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ものづくりへの熱量が愛着に。昨年参加者がインターンシップで得たこと

“キリンビールのファンを、一人でも多く増やしたい”。
そんな想いでスタートした、キリンビール仙台工場のインターンシップ。
「ものづくりの上流から下流までを見てもらうこと」をコンセプトに、『一番搾り とれたてホップ生ビール』が商品になるまでの製造工程やそこに関わる人たち、仙台工場と地域の関わりを体感してもらうプログラムです。

キリンビール仙台工場が熱い想いを持って取り組むインターンシップ。2022年度も内容がさらにブラッシュアップされ、はじまりました。

今回は、昨年参加した学生を招いて、仙台工場長の末武将信と一緒に、キリンビールへの印象やビールの楽しみ方、将来の仕事に対する考え方など、インターンシップを経て感じたリアルな感想、現在感じる内面の変化などについて伺いながら、昨年を振り返ります。

キリンビール仙台工場の末武

【プロフィール】末武 将信
1993年キリンビール株式会社入社。広島、横浜工場で醸造部門に所属した後、本社生産部を経て、2005年から2年半、中国広東省珠海にてビール新工場建設に携わる。その後、名古屋工場の品質保証部門、岡山、横浜工場の醸造部門、本社調達部を経て、2019年10月に仙台工場副工場長、2022年に同工場工場長に着任。

インターン参加学生の山田

【プロフィール】山田 祐理子
東北大学文学部4年。2021年度インターンシップ参加学生。

インターン参加学生の今野

【プロフィール】今野 里門
東北大学文学部4年。2021年度インターンシップ参加学生。


仕事に対する価値観の変化。将来をよりイメージができるように

学生たちが対談する様子

―まずは、昨年参加された山田さんと今野さんにお伺いします。昨年、インターンシップに参加していかがでしたか?

山田:参加するまではビールやキリンのことをあまり詳しくは知らなかったんですが、すごく身近に感じられるようになりました。また、社会人の方々と関わる機会も少ない状況で、どんな気持ちで、どんな熱意を持って仕事をしているかというところを知ることができて、ビール造りに対して、熱い思いややりがいを持って取り組まれている姿を見ることができたのは、貴重な経験です。参加前は積極的にビールを飲む方ではありませんでしたが、ホップ畑で爽やかな香りを嗅いで、これまでより好きになれました。

今野:私も、ビールはあまり得意ではなかったのですが、ブランドを飲み比べてみたり、食事との組み合わせを考えてみたりと、楽しめるようになりました。インターンシップで印象に残っているのは、「モノづくりとコトづくり」について、遠野でホップとビールによるまちづくりを推進する田村さんにお話を伺ったことです。ホップの栽培やビールの製造はモノづくりだけど、遠野をビールの里として盛り上げることで、思い出や体験が生まれてコトづくりになる。ストーリーを一緒に届ける大切さを知りました。私自身も、キリンがたくさんの企業の中の一つという印象から、愛着を持てる企業になって、モノからコトに変わったのを感じています。

―インターンシップを終えて、働くことに対して持っていた印象に変化はありましたか?

山田:もともとは公務員を目指していたのですが、インターンシップを通して、広報や製造過程など、いろいろな現場を見て、こういう仕事もあるんだと視野も広がり、選択肢の幅が広がりました。

―印象的だった職種はありましたか?

山田:営業です。実際にスーパーなどで陳列のお手伝いをさせていただいたのですが、営業の方がスーパーでどう陳列されるか、どう販売していくかということにまで気を配っていることは知りませんでした。

―今野さんはいかがですか?

インターン参加学生の今野

今野:現場って一つじゃないんだなとすごく感じました。たくさんの職種を間近で見ることができて、それぞれ違ったおもしろさがあることを知りました。今後、自分がどのような仕事をしていきたいか考えたとき、一つの仕事をずっと続けるより、いろいろな仕事を少しずつやってみたいという考えが、自分の中でまとまった気がします。

―参加するまでは、どんな職種に興味があったのですか?

