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2020年を振り返って。つぼみときざし。

「これからの乾杯を考える」場としてスタートしたnoteですが、ひょっとしたらその答えの糸口は、「人とのつながりを考え直す」ということなのかもしれない。そんなことを今になって思い始めています。

昨年末、こんな風に1年を振り返っていました。あれから1年が経ち、いみじくも今年は「人とのつながり」を切羽詰まって考え直さざるを得ない1年になってしまったように思います。

今年1年間でリリースしたnoteは約70本。改めて記事を並べてみると、昨年末では予定していなかったコンテンツが多く見受けられました。そして「予定外」のコンテンツの中に来年以降のヒントがあるようにも思いました。

ここで1年の振り返りをさせていただき、今年1年我々のメディアにお付き合いいただいた方々への年末のご挨拶とさせていただければと思います。

予定外から生まれた「声」

「 #これからの乾杯を支える 」という企画では、コロナ禍で大きな打撃を受けている生産者の方や飲食店の方への支援の取り組みを紹介させていただきました。

この企画がきっかけとなり、社内からたくさんの声が上がりました。「こんな支援の取り組みがあったよ」と新しい情報を教えてくれたり、とある地域の営業スタッフからはこのスローガンを背負ってお得意様への支援を行いたいという声が上がったりと、最前線で現場と向き合っているスタッフから声が届きました。

その後、営業スタッフがコロナ禍でお困りのお得意様に対して実際に行ってきた情報発信「外食レター」を、より多くの方の目に留まればという想いから、noteでまとめることになりました。

▼営業担当のインタビュー

▼外食レター

夏には投稿コンテスト「 #また乾杯しよう 」が始まりました。この企画も今年でなければ生まれなかった企画でした。

この企画でははじめて「社員の寄稿」を試みましたが、コンテスト開始当初は予定していたことではありませんでした。「オウンドメディアとして今何ができるだろう?」という話し合いの中で、自然と「声をかけたい」という気運が生まれ、10名近くのスタッフから手が挙がり、あっという間に実現に至りました。

おかげさまで寄稿記事は多くの方に読んでいただきました。このことがきっかけとなり、今もなお「声をかけたい」という声はnote編集部に届き続けています。

これからも、noteが内側から「声をかけたい」と思える場所であり続けるために、内側に耳を澄ますことを活動の基盤に置き続けたいと思っています。

クリエイターさんへのお声がけ

来年はもっとnoteという街を歩き回り、クリエイターさんに声をかけていきたい

昨年最後の記事はこう締めくくっていました。そして今年は多くの方にご登場いただきました。「私の晩酌セット」「改めて、キリンラガービールとは」「うしろむき夕食店」の3つの企画を実施しました。

「私の晩酌セット」では、7名のクリエイターさんにお声がけさせていただき、思い思いの晩酌時間を届けていただきました。クリエイターさんのnoteがきっかけで、読者の中からも多くの晩酌セットが届き、年末には今井さんと山口さんに審査員をお願いしたコンテストまで実現することができました。

▼審査結果

実はこの企画のタイトルは昨年の時点で決まっていました。どうしても華やかな食卓の風景がSNSには上がりがちだけど、noteの街にいる方々は、きっともっと素朴な楽しみ方をふだんはしているはずで、その楽しみを共有できたら穏やかな晩酌時間が流れるかもしれない、そう思って始めました。

企画が始まった6月は、コロナ禍で先が見えない不安が世の中を覆い、外にでも出れずに家にこもる時間が増えてきた時期でした。この企画がネガティブに捉えられないか不安もありましたが、クリエイターさんの投稿がとても楽し気でそんな不安を拭い去ってくれたことを憶えています。

日常の中には小さな幸せがあるってことを実感できる期間になったと思います。

審査会での山口さんのお言葉ですが、この言葉をいただいて、ようやくこの企画を続けてきた意味を感じることができました。

改めて、キリンラガーとは」は、はじめて特定の商品についてご愛顧いただいている方に商品愛を語っていただく企画でした。

定番がわかるからこそ、よしあしをはかるものさしになる。私にとってキリンラガービールはビールの「きほん」を教えてくれた存在なのだ。

こうして我々の商品を「外の目」から語ってもらうことで、我々自身も改めて自社商品の魅力に気付かされるきっかけにもなりました。

ポプラ社さんとコラボした小説企画『うしろむき夕食店』も昨年末から今年頭にかけて内容が決まった企画でした。

落ち込んでるときって、「自分には何もない」とか思っちゃうじゃないですか。でも、後ろを振り返ってみると、それぞれに重ねてきた歴史があるはずなんです。その中には、今の悩みに立ち向かうためのヒントが埋もれていると思うんですよね。

だから、お酒や料理を通して自分の過去を振り返り、そこから前向きなヒントを見つけられるような物語にできたらいいなって。それで『うしろむき夕食店』というタイトルをつけました。

作家の冬森さんの想いを改めて読むと、先行きが見えなくなりそうな今年の状況とも繋がってくるようで、当初描いていたストーリーとはまた違った響き方をしてきます。

『うしろむき夕食店』は次回が最終回です。お楽しみに。

つながりを深く長く

投稿コンテスト「 #また乾杯しよう 」では、以前実施した投稿コンテストの受賞者の中からお三方にお声がけさせていただき、お手本投稿としてご参加いただきました。

コンテストの主催者と受賞者の関係が、どうしても点の関係のように思えてしまっていて、その関係性からもう一歩先に行きたくてこのような取り組みに至りました。

お三方には直接お声がけもさせていただいたのですが、皆さまの返事がとても嬉しくて思わずキャプチャをとったのを憶えています。改めてこちらでもお礼申し上げます。

▼過去受賞者によるお手本作品はコチラ

今年は「 #また乾杯しよう」「 #ここで飲むしあわせ」と投稿コンテストを2回行いました。あわせて6,000件近い投稿をいただくことになりました。我々のコンテストに興味をいただき、参加していただいた皆様、本当にありがとうございました。

日本産ホップの魅力を伝える特集「 #日本産ホップを伝う 」では、我々からの発信のみならず、日本産ホップの一大産地である岩手県遠野で活動をされている方々と一緒になって発信を盛り上げることにしました。

結果としてマガジンページには30本近いコンテンツが並ぶことになりました。コンテンツを発信する度に、少しずつですが同じようにホップ生産を営んでいる方や、日本産ホップを取り扱うブリュワーの方々がSNSを通じて感想を届けてくれました。

熱量の高い場所には、同じように熱量のある方が集まり、そこから同心円状に徐々に拡がっていくことを実感できた1年でした。このような取り組みは来年以降も継続していきたいと思っています。

21年、つぼみのような声を

「それでは、また次の乾杯まで」

これまでnote編集部が担当した記事は、基本的にこの文章で締めていましたが、今年ほど「次の乾杯」が待ち遠しい1年はなかったように思います。今年1年は、この言葉を打つ度に毎回落ち着かない気持ちになりました。

noteという街を2年近く歩いてきましたが、来年どんな風に過ごしていけばいいのか、いまだにわからない状況です。しかしながらひとつだけ決めたことがあります。

来年は、大きく振りかぶることなく、足元にある声をもっと拾っていく1年になると思います。問いかけのような、独り言のような、花が開く前のつぼみのような声たちをひとつひとつ拾い上げていく予定です。

そしてそんな声を目にした皆さんにとって、暮らしの中でひとつの小さな「きざし」になれたら我々としてはとても嬉しいです。

2020年、キリンビール公式noteにお付き合いいただきありがとうございました。
2021年もよろしくお願いいたします。

それでは、また次の乾杯まで。