱くようになりましたね。キリンシティの看板であるビールをはじめとしたお酒が提供できないのに、それでもキリンシティに来てくれるお客さまがいるから営業できている。だから、お客さまや今ある環境にもっと感謝したいと思いました。
そんななかで、これからどんなキャリアを描こうか考えたときに、自分も店長になりたいという思いが募りました。理想の店づくりを試してみたい、そして自分の仕事の哲学を、経営にいかしてみたい。社内のキャリア開発申告書で、店長になりたいという希望を会社に伝えました。
店長としての初仕事は「コミュニケーションノート」をつくること
横浜モアーズ店の店長になってまず最初にやった仕事は、ノートをつくることでした。以前、私が副店長だった東京銀座店で、店長と一緒に考案した、店で働くスタッフとの交換日記のようなコミュニケーションノート。これを横浜モアーズ店にも導入してみました。2022年5月のゴールデンウィークに始めて、今ではもう9冊目に。
ノートは誰が書き込んでもOK。目的は三つあります。
一つ目は、お客さまからいただいた声を共有すること。接客しているときに意見や評価をいただいたら、すぐにノートに書くようにしています。サービス中やレジでの会計時には、こちらからお客さまに対してビールや料理などの「評価」を伺うようにしています。
それをまとめて、私や担当のスタッフが営業支援室へ日報として提出することで、営業支援室の皆さんにも見える化しています。2022年は5月から12月の間に1059件の声をお届けしました。
二つ目は、お互いを褒め合うため。飲食業って忙しくなると「あの人が遅い」「誰々がミスした」とピリッとしがちです。でもこのノートに「今日、誰々のこういうところがよかった」と書き込むようにすると、全員が全員のいいところを見るようになるんです。これのおかげで、私含め、メンバー皆が楽しく仕事ができていると思います。
そして三つ目は、私からスタッフへのフィードバックとしての役割。毎日、一人ひとりの行動やチャレンジに対して、フィードバックのコメントをしています。全部で17人分。
さらに、3か月に1度は店舗全体へのメッセージとともに、「ありがとう」「素晴らしい」「頑張ってるね」といったスタッフへの3か月分のフィードバックも全員にオープンにして見せています。自分が褒められているのを他の人に見られるのって、うれしいじゃないですか。
このノートのいいところは、店に新しく入ってきた人も、以前のノートを読めばどんなメンバーがいるのかが分かることですね。人の温かさを感じられるから、あえて、アナログでのコミュニケーションにこだわっています。
ノートだけではなく、日々のコミュニケーションも大切にしています。スタッフがどういう想いで、どういうスタイルで働いていきたいのか、何を経験したいのかをまず聞いてあげること。人の特性によって、成長スピードもそれぞれ違うので、とにかく毎日見守っていてあげることが大事だなと思っています。
「誰かに話したくなるビアレストラン」から、「誰かに話したくなる会社」へ
今、私が一番こだわっていることは、お客さまとの「接点」をつくること。コロナ禍を経て、注文用のタブレットが導入されたことで、お客さまとの接点が少なくなったように見えます。でも実際はそんなことはなくて、工夫次第なんです。
まず、何よりもあいさつが一番大事。そこで初めての方なのか、2回目以降の方なのか、もしくは常連さんなのかを探る。そしてビールや料理の説明をして、お客さまの反応を見て、どんどんニーズを掘り下げているんです。
「実はこんな商品があるんですよ」「この料理、ビールとの相性どうでした?」といった声掛けも大切です。メニューをただポンと渡して「はい、どうぞ」って委ねるだけではだめ。自分から接点を持ってどんな相手なのかを知れば、その人がどんなふうに過ごしたいかが分かります。店とのコミュニケーションを楽しみたいお客さまに対しては、楽しんでもらえる接客をする。自分の時間を一人で楽しみたいお客さまには、要所要所だけの接客にする、というように分けます。
もしも、この店を「誰かに話したくなるビアレストラン」にできたら、その次の目標は、キリンシティを「誰かに話したくなる会社」にしていくことです。飲食業界の激しい競争のなかでも、「誰かに話したくなる会社」として進化させる役割を、私も担えたらな、と思います。コロナ禍を経験したことで、環境は探すものでも与えられるものではなく、自分でつくっていくんだ、という強い意志を持つようになりました。
でも、自分自身が仕事で「目立ちたい」っていうわけでもないんです。「俺が一番だ」って主張するんじゃなくて、それよりも、この店のために何ができるかなとか、どんな人を、どんな文化をこの店に残せるだろうか、といったサポート面を考えています。
まずはこの店で、素晴らしいスタッフたちを育てていきたい。「この人たちがいれば、キリンシティは大丈夫」と言われるような人財を生み出していきながら、私も一緒に成長していきたいです。
noteでお届けするグループ報『写真館』次回もお楽しみに!
『写心館』では着飾っていない話を、できるだけストレートに聞くことを心掛けています。これからも、従業員の仕事に対する想い、働くうえで大切にしていることを本人の声を大切にしてお届けしていきます。次回もお楽しみに!