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【写心館#09】自分ならでは、自分だからこその仕事を #オープン社内報

キリングループ会社全体の取り組みを紹介するインターナルブランディングWebサイト『KIRIN Now』。そのなかの一つで、従業員の仕事に対する想い、働くうえで大切にしていることを自分自身の言葉で伝える『写心館』というコーナーをnote上で公開しています。
 
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第9弾は、キリンビール 取手工場でエンジニアリング環境安全担当を務めている茨木駿兵に、工場の専任エンジニアとしての想いを聞きました。

キリンビール福岡工場の茨木

【プロフィール】茨木 駿兵
2017年入社。同年8月から、キリンビール福岡工場 エンジニアリング環境安全担当に配属。2020年4月、現在の取手工場 エンジニアリング環境安全担当へ異動。


ものづくりの現場を支える、工場専任のエンジニアとは

キリンビール福岡工場の茨木

学生時代は電気工学を専攻していました。同級生の多くはメーカーの研究開発職やインフラ関連に就職したんですが、私は学んだ知識をものづくりの現場に生かしたくて、メーカーのエンジニアリング職を中心にエントリーしました。
 
メーカーには必ず工場があって機械があるので、この業界なら自分の世界も広がると思ったんですね。そんななかで、ご縁があって2017年に入社し、エンジニアリング環境安全担当として、キリンビール福岡工場に配属されました。
 
エンジニアリング環境安全担当の仕事は簡単に言うと、工場が抱える課題を設備やシステムの改造・導入によって改善していくことです。業務範囲は製造ラインからネットワークインフラ、工場で働く方々の環境整備まで多岐にわたり、工場にいる専任のエンジニアとして、現場の本質的な課題を理解したうえでの解決策の立案・実行が求められます。

エンジニアリングと聞くと、何か設備を作ったり、メンテナンスしたりするような仕事をイメージされる方が多いかもしれません。でも私の場合は、自分で手を動かすよりも、仕様を決め、社内の関係者や外部の協力会社に依頼をかけ、全体の工程を管理するなど、プロジェクト全体を遅滞なく進めていく仕事の方がメインです。

こういう「プロジェクトを管理する力」については、福岡工場で勤務していたときに鍛えられたと思っています。

当時は入社したてで自分の知識が追いつかず、思うように仕事を進められませんでした。製造現場の設備に関する対応は、そのときどきで違うので、同じことの繰り返しはほとんどありません。

そのうえ、納期も短かったので、自然と周りの人に聞いたり、先輩方に協力していただくようになりました。そうやって多くの経験をさせていただくなかで、徐々に仕事の進め方を掴めるようになってきました。
 
最初に業務の全容を把握する力や、必要なスキルを持った方を集めるためのコミュニケーション力を含め、エンジニア、あるいは社会人としての基礎的な力を身に付けることができました。そういう意味で、福岡工場での3年間は仕事をするうえで、土台作りの時間だったと感じます。

日々の業務に“自分だからこそ”の付加価値を

キリンビール福岡工場の茨木
取手工場内にある、太陽光発電設備で発電した電気を生産ラインに適した電圧にする変電設備

現在担当する取手工場は、操業から50年以上が経過し、いたるところで設備の老朽化が進むなど、現場からの改善要望を含め検討すべき課題は常に山積みです。だからといって一過性の解決策でその場しのぎなことはしたくない。私はそう思っています。
 
正直、老朽化した設備と同等のものに更新すれば、最低限の課題解決にはなります。でも、それでは新たな価値は生まれません。私なら、まずは自分の目で現場を確認し、オペレーターから使用状況を聞き、今何が必要かをイチから洗い出すことから始めます。

確かに根気のいる仕事ですが、現場の抱える本質的な課題を洗い出し、解決に導くことこそ、工場専属のエンジニアの果たすべき役割だと思っています。
 
私たちの仕事は、成果が目に見える形で残ります。かつての上司から冗談交じりに「いい設備は名前が残らないが、悪い設備には名前が残る」と言われました。いい設備は工場にとって当たり前の存在になるため、誰が設計・導入したかなんて気にしないけれど、できの悪い設備はそれに携わった人間の名前がずっと残ってしまう、そういう意味です。
 
だから頑張る、というわけではありません。ただ、やるからには使う人の課題解決につながる改善を本気で目指すべきですし、そうした姿勢で臨まなければ自分の成長にもつながりません。

私自身のモチベーションを維持するための自己満足なポリシーでもありますが、任されたからには「自分ならでは、自分だからこそ」という付加価値を上乗せできるような仕事がしたい。そう思って、日々の仕事と向き合っています。

初めて挑んだ「太陽光発電設備」の導入

キリンビール福岡工場の茨木

取手工場への異動から2年、太陽光発電設備の導入を担当することになりました。この取り組みは、本社主導でキリンビールの全9工場に太陽光発電設備を設置するというもの。2016年の横浜工場に続き、2021年2月より残りの8工場にPPAモデル(※)の太陽光発電設備を順次導入しています。取手工場では、同年11月に着工し、2022年4月に稼働を開始しました。

これまで電気・計装関連の業務は経験していたものの、高圧関連、太陽光発電設備の導入は初めてでした。とはいえ、工場内には電気主任技術者をはじめ、多様な知識・経験を持つ方がたくさんいて、他工場での先行導入の事例もあったので、皆さんに教えていただいたり、協力していただいたおかげでなんとか進めることができました。

(※)PPA:Power Purchase Agreement(電力購入契約)の略。PPA事業者が需要家の敷地内に太陽光発電設備を設置する代わりに、そこで発電した電力を電力需要家が購入する契約。

太陽光パネル

導入にあたっては、まずは工場内のどこにどれだけの太陽光パネルを設置できるのか、発電したエネルギーをどのように工場へ引き込むかなど、設備の設置場所や経路のレイアウト検討から始めました。
 
発電した電気を各施設に送電するための接続作業については、工場全域を対象とした停電作業の調整や、発電設備の設置に伴うリスクの洗い出し、対応策の検討を行い、稼働に影響が出ないよう工事計画を立てました。

また、今回の取り組みには関係各所への事前協議や届出が多く必要だったため、スケジュールの策定・管理にも非常に気を遣いました。なので、導入が完了したときは「やりきったぞ!」という達成感よりも、安心感の方が大きかったですね。

工場全体で社会課題に貢献していきたい

竣工時の様子
竣工時の様子(左端が茨木)

これまで私が携わってきた仕事は、工場の機能維持や安全・品質対応に関するものが多かったので、今回の太陽光発電設備の導入のような「再生可能エネルギーを使用したものづくりへの貢献」は、工場にとって大きな意義があったと思いますし、私自身にとってもいい経験になりました。
 
今後は、導入効果の確認や最適な運用に向けた取り組みを続けることはもちろん、自分たちの取り組みと社会全体とのつながりをより強く意識していかなければなりません

そのためにも、取手工場の一員として「いかに社会課題に貢献できるか」という観点から、工場全体で取り組みに関するフィードバックを進めていきます。
 
入社以来、福岡、取手と2つの工場で同じ業務に従事しましたが、仕事を通して知識の蓄積はもちろん、現場課題の理解や人脈の面でもかなり大きく広がってきています。今後も今回のようなグループ貢献につながる全社的な施策、方針の策定にも携わっていけたらと思います。

noteでお届けする『写心館』 次回もお楽しみに!

『写心館』では着飾っていない話を、できるだけストレートに聞くことを心掛けています。これからも、従業員の仕事に対する想い、働くうえで大切にしていることを本人の声を大切にしてお届けしていきます。次回もお楽しみに!

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