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【写心館#12】立場や、やりがいが変わっても現場に立つ #オープン社内報

キリングループ会社全体の取り組みを紹介するインターナルブランディングWebサイト『KIRIN Now』。そのなかの一つで、従業員の仕事に対する想い、働くうえで大切にしていることを自分自身の言葉で伝える『写心館』というコーナーをnote上で公開しています。

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『写心館』第12弾は、キリンビバレッジ湘南工場 製造担当PET1係の一丸 郁仁いちまる いくひとです。

キリン湘南工場の一丸

【プロフィール】一丸 郁仁いちまる いくひと
キリンビバレッジ 湘南工場 製造担当 PET1係。
1999年に新聞の折り込みで入っていた求人を見つけたのがきっかけで、キリンビバレッジの契約社員に。契約社員時代に旧一号ラインの立ち上げを経験。3年後、正規雇用され長年包装ラインでの業務を担う。2023年に製造担当PET1係の係長となり、新一号ライン立ち上げプロジェクトへも携わる。


自分の技術を特化させなければ生き残れない。契約社員として入社した当時の葛藤

昔から機械いじりが好きでした。父親が自動車整備業をしていたため、常に機械が身近にありましたし、自動車に触れる機会も多かったんです。そのため、働くなら機械に触れる仕事がしたいと思い、製造会社へ入社しました。しかし、職場環境が合わず転職を考えたんです。ちょうどそのタイミングで、折り込みチラシの中からキリンビバレッジの求人を見つけました。次に働く場所でも機械に触れていたいと思っていましたし、当時は就職氷河期で、次は誰もが知る企業に勤めて安定したいという気持ちもあったんです。

しかし、当初、私は契約社員としての採用でした。そのため、「自分の技術を特化させなければ生き残れない」と感じるように。トラブルの際は、すぐに上司へ相談するのではなく、一旦自分で解決できないか考えることで対応力や技術力を身につけました。

自分一人ではなく、全員で技術力を上げていくことが新たなやりがいに

キリン湘南工場の一丸

入社してすぐのときに、旧一号ラインが立ち上がることになったんです。これは成長するチャンスだと思いましたね。担当のエリア以外に対する幅広い知見も、深めていきたいという思いがありましたから。旧一号ライン立ち上げプロジェクトへの参加は前のめりでした。

プロジェクトには多くの方が携わり、意見が交わされ、自分の携わるエリア以外の知識も期待のとおり深まりました。一方で、会議があると、私はうまく発言ができませんでした。立ち上げ後、業務を通してスイッチの位置や扉の位置など「もう少しこうだったら」と思うことがあり、その点で悔いを残してしまいました。

こうして経験や知見を深めていったことが実を結び、3年がたつ頃には正規雇用となりました。その後しばらくして、包装ラインの担当に。包装ラインでの仕事は単純なようでいて、実はルーティン業務ではありません。例えば、ラベルが上や横にズレるトラブルが起きることがあります。同じラベルで同じようなズレでも、原因は違うことが多いんです。不良品を見てなぜこのような異常が発生しているのか原因を追求して対策・対応し、日々設備を改善していきました。

けれども、一人でできる改善・調整には限界もあります。夜勤の場合、相談できる先輩がいないこともありました。そんなとき、同じ夜勤のメンバーに助けを求めました。そしてまた別のときには、逆にメンバーから助けを求められることも。そういった経験から、不良品が出た際はメンバーで集まって原因究明をすることで、自分だけでなくラインメンバーの知見も上がっていくのだと知りました。メンバーで調整し、不良品が出ないよう改善できたときの達成感。そして一人ではなくチームでレベルアップすることの楽しさを実感しました。やがて、自分一人の技術力を上げていくのではなく、全員で技術力を上げていくことが楽しくなり、新たなやりがいになったんです。