今野:アイデアを出すのが好きなので、広告や企画の仕事に関心がありました。でも、考えることや工夫することって、どの仕事でもできるし必要なことだと気づいて視野が広がりました。実際に、働いている人を見たり、お手伝させていただいたことで、自分が何をしたいかが、具体的にイメージを持って答えることができるようになったと思っています。

体験や感じたことを、自分の言葉で人に“伝える”ということ

インターン参加学生の山田

―インターンシップ中は、KIRIN公式noteでレポートを書いていただきましたが、自分の言葉で書くというのは大変だったと思います。どんなことを意識しながら書いていましたか?

山田:初めてnoteを書きましたが、自分が感じたことにぴったりくる言葉選びが難しかったです。あと、書きたいことはたくさんあるけど、一番伝えたいことは何か、どう伝えるのが効果的なのかなど、工夫しながら書くのは想像以上に大変でした。でもすごくおもしろい経験でした。

今野さんのレポート記事

今野:私はもともと文章を書くのが苦手なので、インターンシップ中は意識してメモをとるようにしていました。自分が感じたことや注目したこと、経験したことは、ノートを見ればわかるのですが、いざ書こうとすると、それを誰に伝えるのか、自分はどういう立場で伝えればいいのか、すごく悩みました。ほかの人の投稿を見ると、こんな書き方や切り口もあるんだと発見も多くて、回を重ねるごとに、もう少し自由に書いてみようと思えるようになりました。

―家族や友人など身近な人に伝えたときは、どんな反応がありましたか?

山田:本当に濃厚な時間だったので、友人には「まずnoteを読んでみて!」と言いました。家族には、『一番搾り とれたてホップ生ビール』を飲みながら、体験したことを話しました。友人からも、「おもしろそう、私も参加したかった」という声も多くて。このコロナ禍で、ここまで充実したインターンシップはなかなかありません。

ノートにメモする学生

今野:実家暮らしなので、毎日夕食を食べながら、その日体験したことや感じたことを伝えていました。友人にも話しましたが、選考に影響したり、グループディスカッションがあったりと就活に直結するようなインターンシップに参加する友人には、特に魅力的に見えたようです。改めて社会を知ることができる、本当に学生のためのインターンシップだなと感じました。

ものづくりへの熱量が、ブランドや企業への愛着を生む

とれたてホップ一番搾り生ビール
2021年発売の『とれたてホップ 一番搾り生ビール』

―インターンシップの中で、企業やブランドに愛着を感じる瞬間や持つきっかけになったタイミングはありますか?

山田:これまでは、できあがった商品を手にするだけでしたが、ものづくりの上流から下流まで製造工程を5ヶ月もかけて見ることができたことで、とても愛着を感じています。

今野: 1日目の工場見学で、末武さんにビール造りへの想いを熱く語っていただいたのですが、ただの説明会ではなく、まるでファンによる熱弁のようで。働いているみなさんが、何よりキリンの大ファンなんですよね。そんな熱い思いを造り手から直接受け取ることができたので、感化されましたし、思いをこめてものづくりをされているんだなと愛着が沸きました。

―実際にプレゼンをされた末武さんは、お二人の感想を聞いてどう感じられますか?

末武:インターンシップでの経験が、いろいろな場面で継続して生かされていますね。さらに、今後を考えるきっかけになったようで嬉しいです。インターンシップは、我々にとっても非常に有意義な企画です。キリンを知って、親しみを持ってもらえたことはとてもありがたいことです。

キリンビール仙台工場の末武

末武:一つの商品ができるまでいろいろな人が関わっています。キリンの商品に関わらず、物を買うときに、そんな背景が頭に浮かぶようになってくれたらいいですね。

「モノづくり・コトづくり」についても、記憶に残っていて嬉しいです。我々工場で働くメンバーは、お客様との直接の接点は少ないのですが、このインターンのような場で「モノづくり」についてしっかりと伝えることがとても大切な仕事で、まさに「コトづくり」となります。基本、我々からお伝えするのですが、逆に皆さんに質問をもらって本当にハッとすることも多く、こちらが気付くこと、学ぶこともたくさんあります。

2022年度のプログラムをブラッシュアップ。昨年を振り返って見えたこと

キリンビール仙台工場の末武

―2022年のインターンシップもスタートします。昨年を経て、今年ブラッシュアップしたことはありますか?

