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ゆっくり語らい、時を味わう。「スロードリンク」で広がる“いい時間”

誰かと語り合いながら、食事のおいしさによろこび、ほどよく飲んで、心地よく過ごす──。

キリンは、飲む「量」ではなく、流れる「時」に心が満たされるお酒の楽しみ方である「スロードリンク」を提案しています。

この背景には、お酒を飲む人も飲まない人も互いの個性を尊重し合い、無理なく自分らしくお酒をずっと楽しめる社会でありたいという、キリンの想いがあります。

12月1日から始まるnoteコラボ特集「 #いい時間とお酒 」を前に、キリンビール企画部でアルコール関連問題に取り組む正田拓未と塩出洋子に、酒類メーカーとしての責任を持って推進する「スロードリンク」に込めた想いを聞きました。


適切にお酒を楽しむことは、より心豊かな人生につながっていく

キリンビール 企画部の塩出洋子
キリンビール 企画部の塩出洋子

─まず、キリンが提唱する「スロードリンク」とはどんな考え方なのでしょうか?

塩出:「スロードリンク」とは、ロゴにも書かれているように「ゆっくり語らい、時を味わう」。つまり、お酒を飲むときにその雰囲気や流れる時を楽しんでもらうという、キリンが提案する新しい飲み方なんです。

キリン「スロードリンク」
「スロードリンク」を啓発するために制作されたビジュアル。色とりどりのグラデーションを用いた波模様は、多様な人々が多様な飲みものでつながっていることを表現している。欧字の“O”の中に描かれた時計は、ゆっくりと流れる時を示す。

正田:お酒は飲み過ぎると害にもなりますが、適切に楽しむことで、人とのコミュニケーションが豊かになるなどいい面もあります。正しい付き合い方でお酒を楽しむことがより心豊かな人生につながっていくことを伝えたいと思い、2019年から提唱しています。

塩出:「適正飲酒」という言葉は、少し堅苦しい印象がありますよね。もう少しわかりやすい形で伝えられないかと考えたときに生まれたのが「スロードリンク」です。

キリン「スロードリンク」の啓発ポスター
「スロードリンク」の啓発ポスター。社内の至るところに掲示されている。

─酒類メーカー各社が適正飲酒を呼びかけていますが、そのなかでキリンは「スロードリンク」を掲げているわけですね。

塩出:そうです。「スロードリンク」という言葉は非常にキリンらしいなと思うんです。

お酒を飲む人・飲まない人、飲める人・飲めない人、さらに飲む場所や種類、一緒に飲む相手などは人それぞれですよね。キリンもビールやチューハイ、ワイン、ウイスキー、ノンアルコールと幅広い商品をご用意していますが、「時」にフォーカスを当てることで、 お酒を飲まないことを我慢したり、“乾杯はビール”のように何を飲むかを強要するのではなく、各々の適切なペースでそれぞれがゆっくりと自分が好きなものを楽しもうよという想いが伝わる気がするんです。

正田:私は以前マーケティング部門に所属していたのですが、そのときに「キリンビールのDNAは何か」「お客さまに何を提供してきたのか」という議論をしたことがあったんですね。

そこで出た結論は、「お酒を通じて家族の幸せな時間や食卓での人と人とのつながりを豊かにしたいという想いが根幹にある」ということでした。お酒はあくまで手段なんですよね。「スロードリンク」は、その考え方に通ずるところがあるなと。キリンらしい幸福感がある言葉だなと思うんです。

家族と週末に……。私の「スロードリンク」な時間

キリンの正田拓未
塩出と同じくキリンビール 企画部でアルコール関連問題を担当する正田 拓未

─お二人の「スロードリンク」な時間もお聞きしたいです。 

塩出:私も夫もフルタイム勤務なので、平日は毎日バタバタでゆっくりできる時間はないのですが、週末の夕食時は少し時間があるのでお酒を楽しんでいます。

子どもが小学生になって、サッカーを始めたんですね。サッカーの練習や試合に付き添って、帰ってきて、夕飯の準備をして、食事とお酒を楽しみながら夫や息子の話を聞いたり、私も話を聞いてもらうなど家族でゆっくりと会話ができる、いい時間だなと思います。

正田:その時は何を飲むことが多いの?

