キリンで”学ぶ”からキリンで”働く”へ。ビール工場で始まった大学キャリア教育の成果と可能性
これまでKIRIN公式noteで追いかけてきた、キリンビール仙台工場の「大学キャリア教育」が今年も始まりました。
『ものづくりの上流から下流までを見てもらうことで、キリンビールのファンを増やしたい』
そんな想いでスタートし、製造工程やそこに関わる人たち、仙台工場と地域の関わりを学生に体感してもらうこのプログラム。
今年は企画担当者がバトンタッチして心機一転。フレッシュな気持ちでスタートします。
そしてこの度、とてもうれしい知らせが届きました。
参加した学生の中からキリンを就職先として選んでくれた人がでました。
取り組みを通じてキリンのファンになってくれた学生が、これからはキリンの一員として、新たな一歩を踏み出します。
今回は新旧担当者に加えて、2024年の春からキリン社員として仲間入りする岡田和花さんを迎え、これまでの大学キャリア教育を振り返りながら、取り組みを通して見えた“キリンらしさ”について語ります。
2022年度大学キャリア教育参加学生がキリンに内定決定!
―まずは岡田さん、キリンへの内定おめでとうございます! 昨年の大学キャリア教育に参加されてから、キリンへ応募された理由を教えてください。
岡田和花(以下、岡田):ありがとうございます!もともとは、食品関係という大きな括りでキリンに興味を持っていて、やりたかったヘルスサイエンス領域に取り組んでいることも魅力に感じていました。そんななか、大学キャリア教育に参加してみてキリンへの関心が一層強くなったんです。
―1番の決め手は何だったんですか?
岡田:決め手は、“人”でした。社員の皆さんが熱意を持って、お互いをリスペクトし合いながら楽しそうに働いていて。自分もこの場所で働けたら、すごく楽しいんじゃないかと思ったんです。
仕事内容を知って魅力を感じたのはもちろんですが、皆さんの姿を見て、「長い時間一緒に働くならこういう人たちがいい」と、働く環境へのこだわりも芽生えました。
當房 貴久(以下、當房):キリンが大切にしていることに、熱意・誠意・多様性がありますが、そこを感じ取ってもらえたのはうれしいですね。
大学キャリア教育を通して、ただ商品を好きになる、知識が深まるということだけでなく、キリンの風土を感じてもらえたのは、担当者冥利につきます。
小泉(以下、小泉): 実は私も、“人の温かさ”がキリンに入社した決め手でした。面接でも真剣にとても親身に話を聞いてくれたり、メンターの方が緊張を和らげてくれたり、終わってからも労ってくれたり。人の温かさを感じ、ここで働けたらと感じたのを思い出しました。
また、学生から見ても、楽しそうに働いていると感じてもらえるのは、私たちがやりがいを持って働けていることが、滲みでているのかなと感じました。
當房:岡田さんの話を聞いてあらためて、キリン社員であることに誇りを感じています。
組織に入ってしまうと当たり前に感じてしまうんですが、この大学キャリア教育を通して、いろいろな職種の従業員と接した学生たちから、「熱意・誠意」という言葉が出てくるのはうれしいですね。
―これからキリンへ仲間入りする岡田さんは、「キリンらしさ」についてどう感じていますか?
岡田:「ホームページに書いてあった従業員像は本当だったんだ」というのが最初の感想でした。
例えば、「私たちの会社は、熱意のある従業員が揃っています」という文面を見ても正直疑ってしまうけれど、実際に見て、体験して、いろいろな人と関わらせていただきながら肌で体感できて良かったです。
本社のインターンシップにも参加したのですが、仙台工場で感じたものとズレがなくて。キリンのどこを切り取ってもそう感じるので、キリン全体にそういった考え方が浸透しているんだと思います。
―キリンに入社して、どんなことにチャレンジしたいですか?