末武:ものづくりの上流である原料から下流にある営業までを見ていただくというベースは変わりませんが、今年はさらに上流のマーケティングの部分も見ていただきます。昨年のアンケートで、「マーケティングについてもっと知りたい」という声があり、今年は本社からマーケティング担当を招いて、そもそもこの製品にはどんなストーリーや想いが詰まっているのか、というところも聞いていただきます。ブランドは我々が一番大事にしているところでもあるので、より知っていただく機会になって、もっとブランドを好きになってもらえたら嬉しいですね。

そしてもう一つ。インターンシップの最後に行うまとめの報告会は、今年は東北大学で、ご級友や先生方に向けて発表してもらおうと考えています。昨年までは、仙台工場のスタッフに向けて発表してもらっていましたが、みなさんが体験したことや感じたことを、もっと広く知ってもらいたいと思ったんです。キリンについて知っている我々ではなく、キリンを知らない人たちに向けて発信してもらおうと。

―さらに充実したインターンシップになりそうですね。

末武:今後もインターンシップを継続させていくことで、キリンビールという会社はもちろん、仙台工場が持っている強みや資産をさらにブラッシュアップしていきたいと考えています。来年も、今年参加していただく皆さんのお話をお聞きしたいですね。報告会でも、聞いてくれた方が何を感じて、キリンのどんなところに興味を持ってくれるのか、そのあたりを知ることができるのも楽しみにしています。

モノづくりを、コトづくりに。地域とともに、愛される工場でありたい

鼎談している様子

―インターンシップでは、製造工程だけでなく、仙台工場の地域との繋がりやホップで盛り上がる遠野の様子も見ていただきました。仙台で働く、地方で働くということに対しては、どんなイメージを持ちましたか?

山田:遠野で田村さんの話を聞いて、地元で働くというイメージが持てました。自分にあそこまでできるかはわからないけれど、地域のために働くというのはとても魅力的なことだと感じました。もともと地元に貢献したいという気持ちはあったのですが、何か還元していけるような仕事をしたいと、より思うようになりました。

今野:もともと仙台の気候や食べ物、仙台で生活することが好きだったので、社会人になってもできれば仙台に住み続けたいと思っていました。インターンシップに参加する前は、働く場所はあるのかなという不安な気持ちがずっとありましたが、インターンシップを通してお会いする方々が仙台や東北地方で活躍されていて、地元で働くということが身近に感じられるようになり、希望に繋がりました。

話を聞くインターン参加学生たち
今回の鼎談には、2022年度のインターン生も参加。インターンシップに参加して「ビールに対する印象は変わりましたか?」という質問も。「父とビールを飲むようになったり、飲食店でキリンビールが目につくようになった」と今野さんは答えてくれました。

―今後、インターンシップやものづくりを通して、学生やその他地域の方々とどのように関わっていきたいと考えていますか?

末武:工場は、安全・安心でおいしいビールを造って、お客様にお届けすることが最も大切な仕事ですが、一方で、工場はそれぞれの地域にあって、地域との絆を作って、社会課題を解決しながら、地域で愛されるという大事な役割も担っています。

インターンシップをさらに良いものにブラッシュアップしていくのはもちろん、noteをきっかけに、報告会に参加して「キリンビールっていいな」と思ってもらえる人がいたら、そんな方々に向けて特別講義なんかをやってもいいなと考えています。工場長特別ツアーのような企画はどうでしょうか。参加していただければキリンを好きになってもらう自信はあります!

この企画も3年、5年、10年と長く続けながら、インターンを体験したみなさんが魅力を誰かに伝えてくれて、さらにその人が新しい誰かに伝えてくれて、キリンのファンがじわじわ増えていく。そんな風に裾野を広げていける活動の場にできたらと思っています。

鼎談している様子

編集部のあとがき

座談会の様子

このインターンシップは「杜の都のビール学舎」として、昨年からnoteで追いかけているのですが、参加された学生さんにも個人のnoteアカウント上で感想レポートをあげてもらっています。

 学生さんから届くリアルな文章はとても瑞々しく、読んでいるとなんだかこちらもフレッシュな気持ちになるようで、レポートが上がってくるのが毎回楽しみでした。
 
今年もインターンシップが始まります。今年参加する学生さんがこれから何を発見し、そしてどんな変化をもたらすのか。これからnoteで追いかけていきます。ぜひ楽しみにしていてください。

文:高野瞳
写真:上野裕二
編集:RIDE inc.


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