秋をごきげんに過ごすための『moogy』的読書のススメ【#moogyの季節の便り~秋編~】
読書の秋、食べ物の秋、収穫の秋。
過ごしやすさから自分だけの楽しみや趣味に没頭しやすいこの季節。みなさん今年の秋はどのように過ごされる予定でしょうか。
移りゆく季節にあわせて洋服を着替えるように、年4回デザインが変わる『moogy』。これを『moogy』チームは「衣替え」と呼んでいるそう。特集連載「#moogyの季節の便り」では、毎回季節の新デザインと共に、『moogy』チームが毎日を自分らしくごきげんに暮らすためのヒントをお届けしています。
デザインの誕生秘話をお伝えした春編、料理家の植松良枝さんに夏のお料理レシピを教えていただいた夏編に続き、秋は「読書」にフォーカス。『moogy』のコンセプトと秋の新デザインからイメージする本を「5冊だけの本屋」を営む美帆子さんに選んでいただきました。
『moogy』らしいぬくもりや優しさを感じられる本とともに、この秋の楽しみ方をお話します。
『moogy』秋の新デザイン「あつめる」シリーズ
─年に4回、季節ごとにデザインが変わる『moogy』。秋の新デザインについて教えてください。
遠藤:秋のテーマは、収穫の秋から連想し「あつめる」シリーズにたどり着きました。
『moogy』は、「好きなものに囲まれて暮らすこと」を大切にしているブランドなんですけど、「好きなもの」と言ってもいろいろあると思っていて。道で拾ったかわいい形の石とか、ちょっと変わったボタンとか、蚤の市で買ったヘンテコな小物とか。一見他人から見たらガラクタだけど、自分にとっては愛おしくて、つい集めてしまうものってあるじゃないですか。
あまり出かけられない今だからこそ、自分だけの「好き」を愛でる時間を通して、新しい自分を発見したり気持ちが整ったりすると思うんです。今年の秋は、そんな前向きな時間に寄り添えるデザインを目指してつくりました。
─みなさんが、つい集めてしまうものってなんですか?
寺島:私は図鑑が好きで、素敵なものを見かけるとつい買っちゃいますね。幼い頃から週末は自転車で森を一つ抜けて大きめのスーパーに買い出しに行くのが定番なんですけど、その森を抜けるときに見たことのない鳥や植物に出会うと帰ってからすぐに図鑑で調べていましたね。今でも「この葉っぱなんだろう?」と思ったらネットと図鑑で調べます。
実用的な使い方だけでなく、普段からアートブックのような感覚で眺めたり家に飾ったり、デザインの参考にすることもあります。絵がかわいいものやエリック・カールのような、デザインの手法がおもしろいなと思う絵本も、見ているだけで楽しいので、つい集めがちですね。
美帆子さんが選ぶ、秋をごきげんに過ごすための3冊
今回、女性向け選書サービス「5冊だけの本屋」を営む美帆子さんに「女性がごきげんに暮らすヒントとなる本」と、『moogy』をテーマに選書をしていただきました。
─今回なぜ美帆子さんに選書をお願いしたのでしょうか。
嶺岸:『moogy』はデザインで選んでいただけるケースも多いので、デザインからインスピレーションを受けて選書いただけるのは魅力的だなと。普段本を読まない人にも寄り添い選んでいただけるところにも、『moogy』に通ずる「軽やかさ」や「ゆるさ」を感じました。
遠藤:選書をお願いしようと話し合った時に、満場一致で美帆子さんにお願いしたいねと。「あつめる」シリーズが「収穫の秋」からきているので、そのつながりで「読書の秋」として、『moogy』をイメージした選書をお願いしたのですが、どれもアプローチや視点は違うのに『moogy』と重なり合う部分が多い本ばかりで、感動しましたね。
▼美帆子さんが選書した3冊
【1冊目:『週末、森で』(著)益田ミリ 幻冬舎文庫】
寺島:それぞれ1冊ずつ直感で選んで読んだんですけど、私は『週末、森で』を選びました。タイトルをひと目見て「自分のことだ!」と思って(笑)
寺島:絵もストーリーもめっちゃゆるくて。ゆるさにもいろいろあると思うんですけど、『週末、森で』と『moogy』のゆるさはちょうど同じくらい。
森の近くで暮らす早川さんのところに、週末になると都会で仕事をバリバリこなすお友達二人が遊びにくるんですけど、お友達二人にとって早川さんとそこでの暮らしはまるでかけこみ寺なんですよね。