塩出:私はクラフトビール、夫はワインを飲むことが多いですね。白身魚のクリーム煮と『スプリングバレー シルクエール<白>』、お肉と『スプリングバレー 豊潤<496>』といった食事とのペアリングも楽しみの一つです。

キリンの塩出

正田:料理とのペアリングにこだわるのも、「スロードリンク」らしいお酒の楽しみ方だよね。僕も塩出さんと似ていますが、子どもが寝た後に妻と飲みながら食事をする時間が、僕にとっての「スロードリンク」だなと感じます。

子どもが生まれる前は外食に出かけることも多かったのですが、コロナ禍もあり、夫婦でなかなか飲みにいけなくなってしまって。でも、自分たちではなかなか作らない料理もたまには食べたい。そんな欲求を満たすために、レシピサイトや動画を参考にして、私も夕食を作るようになったんです。ワインが飲みたくなったらワインに合うようなおつまみも一緒に作って、食事の満足度を上げています。

塩出:お酒を介することで、人と人との関係がもっと深く豊かなものになっていく。これこそ「スロードリンク」ですよね。

正田:それから、「今日は何のビールを飲もうかな?」と考えるのが好きなんです。家の冷蔵庫には何種類かビールを冷やしているので、その日の気分であれこれ考える時間も、個人的には楽しみな時間ですね。

「スロードリンク」を通じて、「適正飲酒」を考えてもらいたい

キリン適正飲酒10箇条

─適正飲酒といっても、そもそもどれぐらいの量が適正なのか……、なかなか難しい部分がありそうですよね。
 
塩出:私もこの業務に携わる前は、飲酒の適正量に関して認識が甘かったように思います。
 
1日あたりの節度ある適度な飲酒量(純アルコール量)(※1)は約20グラム。ビール(5%の場合)なら500ml、ウイスキー(40%の場合)なら60ml程度なんです(女性の飲酒量は男性の半分が適当)。知識を得てからは自分自身の飲酒態度も変わりましたし、夫や両親、友人に対しても「飲み過ぎだよ」と言えるようになりましたね。

(※1)お酒の量[ml] × アルコール度数または%/100 × 0.8(アルコールの比重)= 純アルコール量[g]

正田:私も休肝日を週2回以上設けたり自身の飲酒量を記録することで、あらためて適度な飲酒量を意識するようになりました。自分の経験も踏まえて今後の啓発につなげていければと思っています。

塩出:商品のカロリーなどを記載する「栄養成分表示」の下に、1本あたりの純アルコール量も載っているので、ぜひお酒の適度な量を知る目安としてみなさんに役立てていただけたらと思います。

『一番搾り』のパッケージ
『一番搾り』のパッケージに表示されている350ml缶1本あたりの純アルコール量

塩出:世界的に見ても、適正飲酒に対する意識はとても高まっていて。喫煙や運動不足、食事の偏りに並んで、アルコールの過剰摂取が死に至る要因として取り沙汰され、各国で酒類に対する規制の動きが強まっているんです。

アメリカやオーストラリアでは原則として公共の場での飲酒が禁止されていますし、カナダではレストランやバーであっても酒類を提供できる時間が制限されています。お酒を購入できる時間帯や曜日が限られている国も珍しくないんです。

塩出:日本は24時間365日お酒が買える環境が身近にあるので、世界と比較すると規制は緩やかですよね。だからこそ、酒類メーカーとしてただお酒を造り、売るだけでなく 、同時に社会的な責任も真摯に考える必要があると思っています。

キリンの塩出

─「スロードリンク」の他に、これまでどのような適正飲酒の啓発をされてきたのですか?

