子どもたちの健康を守るための、種蒔きを。医療や教育の現場でキリンが伝えてきたこと
「あなたが、しあわせになる。ひとつ、世界が良くなる。」
そんなメッセージとともに、キリンの新しいコーポレートCMの第4弾「幼稚園篇」が、11月25日から放映されています。
▼キリン よろこびがつなぐ 幼稚園篇 60秒
今回の舞台は、子どもたちの教育の場でもある幼稚園。さまざまな環境変化の影響を受けやすい子どもたちに、「免疫ケア」の大切さをわかりやすく伝える紙芝居「りんちゃんの げんきになるための おやくそく」の読み聞かせを行いました。
運動不足や睡眠不足など、現代社会で生活習慣が乱れがちな子どもたちのため、キリンが幼稚園での啓発活動を始めた理由。そして、これまでの活動を振り返って見えてきたものについて、マーケティング戦略部の岸川真と、キリンビバレッジで営業を担当しながら「免疫ケアアドバイザー」としても活動する相馬杏美に聞きました。
子どもたちの生活環境を、少しでもいいものに
─11月25日から放映が始まったコーポレートCMの第4弾では、幼稚園での免疫ケア啓発活動にフォーカスしていますね。この取り組みは、どのようにスタートしたのですか?
岸川:第1弾の病児保育士篇から助産師篇、小児科医篇と続いて、今回が第4弾になるのですが、一貫してコーポレートCMの中で伝えてきたのは、「あなたが、しあわせになる。ひとつ、世界が良くなる。」というコンセプトです。目の前の人の幸せを想うことで、それが連鎖していくという、キリンがずっと続けてきたことを表現しています。
▼コーポレートCMを始めた理由はこちら
岸川:どうして幼稚園の子どもたちに免疫ケア啓発活動をしているかというと、2020年から続く大きな環境変化の影響で、生活習慣が乱れてしまっているという話をよく聞いていたからです。
外で遊ぶより家でスクリーンを見る時間が増えたりすると、それによって運動不足や睡眠不足が連鎖し、子どもたちの成長にとって大切な時期が、外部環境によって左右されてしまう。それを少しでも改善するために、子どもたちや親御さんたちに正しい免疫習慣を知っていただき、家族で一緒に免疫ケアに取り組んでほしいという想いで活動しています。
子どもたちの免疫力が下がって感染症などにかかってしまうと、子どもが辛いだけでなく、家族や先生たちにも体調不良の影響が出てしまいますよね。その体調不良の連鎖を止めて、大人も子どもも健康でいられる土台づくりを、キリンとしてサポートしたいと思っているんです。
子どもたちに生活習慣の改善や免疫ケアの大切さを伝えたいと考えたときに、普通に伝えても伝わらないんじゃないかと思ったんです。なので、まずは子どもたちに楽しく理解してもらうためにヒーローものの紙芝居を作って、幼稚園で先生たちに読み聞かせをしてもらうことにしました。
─紙芝居の内容を考えるにあたって、3人のお子さんがいらっしゃる相馬さんに相談されたんですよね?
相馬:そうなんです。今回の紙芝居の制作に関しては、私の子どもがまだ保育園に通っていることもあり、小さいうちから知っておいてほしいことなど、さまざまな意見を取り入れていただきました。
─相馬さんがこの取り組みに携わられたきっかけはなんだったのでしょうか?
相馬:私は、営業としての業務とは別に、「免疫ケアアドバイザー」として企業、病院、学校などで免疫ケアのセミナーを行っているのですが、特に子どもたちへの免疫ケア啓発活動に興味があったので参加させてもらいました。
そもそも免疫ケアアドバイザーとは、社内で免疫について語れる人を増やしていこうという取り組みから生まれた社内資格です。私自身、独身のときはあまり自分の健康に対して意識をしていませんでしたが、子どもが生まれたことで、「子どもの健康を守るうえで、自分の健康を守ることも大切なんだ」と実感したんです。
そこから健康への関心が高まっていき、もっと免疫について学んで、たくさんの人に伝えられたらいいなと思い、資格を取りました。
▼免疫ケアアドバイザーに、キリンが免疫ケアの啓発活動を行う理由を聞きました
─子どもたちに向けた活動を通して、どんなことを感じましたか?