寺島:『moogy』もよく、「持っているだけで自分の気分が上がる」や「少し心が解放される」などの声をいただくので、みなさんにとって早川さんのような存在でいられているのかなと。側にいると少しだけ心を解放してくれるような立ち位置が『moogy』とリンクするなと思い、楽しくそして癒やされながら一気に読みました。
【2冊目:『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』(著)古内一絵 中央公論新社】
嶺岸:僕は料理が好きなので、表紙でピンときました。
嶺岸:内容は、隠れ家的なレストランに来るさまざまな境遇のお客さんに店主のシャールが向き合い、一人ひとりの体調や気分に合わせた料理を振る舞うというもの。なかには『moogy』と同じく、生姜を使った体をいたわるお茶が出てきて、食べ物・飲み物を通して人に寄り添う姿勢に共感しました。
主人公のシャールが、お客さんの状態をみてなぜこの素材を選んだのかを丁寧に話す描写があるのですが、商品だけでなくその背景にある想いや知識も含めて癒しになっていると感じたので、『moogy』にも取り入れていきたいですね。ほっこりしつつもハッとさせられる一冊でした。
【3冊目:『かならず先に好きになるどうぶつ。』(著)糸井重里 Hobonichi Books】
遠藤:最近ずっと電子書籍ばかり買っていたのですが、この本の質感に触れた時にあらためて紙の本のよさを知りました。装丁もすごくきれいで調べてみたら、毎年表紙がガラッと変わって販売されているらしく、コレクションされている方も結構いるみたいなんです。
遠藤:小口の色は後から染めていて、独特のにじみやムラや経年的にどんどん色が変わっていくのを楽しめるみたいですね。『moogy』もビジュアルで選んでいただけることが多いので、この本のように持っているだけで気持ちが高まるような存在になれていたらいいなと思いました。
遠藤:内容に関しては、最初に書いてある「いずれの文章も特に深い意味はありません、寛容にお受け取りください」これがすごくいいなと思って(笑)。読み進めるうちに、このままでもいいんだと今の自分を許してもらえたような、そんな気持ちになりました。
『moogy』もこんな風に寄り添えたらいいですよね。「頑張れ!」と応援してくれる存在もいいけど、背伸びしていないそのままの自分を好きでいられるような存在になれたら、お客さまとも、もっと仲良くなれるのかなと感じました。今はこれをデザインにどう落とし込んでいくか考えているところです。
『moogy』チームの考える、『moogy』と秋の読書
─「収穫の秋」「読書の秋」ときたら、次は「食欲の秋」でしょうか。『moogy』に合う食べ物を教えて下さい。
寺島:私が読んだ『週末、森で』では、お友達の手土産として毎回実在する食べ物が出てくるんですけど、どれも『moogy』に合いそうなんです。読み進める度に、「あ〜わかる!これおいしいよね」とつい思ってしまうラインナップでした(笑)。
寺島:『moogy』は和菓子も洋菓子も合いますし、風味がすっきりしている分、脂っこい食べ物にも合うんです。だからこそ、『週末、森で』を読みながら『moogy』を片手に登場する手土産を食べるのは贅沢な過ごし方だなと。
嶺岸:以前アレンジレシピとして考案した『moogy』で作る炊き込みご飯もおいしかったですよね。『マカン・マラン』の夜食にも出てきそうな優しい味です。
寺島:おいしかったですね!水の代わりに『moogy』を入れてご飯を炊くだけで簡単に茶飯ができるんです。『moogy』の生姜がほどよく香り、想像以上に風味豊かで。秋らしく、きのこを入れるのもよさそうですね。
遠藤:私はキャンプに持っていきます。『moogy』のさわやかさと秋の気持ちよさがマッチして最高ですよ。『moogy』は常温でもおいしいので、登山やハイキングにもいいですよね。
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秋の夜長に物語の世界にどっぷりと浸るのもよし。仕事や家事の合間にパラパラッと漫画や言葉集をめくって楽しむのもよし。ハイキングに出かけて自然の中でのんびり読むのもよし。忙しい毎日の小休憩に、この秋は読書を取り入れてみるのはいかがでしょうか。ぜひ『moogy』と一緒にお楽しみください!
