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わたしにとってのキリンラガービールと、家呑みの相棒 〜料理家・高谷亜由さん編〜

今回10年ぶりのリニューアルにあたって始まった特集企画「改めて、キリンラガービールとは」。発売から132年、キリンビールの“原点”ともいえる『キリンラガービール』を改めて見つめます。

リニューアルを担った二人に話を聞いた前回に続き、今回は『キリンラガービール』を愛してやまない方々に、その魅力をたっぷりと語っていただきます。

一人目は、料理家の高谷亜由さん。手軽に作れるおいしいおつまみレシピに定評のある高谷さんですが、ご自身も大のビール好き。なかでも『キリンラガービール』愛は人一倍だそう。そんな高谷さんが、『キリンラガービール』にぴったりのおつまみを教えてくれました。

料理家の高谷亜由

【プロフィール】高谷 亜由
料理家。1979年、東京生まれ。ベトナム・タイ料理教室を主宰するなど京都を拠点に活動中。手に入りやすい材料でササッと作れるおつまみレシピが人気。書籍、雑誌、テレビ他、著書に「15分でうまっ!ベトナム&タイごはん」「レシピ 家で呑む。」「ゆるつま」など多数。
高谷亜由オフィシャルサイト


キリンラガービールと私の思い出

私のキリンラガービール好きは祖父譲りで、夕方になるとテレビの前で瓶ビールを嬉々と傾ける祖父の姿を今でもぼんやり思い出す。

プロ野球のナイトゲームを肴に呑んでいた母方のおじいちゃん、祖母が出すアテをこっそり食べさせてくれた父方のおじいちゃん。彼らのそばには決まって何かちょっとしたおつまみと、キリンラガーの瓶があった。こういう時間があると人生はちょっと素敵になるんだなぁなんて、子供ながらに感じ取ることができる、ふくふくと幸せそうな風景だった。

その行為を晩酌と呼ぶのだと知ったのは、もちろん自分がもっと年をとってからだけれど、幼い頃からずっと晩酌への憧れを募らせながら育ったように思う。

そんな思い出のせいか、私の晩酌はほとんどが家呑みである。

キリンラガービールに合わせたい10の家呑みおつまみ

キリンラガービール

夕方5時頃。料理教室が終わって片づけや翌日の準備をしながら、その日ひと口目のビールをいかにおいしく飲むかを考えるところから私の晩酌は始まる。今夜は何をつまんで呑もうか、グラスはちゃんと冷えているか、ビールのあとはあのワインへ移ろうか……など、本日の晩酌スケジュールを1人であれこれ練っていると、まだ呑んでもいないのにすっかりほろ酔い加減である。

キリンラガービールはひとつの風味が強すぎず、苦味やコクをバランスよく感じられる“懐の深いビール”。基本的にはどんなジャンルの料理にも合わせやすい。ただ、私にとってのキリンラガービールは、近所ですぐに買えてすぐにおいしく飲める「家呑みの良き相棒」なので、気合いの入った特別な料理よりも、呑みながらでも作れそうな肩の力が抜けたおつまみを選ぶことが断然多い。

定番レシピを気分によって変えてみたり、料理の国籍をミックスして食卓へ並べたり、あまりお腹が減っていなければ野菜だけで呑むのもありだし、買い物が億劫な日はコンビニ食品でもいい。

キリンラガービールはいつも脇役に徹して、どんなおつまみが隣に並んでも優しく見守ってくれる存在だと思う。だからこそ作って食べたい、家で呑むときだけのゆるいおつまみを10品ご紹介したい。

我が家の定番コンビ。定番のおつまみ×キリンラガービール

ポテトサラダと唐揚げはしょっちゅう食卓にあがる我が家の定番コンビ。定番料理の魅力は、基本をおさえればアレンジしやすいところにある。基本のレシピはあるけれど、季節や呑みたいお酒によって適当に変化する。今、私はキリンラガービールと合わせてみたいのはこんなポテトサラダと唐揚げだ。

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●ダブルポテトサラダ
じゃがいもとさつまいものハーフ&ハーフで作る、ビール好きに喜ばれるポテトサラダ。さつまいものこっくりした甘味は、キリンラガービールの穏やかな苦味とマリアージュする。味つけはマヨネーズが多ければこってりめ、塩や酢を効かせればよりビール向けになる。具として加えるカリカリベーコンとミックスナッツが絶妙な合いの手。
●グリーンカレーからあげ
定番のしょうゆ味から目先を変えた、スパイシーなタイ風からあげ。グリーンカレーペーストの消費にもおすすめ。他の人と味がかぶりにくく冷めても美味なので、持ち寄り料理にも重宝する。残ったら小さく切ってパクチーと一緒にごはんに混ぜ、〆にしてもおいしい。

ほろ苦さを引き立てる。酸っぱいおつまみ×キリンラガービール

お酢が料理にもたらす香りと味のメリハリは、ほろ苦いキリンラガービールを飲むときにちょうどよいアクセントとなる。酸っぱいおつまみは疲れた日でもたくさん食べられるので、私は作り置きしておくことが多い。南蛮漬けも冷やしなすも、お風呂上がりにキリンラガービールと食べたいおつまみ。