後輩へ「教える」のではなく、「考えさせる」時間を重視

商品の確認をする従業員
包装などすべてを終えた商品に問題がないか、機械のみでなく人の目でも定期的に確認する様子

自分の技術を後輩へ引き継ぐ際は、メンバーの技術力も高めたいという思いから、「教える」のではなく、「考えさせる」時間を重視しました。とはいえ、トラブル時にラインを止めて何時間もメンバーに考えさせるわけにもいきません。例えば、自分なら「30分で調整可能だな」と判断した場合は、後輩にも30分は考え、試行錯誤する時間を用意します。長時間ラインが止まると出荷に影響が出てしまいますから、ラインを止めないことと技術伝承・教育のバランスは非常に難しかったですね。常に様子を見ながらでしたけれど…。それでも、ただ答えを教えるだけの教育はしたくなかったんです。

その後、100mlペットボトル(PET)の商品を製造する新ラインの立ち上げプロジェクトへ携わるのと同時に、係長へ就任しました。今まではラインのメンバーとの業務が主でしたが、プロジェクトには社内外の多くの人が関わります。多くの業者さんやメーカーの事務所から上がってくる意見を収集しながら、予算を意識しつつ、自分のチームのメンバーの意見も盛り込む。これが一番苦労しましたね。

旧ライン立ち上げ時と違い、発言力を持つ立場になったことから、きちんと現場の思いを新一号ラインへ反映させたいという思いも強かったです。旧ライン立ち上げ後に不便だと感じていたスイッチの位置など、細かい箇所にも気を配りながら、立ち上げを進めました。

現場とマネジメント両視点を持って、自分だからこそできる改善を進めていきたい

湘南工場で働く従業員

また、旧ラインではオペレーターの改善で既に機械の調整・変更の箇所がいくつもあります。最新鋭のラインといえども、旧ラインの設定は新ラインに反映されていません。そうした改善済みの箇所をどこまで新一号ラインへも反映させるか。これは日々業務に取り組むメンバーでなければわからないことです。そのため、メンバーへのヒアリングは慎重に行いました。自分一人の技術向上や、メンバーの技術向上よりさらに大きな“ライン全体の改善”。はじめは自分の技術だけを磨くことへ感じていたやりがいが、ここまで広がったことは我ながら感慨深いです。

立ち上げ後、今までラベルを箱から取り出してセットするまで調整続きで大変だった一連の業務が新一号ラインではほぼ全自動になりました。しかし、トラブルが起こるとインターロック(※)によって異常発生した設備はすべて止まってしまいます。一度のトラブルで1か所の調整だけではなく、トラブルが発生した関連する設備すべての調整が必要となることも少なくありません。新しく便利な設備になったからこそ、今までのノウハウが通用しない部分も多いです。全自動であっても、品種特有の細かい調整など試行錯誤の日々。走りながら最適化を目指し続けています。

※決められた条件が整わないと装置や設備が起動できないようにする安全装置

湘南工場で働く従業員

現在、係長としての主な業務は、前日のトラブル確認、資材変更確認などを行う会議や、安全・品質・稼働を確認する会議、メンバーとの面談などのマネジメント業務です。正直、今でも現場で機械に触れていたいという思いは大きいです。そのため、完全に現場から離れるのではなく、業務の合間に現場へ足を運び、声に耳を傾けるようにしています。マネジメントの立場になったからこそ拾い上げられる声、改善できることがあるはずですから。

自分一人の技術を特化させたいという思いから、チーム・工場全体の技術力向上が目標・やりがいに変わっていきましたが、やはり、今後どんな立場になっても現場に立ち続けたい思いは変わらないと思います。現場とマネジメント両方の視点を持って、自分だからこそできる改善を進めていきたいです。

noteでお届けするグループ報『写心館』次回もお楽しみに!

『写心館』では着飾っていない話を、できるだけストレートに聞くことを心掛けています。これからも、従業員の仕事に対する想い、働くうえで大切にしていることを本人の声を大切にしてお届けしていきます。次回もお楽しみに!