次回はまた3か月後。冬のデザインもお楽しみに。
>『moogy』 Instagram はこちら
>『moogy』 ブランドサイトはこちら
美帆子さんの「秋の夜⻑に『moogy』と楽しみたい」ブックガイド
〜美帆子さんからのメッセージ〜
秋テーマの「あつめる」からイメージを得て、装幀が美しく、心に響く言葉が散りばめられていて、シリーズ化されている3冊を選びました。どれも自分自身をご機嫌に保つ秘訣がたっぷりと詰まっていることからも、何度も読み返しては自分の機嫌をとるために、持っておきたくなるような本です。
これらの本が、「いいわたし、いい暮らし」を作るきっかけとして、毎日の暮らしの中で、自分をご機嫌にする楽しみを持つことのヒントになればうれしいです。四季を感じる暮らし、自分の好きなものを大切にしている人たちにとって、素敵な本との出合いになりますように。
1.『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』(著)古内一絵 中央公論新社 1,650円
「本当に自分が上機嫌になれる方法を探すのよ―」
店に集まる人たちがご機嫌になっていったように、自分で自分の機嫌を上手にとるヒントにきっと出合えます。
冷え性解消・胃痛緩和など、たくさんの野菜と穀物を使ったレシピやうんちくもありますので併せてチェックしてみてください。また、こちらは全4作ありますので、よかったらシリーズを集めてみてください。装幀もかわいらしくついつい集めたくなってしまいます。
秋の夜長、「マカン・マラン」の店内で静かに流れるバリ島のガムランやクラシックのBGMとmoogyをお供に、いつまでも浸っていたくなるようなマカン・マランの世界をどうぞごゆるりとお楽しみください。
2.『週末、森で』(著)益田ミリ 幻冬舎文庫 545円
「ムダがなくなると人間らしくないのかもねえ」
東京でストレスフルに働く2人を励ますのは、森での早川さんの言葉。自然に触れ、柔軟でご機嫌に過ごす早川さんの言葉にきっと心も軽くなります。
森でのハンモックやカヤック、鳥の名前を知ること、森から見る夕焼けの美しさ、落ち葉を踏む音など、これからのアウトドアシーズンがより一層豊かにしてくれそうです。
「千疋屋」のフルーツサンド、「小川軒」のレイズン・ウィッチ、「うさぎや」のどらやきなど、マユミちゃんとせっちゃんが持ってくる東京土産も必見。とっておきのおやつとmoogyを用意して、お楽しみください。
この本の続編では、一児の母となった早川さんの様子もお楽しみいただけます。
3.『かならず先に好きになるどうぶつ。』(著)糸井重里 Hobonichi Books 1,760円
「好きなことがあるだけで、幸いである。
それをしているときのあなたが、いちばんあなたらしい」
この言葉が、好きなことをして、好きなものに囲まれて、自分らしく過ごしたいと思っている人たちの心にきっと染み渡ります。
「寝際の読書時間」に気分に合ったところをパラパラとめくり自由にお楽しみください。明日の自分をご機嫌にするための楽しみを持っておきたくなります。
『小さいことば』シリーズとしてこれまでに13作あり、こちらの本の挿画はショーン・タンによるもの。他にもミナペルホネンやヒグチユウコなど、このシリーズは毎回凝ったデザインで美しい装幀なのも人気の秘密です。よろしければ、これまでのシリーズもお手に取ってみてください。