海外駐在員に聞く!海外外食市場の現状【ドイツ編】 #外食レター #これからの乾杯を支える
4月15日に公開した「#これからの乾杯を支える」は、コロナ禍の中で苦しんでいる飲食店や生産者のために立ち上がった取り組みを、なるべく多くの方に広めたいという想いから始めました。
視線を内側に向ければ、キリンの商品を取り扱っていただいている飲食店様に対面している営業がいます。新型コロナの影響でお会いすることができない中、飲食店様のために何ができるかを考えすぐに実行に移したことは、より具体的で正しい飲食店関連の情報を“毎日”届けることでした。それが『外食レター』です。
これまでたくさん届けてきた『外食レター』ですが、少しでも飲食店の方のお役に立てればと思いレターの一部を転載することにしました。
今回は「ドイツの外食市場の現状」について、キリン・ヨーロッパの和田にインタビューさせていただいた内容をお届けします。
※こちらの『外食レター』は5月11日に送られたものを現時点の情報に改変しております。
ー現在の新型コロナウイルスの状況は?
新規感染者数は7月現在、1日400人程度まで減少傾向にあり、順次規制緩和が行われている。
ー現在の日常生活の現状は?
<外出制限>
3月中旬より開始された規制により、外出禁止ではないものの、家族以外の人間との接触が制限された。(現在はソーシャルディスタンスを確保することで家族以外との接触も可能に、ただし大型イベントは引き続き禁止)
<日常生活の制限>
当初は、食料品店・薬局などの生活必需品を販売する店舗以外は全て閉鎖されていましたが、徐々に規制緩和され、現在は、ソーシャルディスタンスの確保とマスクの着用を必須という条件のもと、全ての小売店の営業が再開。一方で、現在も公共交通機関はマスクの着用が義務化され、引き続き在宅勤務が推奨されています。
ー現在の飲食店の営業状況は?
<再開状況>
3月中旬より全てのレストランが営業休止(テイクアウト&デリバリーのみが許可)しましたが、5月11日より州毎に徐々に店内営業が再開されています。現在はほぼ全ての店舗が店内営業を再開しました。
<営業形態>
イートイン営業を行う上ではテーブル間隔や、顧客情報の収集・保管などのルールが設けられているため、殆どの店舗はテイクアウトとの併用を検討しています。
<客数の戻り具合>
集客は戻りつつあるものの、テーブル間隔制限による席数減とお客様の感染懸念による来客減により、売上は完全には戻っていない状況。(ラーメンなどのカジュアル業態で前年60~80%、居酒屋系では50~70%と店内飲食は未だ厳しい状況)
ーイートインでの飲食店の対応変化は?
<利用制限>
1.5m以上のテーブル間隔制限により、席数は以前の半分程度になっています。また来店客の個人情報(氏名・住所・連絡先)を都度収集し4週間保管することが義務化されています(感染発生の場合のトレースのため)
<店内衛生>
スタッフはマスク着用が義務化され、各店舗感染防止の為、テーブル間に仕切り版を配置する店舗もあります。
<ソーシャルディスタンス>
お客様がトイレに行く際の動線を床にテープを貼り 可視化し、テーブル客からの1.5mの距離を常時確保。
ー営業再開後の利用の変化、生活者の反応は?
<再開状況>
グループでの宴会利用は引き続き限定的で、1~4人程度の少人数での利用が中心に。
<テラス席活用>
元々ヨーロッパにはテラス席利用の文化がありますが、テラス席が好まれる傾向がより顕著になり、行政もテラス席設置認可を緩和。テラスは満席、店内はガラガラという状況をよく見かけます。
<フード>
営業再開当初は、寿司等の生ものは敬遠される傾向がありましたが、
現在は再び売上が回復してきているようです。
ー飲食店の工夫、販促は?
■今回のインタビューのポイント
他国に先駆けたプロサッカーリーグ「ブンデスリーガ」の再開でも注目されたドイツですが、飲食店利用においては日本以上に厳しいルールもあり、まだまだ通常営業とは言えない状況です。
マスク着用、仕切り版の設置など日本と同様の衛生対策に加え、トイレヘの動線を床にテープを貼り可視化してソーシャルディスタンスを確保するなど、細かい配慮も見られます。
また、イートイン営業では、少人数来店が中心となるためカウンター席の活用、生活者の心理からテラス席の活用が盛んになっています。
空間を提供する飲食店としては、自店のレイアウトの特徴をお客様の利用に合わせてどう工夫するか、考えていく必要がありますね。
飲食店の衛生対策(仕切り版の設置)
店舗レイアウトの工夫
テラス席の活用
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「外食レター」は以下マガジンにまとめています。こちらも併せてご覧ください。