正田:塩出と私は、キリンビールの企画部に所属していますが、会社経営を持続的にしていくための基盤作りをする部署でもあります。その中の課題の一つであり、我々が担当しているのがアルコール関連問題です。

たとえば広告の場合、健康食品は薬機法によって使ってはいけない表現などが事細かに定められているのですが、お酒は法定なルールはもちろん、それに加えて酒類業界全体で自主基準を作成し、協調・連携しながら動いています。

塩出:他にも、各ステークホルダーにも配慮をしながら事業を健全に行っていくために、広告や資料がその観点での社会的な配慮は足りているかをチェックしたり、社外に対してセミナーを行ったりと、幅広い活動を通じて適正飲酒の啓発をしています。

コラボ特集「#いい時間とお酒」に込めた想い

キリンの塩出と正田

─12月1日から、スロードリンクとも関わりの深い「 #いい時間とお酒 」というテーマでnoteコラボ特集が始まりますね。なぜユーザー参加型の企画を実施することになったのでしょうか?

正田:適正飲酒の啓発を仕事としている身としては言いづらいのですが……、企業からの発信活動だけで広く浸透させていくことはとても難しいと感じています。

「こういうことをしたらリスクがありますよ」とか「こういうことをしてはダメですよ」と啓発をしていても、本当に情報が必要な人には届きづらいなという感触があって。

─たしかに企業からの発信だけでは、“自分ごと”として届かないこともありますよね。

正田:そんな難しさを感じているなかで、 我々から一方的に伝えるのではなく、お客さまが自分にとって「 #いい時間とお酒 」を考えることをきっかけに、自分に合った飲み方にも気付いてくれたら素敵だなと思ったんですよね。

塩出:きっとそこには企業からの発信だけでは伝えられなかった新しいお酒の付き合い方や「スロードリンク」の楽しみ方もあると思うんです。皆さんの“いい時間”を知ることで、私たちもあらためて「スロードリンク」の在り方を考える機会をつくってみたいと思いました。

キリンの塩出と正田

塩出:「スロードリンク」な楽しみ方が社会に広がっていけば、お酒にまつわる問題は徐々に減っていくはずです。我々の取り組みや発信が多くの方に伝わって、変化や気付きへとつながったらうれしいですね。

正田:今、お酒に対する社会の風潮は厳しくなっています。そのなかで、飲み過ぎて健康を損なうことや飲酒運転など、有害な飲酒を社会からなくすことが大きな目標です。そうすることで、無理なく自分らしく、お酒をずっと楽しんでいただける社会につながっていく。それが我々の目指す未来ですね。

─最後にnoteコラボ特集の参加者に一言お願いします。
 
正田:十人十色な“いい時間”を、お酒とともにどう過ごされているのか。皆さんの投稿をすごく楽しみにしています。
 
塩出:暮らしのどんな場面で、お酒があるとその時間がより“いい時間”になるのか。いろんな方々のいい時間とお酒の関係を教えていただけるのは、とても楽しみですね。投稿お待ちしております!

「#いい時間とお酒」をテーマに、投稿企画が始まります

12月1日から12月31日まで、お題投稿企画 『 #いい時間とお酒 』を開催いたします。ハッシュタグ「 #いい時間とお酒 」をつけて、ぜひご投稿ください。
 
応募方法などの詳細はこちらから。

キリンの正田拓未

【プロフィール】正田 拓未
キリンビール株式会社 企画部。社会課題となっているアルコール関連問題を担当し、適正飲酒啓発に取り組む。2016年入社後、マーケティング、広報などを経て2023年より現職。

キリンの塩出洋子

【プロフィール】塩出 洋子
キリンビール株式会社 企画部。正田と同じく社会課題となっているアルコール関連問題を担当し、適正飲酒啓発に取り組む。2009年入社後、営業、広報を経て2022年より現職。

文:五月女菜穂
写真:佐々木孝憲
編集:RIDE inc.