岡田:入社後は、今まで学んだことを活かした研究業務に就く予定ですが、自分の研究が製品化してから、市場に出ていくまで携われると伺っています。
大学キャリア教育でマーケティング部の方のお話を聞いて、商品を市場に広めるマーケティングの仕事にも興味が湧いたので、そういったところにも関わりたいなと。
自分の研究開発が形になり、商品化されて、実際に世の中に出ていく姿を見ることができるなんて、すごくおもしろいんじゃないかなと今からワクワクしています。
地域と学生をつなげたい。これまでの大学キャリア教育を振り返って
―仙台工場が大学キャリア教育を始めたきっかけは、企業と大学、地域との結びつきを作りたいという想いからでしたよね。
當房:そうです。キリンも仙台工場ももともと地域とのつながりをテーマにしてきました。仙台工場が今年100周年を迎えられたのも、地域の皆さまに支えていただいたからです。
仙台工場は、大学や地域、生産者との距離が近いという特長があるので、地域と学生の結びつきができるような取り組みをしたいと考えていました。
そこには個人的な思いもあって。私が学生の時、地元企業と一緒に大学の授業を作る取り組みを個人的に行なっていて、その経験がキャリア選択にとても役立ったんです。
▼當房さんの想いはこちらに
―自身の学生時代の経験や思いも込めた企画なんですね。特に意識してきたことはありますか?
當房:ひとくちに企業活動と言っても、調達、生産、営業とキリンの業務内容は幅広いなか、本プログラムでは、一つの商品の産地から製造、営業、広報活動までを一貫して体験することができることが強みです。
その強みを活かして、キリンの活動を幅広く知っていただける内容にしようと意識してきました。
―これまでの大学キャリア教育で印象的なエピソードはありますか?
當房:2022年度大学キャリア教育最終発表会がやはり印象的です。参加者自身の言葉で発表してくださったのがうれしかったですね。
本日お越しいただいている岡田さんの発表でも、例えば、ホップにもいろいろな種類があって、それぞれ香りも、フローラルだったり、ハーブ感が強かったり、フルーティだったり。感じ取ったことを自分の言葉でしっかりと伝えていました。
▼2022年度大学キャリア教育最終発表会の様子はこちら
當房:また過去に、民間企業か地方公務員かで就職を迷われている学生が大学キャリア教育に参加していて。でも、参加したあとに「あらためて地元の魅力を感じることができた」という感想をくれたんです。
まさに私たちが目指していたところだったので、取り組む意味を強く実感できたとともに、うれしかったのを覚えています。
あとは、学生の話を聞いていると、毎回自分もピュアになりますね。良くも悪くも、自分は染まっていっているんだなと(笑)。
担当を受け継ぐ小泉さんには、いつまでもピュアな気持ちを忘れずに頑張ってほしいですね。
新しい担当へバトンタッチ。これからの大学キャリア教育に込める想い
―今年は、企画から担当されていた當房さんから、小泉さんに担当がバトンタッチしましたね。後を引き継ぐ小泉さんへひとことお願いします。
當房:次の代に引き継ぐと途切れてしまうこともよくあると思います。なので、まずは続けてもらいたい。
そして、これまでの形にとらわれず、小泉さんらしさをプラスして、入社2年目のフレッシュな気持ちで自由に楽しみながら取り組んでほしいです。
自分の大学時代を振り返って、何があれば良かったかを考えて、学生のためになる、キリンを好きになってもらえる内容になっていくことを期待しています。
小泉:入社1年目で昨年の大学キャリア教育に同行させていただいたとき、「1年目からこんな大役を任されていいのか。自分にできるのか」と不安な気持ちでいっぱいでした。
でも、すでに當房さんが素晴らしい内容を1から作り上げているので、それをしっかり受け継いで続けていきます。
この大学生キャリア教育活動をさらにブラッシュアップしていくことは簡単ではありませんが、自分なりの色を出していきたいです。
―昨年から今年で、大学キャリア教育の内容に変わったことはありますか?