相馬:小学校の高学年の子どもたちにお話をさせてもらったとき、思った以上にキラキラした目で素直に反応してくれて、積極的に参加してくれたのが印象的でした。
教材を使いながら免疫細胞やプラズマ乳酸菌のメカニズムなどを説明するのですが、ちょうど学校のカリキュラムで身体や細胞について学んでいるというのもあって、先生も「学びが深まるいい経験になる」と言ってくださって。
子どもたち全員がすぐに理解して実践することはなかなか難しいと思うのですが、「そういえばあのときキリンの人に聞いたな」と、将来的に思い出してくれるだけでも、ちょっと違うと思うんです。そういう種を蒔くことができたのは、よかったなと。
─子どもたちに伝えるうえで、意識したことはありますか?
相馬:高学年の子どもたちに対しての授業だったこともあり、早寝早起きといった基本的な生活習慣の大切さを伝えつつ、もう少しステップアップさせた内容も合わせてお伝えしました。大人向けの教材をアレンジして使っていたので、少し難しいかなと思ったのですが、子どもたちは想像以上に興味を持ってくれて。
どの部分に関心を持つか、どんなことを知りたいかは人それぞれ違うので、しっかり相手を見て伝え方を工夫することが大切だなと感じています。
岸川:子どもたちに話したことは、親御さんにも伝わっていくんですよね。そんなふうに家族の中で健康や生活習慣について話す機会が増えたらうれしいです。
幼稚園では紙芝居を読むだけでなく、健康支援のためにチェックシートも配っています。30日間のカレンダーには「早寝早起き」などの課題があって、クリアできたらシールを貼っていくのですが、そうやってゲーム感覚で生活習慣を整えていけたらいいなと。実際にご家庭でどんな会話が生まれるかを想像しながら作っていくのも楽しかったです。
今後は、紙芝居を絵本にして全国の幼稚園に寄贈したり、小児科に置いてもらったりして、より多くの場所で取り組みが広まっていくようにトライしていくつもりです。
取り組みを通してさまざまな人と出会い、輪を広げた一年
─キリンではこの一年、免疫ケアの啓発活動やコーポレートCMを通してさまざまなメッセージを伝えてきましたが、振り返って感じることはありますか?
岸川:この一年、「健康」を軸にした啓発活動を進めるなかで、多くの方との出会いがありました。「私たちの健康を守ってくれている人の健康こそ守りたい」という想いから、病院のサポートをさせていただき、共感してくださる医療関係者の方々が増え、この一年でその輪がどんどん広がっていったのを実感しています。
─岸川さんが、特に印象に残っている取り組みはありますか?
岸川:個人的には、医療従事者の方に免疫ケア商品を提供する「免疫ケア サポートベンダー」を設置した愛和病院でのアクションが思い出深いですね。助産師や医師や看護師の方々と直接お話しすることで、私たち生活者は気づかないところで、いろいろな方々に支えられているということを実感したんです。
活動先の医療機関から新たな医療機関を紹介いただいたり、キリンの従業員の間でも興味や参加の輪が広がっていった、とても貴重な機会でした。
▼命の誕生現場で忙しく働く助産師さんたちへの免疫ケアサポートを紹介しました
岸川:現場で見ていると、命と向き合う助産師さんがどれだけ大変か、どれだけ頑張っているのかということが伝わってくるんです。それを陰ながらサポートできたことは、大きな意義があったと思いますし、私自身もうれしかったですね。
─出産の現場に立ち会うというのは、なかなかできることではないですよね。
岸川:そうですね。助産師さんの声を聞くと、やっぱり自分自身の健康が置き去りになってしまう瞬間があるということに気づかされました。私の妻も看護師として働いていたので、医療従事者の方が抱える想いや状況はふだんからよく聞いていましたが、この活動を通して他の医療従事者の方々の話を聞いたことで、その現状をより実感しました。
CMの反響を見ていると、これまでのビールや飲料というキリンのイメージから、少しずつですが「健康」というイメージが広がってきているのかなと思っています。
─いろいろな現場で啓発活動の輪を広げていく役割を果たされている相馬さんは、こういった取り組みをどう見ていますか?