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●鮭と鶏むねの南蛮漬け
調理が楽な切り身の鮭と鶏むね肉をミックスして作るのが我が家流。生か塩もみすれば食べられる野菜を一緒にたっぷり漬けておくと、野菜だけ取り出してサラダのようにも食べられる。それを見越して南蛮酢はたっぷり準備しておくといい。
●なすのレンチンびたし
直火の焼きなすや揚げなすは最高だけれど、少し手間がかかるので、日々の家呑みにはレンチン蒸しなすで手抜きしたい。おろししょうがを加えたぽん酢に漬けて、冷蔵庫でしっかりと冷やしてから食べる。

サクッと晩酌に。常備おつまみ×キリンラガービール

すぐにつまめそうなものを何かと常備しておくのは呑兵衛の習性なのだという。私はチーズと、カリカリした食感のものが好きなので、この2つはいつも冷蔵庫やかごの中に入っている。

これらを常に取り出せるようにしておくという先手が、家呑みする精神衛生上、個人的にとてもいい。そのままでも満足できるけれど、誰かと一緒に食べればきっと楽しんでもらえる、ストックおつまみのアイデアをご紹介したい。

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●自家製味ごのみ
基本的に決まりはなし、一緒に食べたいスナックを混ぜ合わせてみる。だんだん好みがわかってきて、味や食感のバランスにセンスが光ってくる。それゆえに、ときどき人に作ってもらっても発見があるおつまみ。
●のりチーズ
スライスチーズと同じ大きさに切ったのりをミルフィーユのように重ね、ひと口大に切り分けるだけ。もともとビール好きの友人に教わったおつまみで、作っておけばとりあえずのおつまみとして重宝するため、すっかり家呑みのお馴染みになった。コンビニでのりスライスチーズとキリンラガービールを買って帰って呑む、たまにはそんな晩酌もあり。

個性を引き立てる!異国のおつまみ×キリンラガービール

ビールのおつまみというと塩気や油気の強い料理を選びがちだが、甘酸っぱい味つけのものや、香りが印象的な料理を合わせるのも好きだ。

仕事柄、我が家のキッチンにはアジアの食材が常備されているので、お刺身や豆腐といった和のおつまみ食材とも組み合わせてみたり、どこの国の料理かわからないおつまみも結構登場する。にぎやかなおつまみをどっしりと受け止め、なお個性まで引き立ててくれるのは、やっぱり懐の深いキリンラガービールの魅力である。

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●中華風冷奴
刻んだザーサイと長ねぎ、ミニトマト、パクチーをごま油と塩で和えて、豆腐にのっけたおかず冷奴。不思議とごはんにも合う。これにピータンを加えるとちょっとしたごちそうになるので、苦手でなければぜひお試しを。
●はっさくキャロットラぺ
シンプルなサラダに甘酸っぱい柑橘を加えると、たちまちエスニックな雰囲気になる。これでキリンラガービールを呑むといつもよりフルーティに感じられて新鮮な味わい。はっさくは夏みかんやグレープフルーツに変えても、また異なる印象になっておもしろい。

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●明太子レモンクリームペンネ
クリーム系なのにさっぱり食べられるパスタは、ワインよりもビールがすすむのでお気に入り。たらこよりも明太子のほうがキリンラガービールに合う。ペンネは時間が経っても伸びないのでおつまみに最適のパスタである。フォークでなくお箸でちびちび食べるのも、家呑みのおつまみ感がアップしてよし。
●まぐろのエスニック風ヅケ
しょうゆの代わりにナムプラーで漬けるヅケは、短時間で熟成させたような旨味が出る。あえて和風の味に落ち着かせないために、一味唐辛子で辛味を効かせたり、薬味には爽快なミントを添えて。パンチのあるおつまみなので、強い風味のビールでは飲み疲れしそうなところを、爽快な苦味のキリンラガービールだと気持ちよく同調してくれる。

やっぱり手が伸びるのはキリンラガービール

キリンラガービールは、晩酌の口開けにぴったりのビール。これからどう呑むにしても、とりあえずビールと冷蔵庫を開ければ、私は迷わずキリンラガービールに手が伸びる。

家族みんなが愛したこの味は、私にとってもすっかり信頼の味。長年飲み継がれてきた確かなおいしさが、料理とともに楽しむ晩酌の時間を有意義にしてくれる。

特別ではないけれど適当には済ませたくない、それが自分にとっての晩酌であり、「人生のちょっと素敵な時間」。そのことを教えてくれた祖父たちに感謝しつつ家呑みを謳歌するとき、やっぱりキリンラガービールのある食卓がどうにもしっくりくるのだ。

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『キリンラガービール』はこれまで、食卓の上から、そして乾杯の中心から、さまざまな「人生のちょっと素敵な時間」を見てきました。高谷さんにとっての祖父達の姿のように、これからも『キリンラガービール』のある風景が誰かにとってのかけがえのない思い出の一部になるのなら、こんなにうれしいことはありません。

次回、『キリンラガービール』愛を語っていただくのは、WEBマガジン「cocorone」編集長のとみこさんです。
どうぞお楽しみに。

表紙写真:土田凌
文字デザイン:メイメイ