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業界のプロフェッショナルに聞く「フードシェアリング」について by TABETE様 #外食レター #これからの乾杯を支える

4月15日に公開した「#これからの乾杯を支える」は、コロナ禍の中で苦しんでいる飲食店や生産者のために立ち上がった取り組みを、なるべく多くの方に広めたいという想いから始めました。

視線を内側に向ければ、キリンの商品を取り扱っていただいている飲食店様に対面している営業がいます。新型コロナの影響でお会いすることができない中、飲食店様のために何ができるかを考えすぐに実行に移したことは、より具体的で正しい飲食店関連の情報を“毎日”届けることでした。それが『外食レター』です。

これまでたくさん届けてきた『外食レター』ですが、少しでも飲食店の方のお役に立てればと思いレターの一部を転載することにしました。

今回は「フードシェアリング」について、廃棄の危機にある食事を手軽にレスキューできるWebプラットフォーム「TABETE」を運営する株式会社コークッキング 様にインタビューさせていただいた内容をお届けします。
※こちらの『外食レター』は4月30日に送られたものを一部改変しております。

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【プロフィール】株式会社コークッキング 広報担当 山田 晴香様 
株式会社コークッキングが手掛ける「TABETE」 は廃棄の危機にある食事を手軽にレスキューできるWebプラットフォームです。 まだおいしく食べられるけれど、閉店時間や賞味期限などの理由からお店が捨てざるを得ない状況から、TABETEユーザーが食事を救い出すことができます。「ユーザーよし」「お店よし」「環境よし」と、みんながハッピーになれる「三方よし」の社会派ウェブサービスです。

ーフードシェアリングとは何ですか?通常のテイクアウトと、フードシェアリングの違いは何ですか?

「フードシェアリング」とは、一般的に見切り品や予約キャンセルなどで発生した食材を、必要な方に提供することを指します。食べ物を提供する相手に直接手渡す「テイクアウト」と、配送サービスを使って届けるなど色々な手段があります。

価格設定については出品するお店側にお任せしています。現在の出品傾向としては、詰め合わせにし、通常価格よりやや割引されているなど、お得感があるように出品するお店が多いです。

ーテイクアウトやデリバリーとの併用はできますか?

併用できます。デリバリーの注文を受けたが急遽キャンセルになったときに出品しているお店もあります。

ちなみに、人気店から予約キャンセルによる出品があるとすぐにレスキューされることがほとんどです。

ー今、飲食店様がフードシェアリングに取り組むメリットは?

コロナの影響でテイクアウトに力を入れた飲食店様は、来客予想やそれに伴う仕入れ・仕込みの計画がいつも以上に難しい状況かと思います。TABETEをご活用頂くことでフードロス対策に繋がると思います。

いつでも一品単位で出品できますので、準備する料を調整しながら・当日の売れ行きを見ながら出品も可能です。

また、ただいまの期間(※)、直接的に食品ロス削減を目的としない場合でも、すべてのテイクアウト商品を出品していただけます。「店内飲食を中止してテイクアウトを始めたので近隣の消費者に知ってもらいたい」というような場合にも出品いただければと思います。
(※)2020年7月15日現在、こちらのプロジェクトは終了しております

ーフードシェアリングを成功させるポイントは?

商品が魅力的であることはもちろん、出品理由が丁寧に書かれているメニューはレスキューされやすい傾向にあります。

ーフードシェアリングに取り組む際の注意点は?

食の安全に配慮し、お客様が持ち帰ってから口にすることも考慮に入れたメニュー選びをしていただければと思います。

また、温め直しなど食べ方のアドバイスがある場合、文章や口頭で説明をしていただけると、お客様にもっと美味しく召し上がっていただけると思います。

原則、弁当や総菜などテイクアウトと同じです。保健所の提示する方針に沿った商品の準備・出品をお願いしております。詳細は、最寄りの保健所へご確認ください。

ーフードシェアリングを始めた飲食店様の声・事例

①しゃぶしゃぶ・すき焼き・日本料理専門店
 始める以前からのお客様が「テイクアウトもやっているんだ!」と知ってくださってレスキューしてくれる例が増えているとのこと。TABETEを利用しない“ついで買い”もあるそうです。
②イタリアンバル
 「ランチ難民」になっている人に喜ばれ、よくレスキューされています。
③デリバリーなどとの併用例
 大阪方面のお店を中心に、その他の飲食店向けサービス(Uber Eatsなど)と併用していただくケースもあります。お客さまの様々なニーズに応えつつ食品ロスを抑えたいという想いから、各サービスを活用して通常販売を行い、どうしても余りが出てしまいそうなときにはTABETEに出品するというお店もあります。

■今回のインタビューのポイント

「フードシェアリング」と聞くと、食品のロスをなくす、社会貢献的な意味合いが強いように感じます。

フードデリバリーと併用するケースもあり、「結果的に仕入れ・仕込みの計画と実販が合うことで食品ロスが軽減されればOK」、こう考えると敷居が低く感じられます。

メニューや時間帯による使い分け、テイクアウトやデリバリーで発生してしまったロス(注文を受けたがオプショントッピングを間違えて作ってしまった等も)の軽減をすることで、なかなか読みづらい今の時期のテイクアウト・デリバリーのリスクヘッジにもなり得るかと思います。

「外食レター」は以下マガジンにまとめています。こちらも併せてご覧ください。