相馬:私も3人の子どもを育てるなかで、助産師さんや小児科医の先生にはお世話になってきたので、母親の視点で共感するところが多くありました。命を守る人たちの健康を守るということは、自分たちの生活を守ることにもつながるんだ、と思ったんです。あらためて、免疫ケアアドバイザーという役割の重要性を実感しました。
生活者参加型プロジェクト「#ヒーローに免疫を」を立ち上げた背景
─今年の7月から8月にかけて、「#ヒーローに免疫を」というプロジェクトもありましたよね。この取り組みには、どのような背景があったのでしょうか?
岸川:このプロジェクトは、目の前の人の健康を守るために全力で頑張る助産師さんなど、医療従事者の方々の姿をきっかけに、「自分の健康を守ってくれている人=私のヒーロー」への想いをSNSに投稿していただき、抽選で免疫ケアサプリメントをプレゼントさせていただくというプロジェクトでした。医療従事者の方々に限らず、家族など身近な存在にもスポットライトをあてて、そういった人たちの健康をサポートしたり、感謝を伝えたりするきっかけになったらいいなと。
▼ABEMA SPECIALチャンネル「Dear My HERO~ありがとうで人生上々~」で「#ヒーローに免疫を」の取り組みが特集されました
岸川:実際に集まった投稿を見ていると、家族への想いや、お世話になった先生や看護師さんとのエピソードを添えて投稿される方が多くて。そういう声が可視化されて、読むことができるのはすごくよかったですね。皆さんにとってのヒーローがいて、それぞれが健康を思いやっている輪が広がっていく感じがうれしかったです。
─プロジェクトを終えて、どんなことを感じましたか?
岸川:こういったプロジェクトの意味は、いろいろな啓発活動をして、それを積み重ねていった先に生まれてくるものなのかなと思っています。まだまだ道半ばで試行錯誤している段階なので、これから改善面も含めてさらにブラッシュアップしていきたいですね。キリンの従業員の中でも、健康を思いやる輪を広げていく活動に展開していきたいと考えているところです。
広告だけではなく、活動で伝えていくことが信頼につながる
─最後に、お二人が今後やっていきたいこと、連携していきたいと思うことを教えてください。
岸川:私がやりたいのは、やっぱりこういった活動を長く続けていくことですね。医療従事者の方や子どもたちへのサポートは、人生100年時代、多くの人が健やかに幸せに暮らしていくためにとても大事なこと。
キリンは、ビールや飲料だけでなく、医薬やヘルスサイエンス事業も展開していて、医療や研究の現場ともつながりも強い。どんどん輪を広げていける強みがあるので、多様な力でお客さまの健やかな人生に貢献していきたいと思っています。
企業としてのメッセージを広告で伝えることも大切ですが、地道に活動を続けて連携し、仲間を増やしていくことにも大きな意味があると感じています。実際、従業員からも「こういったことがやりたかった」という声が上がっているんですよ。
相馬:私も免疫ケアアドバイザーとしての仕事をしっかり続けていきたいと思っています。企業や病院の方々に免疫のことを知っていただき、その方々が自分の健康を振り返るきっかけをつくることが大切だと考えていて。セミナーを通じて、身近な人と免疫について話をしたり、会話が生まれるセミナーにしていきたいですね。
営業のチームでは、「マインドシェアのナンバーワンを目指そう」とよく話しているんです。「何かあったときにキリンに相談したい」と思ってもらえるような状態をつくりたい。免疫ケアや健康支援などの地道な活動を続けていくことで、広告だけでは伝わらないキリンの姿勢を知ってもらって、ブランドを好きになってもらえたらうれしいです。