小泉:2022年度大学キャリア教育の内容は、『一番搾り とれたてホップ生ビール』の魅力にクローズアップし、商品が出来上がるまでの製造工程やそこに関わる人たち、仙台工場と地域の関わりを体感してもらう内容でしたが、今年は商品だけでなく、キリン自体の魅力も合わせて伝えたいと考えました。
注目したのが、キリンのCSV(※)活動です。これはキリンの根幹にあるところで、会社としても重要な考え方でもあります。
東日本大震災以来、キリングループとしても力を入れている取り組みでもあり、仙台工場は特に率先して行うことを期待されています。だからこそ、キリンがどんな取り組みを行なっているのかをしっかりと伝えていきたいです。
―今年も充実した内容になりそうですね。今年の参加学生にはどんなことを感じてもらいたいですか?
當房:繰り返しにはなりますが、企業活動を幅広く経験できることが、この大学キャリア教育の大きな特長なので、学部や学科に縛られずに参加してほしいです。
また、これだけ大規模な設備で造られているビールは無機質に捉えられがちですが、その裏には生産者がいて、造り手のこだわりがあって、苦労もあって。そんな、ものづくりに対する想いや背景も感じながらキリンを好きになってもらいたいです。
小泉:當房さんと同じく、まずは商品の裏にあるストーリーや温かさを感じ取ってほしいです。あとは、参加する前と後で、仕事に対する考え方や働くことに対する自分のイメージがどう変化するかをよく観察してください。
参加してみて、「やっぱり製造業や飲料業界に興味があるな」と思うのも一つだし、「自分には合わないかな」と思うのもありだと思うんです。参加した前後の変化をぜひ共有してください。
もう一つ。今年は、仙台工場が100周年を迎えた節目の年でもあるので、参加していただくなかで学生の皆さんが感じたキリンの良さや、もっとこうした方が良いと感じたこと、そして皆さんは今後どのような企業を選びたいか、支持したい、応援したいと思うのかということを学生の視点、お客さまとしての視点、その二つの視点から意見を伺ってみたいです。
―岡田さんから、今年の参加学生に向けて伝えたいことはありますか?
岡田:コロナ禍もあって、対面や実際に体験できるインターンシップが少なかったので、私にとってこの大学キャリア教育はとても貴重でした。
そして、マーケティングの方や営業の方の仕事を見て、これまで自分の視野になかった職種を体験できたのは、自分の人生のなかで大きなターニングポイントでした。そのときに思ったこと、感じたことは今も大切な経験になっています。
皆さんもぜひ、参加して感じたことや自分の気持ちの変化をどんなに小さなことでもいいのでいっぱい記録しておいてほしい。自分の目でみた感覚ってすごく大事だと思うし、実際に就職活動をするときにも役に立つと思います。
編集部のあとがき
ビールづくりに欠かせない素材であるホップをつくる農家さん、そのホップづくりを街ぐるみで盛り上げるプレイヤー、そして、商品になるまでの製造工程に携わる工場の造り手、さらにスーパーマーケットなどの店頭で陳列を行う営業。
このようにビールがお客さまに届くまでに、多くの人が関わっていて、このプログラムでは、その工程を追いかけることができます。
昨年このプログラムに参加した岡田さんは、農学研究を専攻していますが、プログラムを通じてマーケティングの仕事の楽しさを知り、自身の研究が世に出る姿を思い描きわくわくして、キリンへの入社を決めていただきました。
今回参加する学生の皆さんにも、これまで知ることがなかった仕事とその醍醐味を知り、今後のキャリアを考えるきっかけにしてもらえたら何よりです。
ひょっとしたら、この体験をきっかけに新しい「興味の扉」を開くことになるかもしれません。
また、将来の働くイメージを思い浮かべてはワクワクしてもらえるよう、運営側も心機一転して盛り上げていってほしいと思います。
年末まで、このプログラムに並走していくのがとても楽しみです。